札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は札幌相続相談所にご相談ください。札幌相続相談所は相続税申告を専門に扱う税理士事務所が運営しております。税理士事務所の代表者は司法書士資格をも有し、司法書士業務においても相続業務を専門としていますので、相続税申告だけでなく、各種相続手続(相続登記、遺産分割協議書作成、預貯金や株式等の承継手続など)もまとめてご依頼いただけます。相続税の初回ご相談は無料です。
個人に対する遺贈は「相続税」の対象
相続税といえば、被相続人から相続によって財産を取得した相続人が申告するものだと理解されています。その理解は正しいですが、相続税を負担するのは相続人だけではありません。「遺贈」によって財産を取得した個人も、相続税の申告をして相続税を納税しなければならないのです。
遺贈というと、2種類あります。
一つ目が「包括遺贈」であり、遺言によって、財産の全部または一部を包括的に与えることをいいます。たとえば遺言書の記載が次のような形であれば包括遺贈に該当します。
私のすべての財産は、〇〇(たとえば相続人以外の第三者)に遺贈する。
私の全財産のうち3分の1は〇〇(たとえば相続人以外の第三者)に遺贈する。
二つ目が「特定遺贈」であり、遺贈する財産を具体的に特定して遺贈する方法です。たとえば遺言書の記載が次のような形であれば特定遺贈に該当します。
私が有する札幌市豊平区の土地は、〇〇(たとえば相続人以外の第三者)に遺贈する。
私が有する北洋銀行札幌西支店の預金は〇〇(たとえば相続人以外の第三者)に遺贈する。
上記のいずれかの遺贈によって財産を取得した者(個人)は、相続税の課税対象になるので注意が必要です(贈与税の対象ではありません)。
(注)なお、遺贈は法人に対しても行うことが可能です。株式会社等の普通法人に対して遺贈が行われた場合は、相続税の対象にはなりません。遺贈を受けた法人が普通法人であるならば、それは法人税の課税対象となります。一方で遺贈を受けたのが公益法人であるのなら、法人税の課税対象にはならず、個人とみなされて相続税の対象になることがあります。
包括遺贈なら受遺者は相続人と「同一」の立場
包括遺贈であれば受遺者が相続人とほとんど同視できる一方で、特定遺贈では受遺者を相続人と同視することはできません。
包括遺贈の対象になるのはプラス財産だけでなくマイナス財産も対象になることから、「全財産(プラスもマイナスも)は〇〇に遺贈する」とされた場合、受遺者は全財産を相続で取得した相続人と同じ立場です。遺贈対象が割合で示されていた場合も、法定相続分を有する相続人と同一の立場と考えることができます。
このようなことから、包括遺贈については次の条文があります。
(包括受遺者の権利義務)
民法第990条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。
一方で特定遺贈であれば、遺贈の対象物は特定されたものですので、受遺者は相続人と同様に考えることはできません。「札幌市豊平区の土地を遺贈する」と遺言に書かれた場合、受遺者に移転するのは札幌市豊平区の土地の所有権のみであり、他の財産はもちろんのこと、マイナスの財産(相続債務)が移転することもありません。
包括遺贈と特定遺贈の相続税における扱いの違い
包括遺贈は相続とほとんど同じ、特定遺贈は相続と異なる、という点から、包括遺贈の受遺者と特定遺贈の受遺者には、相続税の申告において次のような差があります。
包括遺贈の受遺者の場合
被相続人の債務を控除することが可能である
受遺者が葬式費用を支出していた場合、葬式費用の控除も可能である
所得税の準確定申告の納税義務を承継する
特定遺贈の受遺者の場合
被相続人の債務を控除することができない(そもそも債務を承継しない)
受遺者が葬式費用を支出していたとしても、葬式費用の控除は不可
所得税の準確定申告の納税義務は承継しない
札幌の相続税申告は札幌相続相談所へ
札幌・札幌近郊で相続税申告にお悩みの方は札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。札幌相続相談所を運営する当税理士事務所は相続税申告を専門に扱う税理士事務所です。令和8年8月現在、当事務所が関与した申告案件の税務調査の実施率は2%未満です。
令和8年8月現在、税務調査において税理士の過失による評価間違いを指摘されたことは一度もございません。札幌の相続税申告は、安心して札幌相続相談所にご相談ください。相続税の初回ご相談は無料です。Webからは24時間お問い合わせいただけます。
札幌市中央区の札幌相続相談所は、相続税申告を専門に扱う税理士事務所が運営しています。代表税理士は司法書士資格をも有するため札幌の土地評価にも定評があります。そもそも相続税申告が必要か分からない、相続税の節税方法が知りたい、相続税を専門としている税理士に相談したい。このようなことでお悩みの方はぜひ札幌相続相談所にお問い合わせください。相続税の初回ご相談は無料です。
相続税は誰が払うのか
相続税の相談に応じていると、やはりよく聞かれること、というのがあります。そのなかの一つに、相続税は誰が払うのか、というご質問があります。ご相談者のなかには、次のように考えている方がいるようです。
相続税は、相続人のなかで代表者を決めて、その者が支払えばよい
相続税は、法定相続分で分けて納税すればよい
相続税は、相続人の頭数で割って均等に支払えばよい
結論をいうと、上記のお考えはいずれも「誤り」です。代表者が支払うわけではなく、(結果として法定相続分や頭数均等になることもあり得ますが)法定相続分や均等に割って支払えばよいわけではありません。
まずは相続税の総額を計算→各人に配分
相続税申告書のなかでは、相続税の算出として、まずは「相続税の総額」が算出されます。たとえば課税対象財産が7,000万円だとして、法定相続人が3人である場合に、相続税の総額として「220万円」のように算出されるのです。
相続税の総額が計算された後に、各相続人に相続税額が配分され、各人の納税額が決まります。この配分の基準は、法定相続分でもなければ頭数でもありませんし、相続人の協議で配分を自由に動かせるわけでもありません。
相続税の申告書上、配分の基準は「あん分割合」と呼ばれますが、簡単に言うと財産の「取得割合」のことです。たとえば課税対象財産7000万円を、相続人3人で、「3対1対1」の各割合で取得したとすると、相続税の総額220万円も「3対1対1」に割り振っていくのです。配偶者の税額軽減や障がい者控除などは、割り振られた税額にあてる形で適用されます。
考え方としては、財産(プラスのもの)の取得割合に応じて納税額(マイナスのもの)も割り振っていくのが公平ということでしょう。
相続人ではないのに、相続税を支払う人
相続税を納税するのは相続人だけ、とは限りません。相続人ではないのに、相続税を負担しなければならない人もいます。
それが「遺贈で財産を取得した人(受遺者)」です。遺贈とは、遺言によって(主に)相続人以外の者に対して財産を与えることです。遺言者が亡くなった場合に、遺言の効力によって財産が受遺者に移転するのです。相続人ではないもののお世話になった人がいるなど、そのような場合に遺贈のために遺言書をつくることがあります。
相続人ではない受遺者も、その遺贈された財産に対して相続税を負担しなければなりません。相続人ではないのだから遺贈で得た財産は「贈与税」の対象なのではないか、と思われる方がいますが、贈与税ではなく「相続税」の対象です。
相続税の納税義務者が死亡した場合
相続が起こり、財産を取得するとなったにもかかわらず死亡してしまう方がいます。
このような場合は、相続税の納税義務を財産を取得した者の相続人が引き継ぐことになります。
たとえばAさんが死亡し、Aさんの相続人がBとCで、財産の一部をCが取得するとまとまったとしましょう。相続税の申告を行おうと思っていた矢先、Cも死亡しました。Cの相続人はDとEです。
このようなケースでは、Cが支払うことになっていた相続税額はCの相続人のDとEが支払うことになります。
相続税の処理は、相続人ご自身が対応するには難しいといえます。正しく処理しなければ、相続税の納税額の配分で間違えてしまい、公平な税負担にならないことだって考えられます。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は札幌相続相談所にお任せください。相続税の初回ご相談は無料です。
札幌で相続税の無料相談に対応しています。相続税申告が必要かどうか分からない。相続税申告したいが、その仕方が分からない。相続税の専門家に依頼したい。相続税の節税方法について知りたい。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は当税理士事務所にお気軽にご相談ください。当税理士事務所は相続税を専門に扱う税理士事務所です。札幌圏での実績(申告件数)はトップクラスです。
死亡退職金の相続税上の扱い
誰かが死亡し、その者に支給されるべきだった退職手当金等を相続人が受領した場合、その退職手当金等は相続税の課税対象になります。相続人が受領しているのだから相続人の所得を構成し、所得税の課税対象になると考えることもできなくはありませんが、「退職金はもともと被相続人が積み立てていたものであって、被相続人が生存していたら被相続人本人に支給されるはずだった」という点に鑑み、相続税の課税対象になっているのです。退職金は一般的には1000万円以上になることが多く、これを「所得税」の対象とすると税負担が重すぎることから、相続税の課税対象とした方が国民にとってもありがたい扱いだと考えられます。
就業規則等で、従業員が死亡した場合はその従業員の配偶者等の相続人などが,
死亡した者が積み立てていた退職手当金等を受け取れると規定されていることが多いものです。そのような規定に基づいて相続人等に直接支給されると考えると、当該金銭は相続人の所得とも考えられますが、税負担のことを考え、当該退職手当金等は「相続財産とみなす」とされています。「みなす」というのは、「そうではないものを、そうだと扱う」という意味ですから、相続人等が受領した退職手当金等は相続財産ではないものの、相続財産と扱われるという意味です。
また、相続人が受け取る被相続人の退職手当金等(以下において「死亡退職金」といいます)は、政策的に課税される額がおさえられています。相続財産とみなされて相続税の対象になるというだけで税額がおさえられる結果になるのが一般的ですが、相続税の処理においても死亡退職金には「非課税の枠」が認められているのです。
非課税の限度額は「500万円×法定相続人の数」です。相続人が3人いたら、1500万円までは非課税と扱われるのです。
死亡して退職となったケース
札幌で相続税申告を専門に扱う当税理士事務所では、次のような案件のご依頼がありました。
札幌市西区に住むAさん(58歳)が令和8年11月3日に死亡しました。Aさんの相続人は配偶者であるBとAB間の子であるCとDの三名です。
Aは札幌市内の企業の従業員という立場であり、死亡により退職という形になりました。Aは長年その企業に勤めていたことから退職金の積み立てがあり、企業の規定に従って配偶者相続人Bは1300万円の死亡退職金を受領することになりました。
Bが死亡退職金を請求し、Bの口座に令和8年11月25日に「1335万円」が振り込まれていました。
従業員が死亡した場合、企業には様々な規定があり、そのなかに死亡退職金の取り扱いが定められています。死亡退職となった場合に、誰が退職金を受領できるか細かなルールがあります。配偶者が第一順位、配偶者がいない場合は子どもが第二順位、という定めがよく見受けられます。Bが死亡退職金を受領できたいのは第一順位であったためです。
死亡退職金と同時に支払われるものがある
札幌市西区のAさんのケースでは、死亡退職金が支払われる際に、Bさんの口座に1335万円が振り込まれていました。Aさんが勤めていた会社によると、死亡退職金は1300万円ということでしたが、35万円多く振り込まれていました。
会社によると、この35万円は「11月25日に支給予定だった10月分の給与」とのことでした。1300万円と35万円を分けて支給してくれれば分かりやすいですが、会社によっては死亡退職金以外の支給がある場合に、その合計を一括して振り込むこともあるのです。
問題は、この35万円の取り扱いです。札幌市西区のAさんのケースであれば、死亡退職金の非課税限度額は1500万円ですから、1300万円では非課税の枠を使いきれていません。一括して余計に多く振り込まれていた35万円も死亡退職金の非課税枠を使うことができるのなら、35万円にも相続税がかからないことになります。
一方で35万円は死亡退職金として扱われないのであれば、この死亡退職金は非課税枠に入れる処理をした場合、その処理は不適切な処理となり、税務調査があった場合に指摘されることは間違いありません。
結論を述べると、相続開始時に支給期が到来していなかった未支給の給与は、非課税の対象となる死亡退職金ではなく、通常の(つまりは、課税される)相続財産を構成します。申告書上は、第10表ではなく直接第11表に載る「未収入金(未受領給与)」として処理することになります。
相続税法基本通達3-33においても、次のように定められています。
支給期の到来していない給与
相続開始の時において支給期の到来していない俸給、給料等は、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等には該当しないで、本来の相続財産に属するものであるから留意する。
非課税の扱いを受けることができる退職金かどうかは、会社から交付される支払調書を見ればわかります。支払調書を見てもよく分からない場合は、受給者から支給してくれた会社に問い合わせてその詳細を確認するとよいでしょう。
札幌相続相談所で扱ったケースでは、一括して死亡退職金等が配偶者相続人に支給されていましたが、非課税の枠のなかに入るもの(つまり第10表に記載されるもの)とそうではないものに分けて申告書に反映しました。間違えてすべてを第10表に入れると税務署からの指摘が入りますので注意しましょう。
札幌市中央区にございます札幌相続相談所には、札幌をはじめ札幌近郊からも相続税に関する各種お問い合わせがございます。札幌・札幌近郊で相続税のことでお困りの方は相続税専門の税理士事務所である当税理士事務所にお気軽にご相談ください。
相続税申告で加算する生前贈与
相続または遺贈によって相続財産を取得した人が、被相続人から生前に暦年贈与を受けていた場合、一定期間の生前贈与について、相続財産に持ち戻しを行って相続税額を計算する必要があります。
具体例を出しましょう。
札幌市東区のAさんが令和8年12月5日に死亡しました。Aさんの相続人は子どものBのみです。Aさんの「死亡時の」相続財産の総額は札幌市東区の自宅不動産を含めて4,000万円でした。
Aさんは生前に、自分が亡くなったら相続人になるのはBのみだと理解しており、どうせならBに早く財産を移したいと考えていました。Aさんは生前に相続税を専門としている税理士に相談したところ「生前(暦年)贈与」について教えてもらい、以下の生前贈与をBに対して行っています。AとBとの間の贈与はすべて贈与契約書があり、民法上有効に成立した贈与契約といえます。
令和7年5月5日 200万円の贈与
令和6年2月2日 100万円の贈与
令和5年11月11日 100万円の贈与
※Bさんは、令和5年から令和7年の間で他に受けた贈与はありませんでした。
札幌市東区のBさんのケースであれば、相続税の申告を行う際に、死亡日から遡って3年間の贈与は相続財産に持ち戻すことから、令和7年5月5日の200万円贈与と令和6年2月2日の100万円贈与を相続財産に加算して相続税申告を行います。一方で令和5年11月11日の100万円贈与は持ち戻す必要はありません。
結局、相続税申告において加算するのは合計300万円の贈与であり、4,000万円の相続財産に300万円の贈与を加算して相続税額を計算し、その相続税額から令和7年に支払った贈与税額を差し引くことになるのです。
ところで、相続税申告における生前贈与の加算は「3年」から「7年」に改正されたことをご存知の方もいるでしょう。その改正は確かにありますが、経過措置があって、相続開始のタイミングによって加算する期間が異なります。まとめると次のとおりです。
令和8年12月31日までに発生した相続について→3年分を加算
令和9年1月1日~令和12年12月31日の間に発生した相続について→令和6年1月1日から死亡の日までの間になされた贈与を加算
令和13年1月1日に発生した相続について→7年分を加算
生前贈与加算の「期間」についての考察
では、AさんからBさんへの令和5年の贈与が令和5年11月11日ではなく、Aさんの令和5年12月4日であればどうでしょうか。
結論からいうと、相続税申告において令和5年12月4日になされた贈与は加算する必要はありません。令和5年12月5日から相続開始までの間になされた贈与が加算対象になります。
結論だけ見ると非常に簡単な話のようですが、税理士は税法を扱う「法律家」ですから、法律家として、期間についてはきちんと「考察」が必要です。
そもそもですが、相続税法は民法の特別法です。特別法に定めがないことは一般法の規定によって解決されることになりますから、相続税の処理においても民法の定めが適用される余地があります。そして民法の「期間の計算」といえば、次の定めがあります。
民法第140条
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
これは「初日不算入の原則」というもので、法律家であれば誰もが知っている条文です。相続税法においては、期間のカウントについての定めがなく、生前贈与加算においても民法第140条の規定が適用されるのではないか、とも考えられます。民法第140条が適用されると、「初日不算入」なのですから、札幌市東区のAさんのケースであれば令和12月5日に相続が開始したものの、初日は不算入で令和8年12月4日から3年間遡ると理解することもでき、そうなると令和5年12月4日の生前贈与も相続税において加算の対象になるのではないか、という疑問が生じるのです。
この点については、相続税の生前贈与加算について、民法第140条を適用して初日不算入で遡る必要はない、と理解しています。
民法第140条は期間の「起算」について定めた条文であり、ある日を起算日として期間を計算するときの条文だといえます。たとえば「決議の日から2年以内」という場合の期間のカウントで適用されます。
一方で相続税における生前贈与加算は、「遡る」ものであり、起算の場面とは異なると理解することができます。また、相続税の基本通達19-2においても、たとえば令和8年12月31日までに発生した相続については「相続の開始の日から遡って3年目の応当日から当該相続の開始の日までの間」の生前贈与を加算すると明記されています。この明記がなければ、法律家としては少し悩んでしまうところではあります……。
障がい者控除で税額が出ないときは相続税申告は不要?
札幌で相続税の申告を専門に扱う札幌相続相談所には、様々なご相談が寄せられます。相続税の相談のなかには、「申告は必要なの?」というご質問もございます。ご遺産の総額が基礎控除を大きく下回っているケースであれば申告は不要だとわかりますが、「この場合だと申告は要るのか、それとも不要なのか」と迷ってしまうケースもあります。
申告の要否を迷ってしまうケースといえば、「障がい者控除」を適用することで納税が発生しなくなる場合です。そして障がい者控除は障がい者本人が使い切れない「控除の残りの枠」を扶養義務者に使わせてあげることができるため、その扶養義務者についても、「控除の適用によって税額が発生しない場合は申告の必要はないのか」という疑問が生じることになります。これらの疑問について、札幌の相続税専門税理士が解説します。
「障がい者控除」の概要
相続税申告において「障がい者控除」を適用することで、大きく税額を引き下げることが可能になります。
障がい者控除の要件は次のとおりです。
相続や遺贈で財産を取得すること
相続や遺贈で財産を取得したときに、その取得者の住所が日本国内にあること
相続や遺贈で財産を取得したときに障が者であること
相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人であること
上記の要件を満たした者は、障がい者控除の適用によって支払う相続税額をおさえることができます。実際の控除額額は次のとおりです。
「一般障がい者」→「(相続した年齢から85歳に達するまで)×10万円」
「特別障がい者」→「(相続した年齢から85歳に達するまで)×20万円」
たとえば相続人が50歳で一般障がい者であれば、控除額は「350万円(85‐50=35、35×10万円)」になります。一般障がい者であれば、85歳に達するまで1年あたり10万円、特別障が者であれば1年あたり20万円の控除の枠があると理解すればよいでしょう。また、一般障がい者はたとえば身体障がい者手帳で3級~6級の方であり、特別障がい者はたとえば身体障がい者手帳で1級2級の人です。
この控除額ですが、相続財産の規模等によっては障がい者本人が使い切ることができないケースがあります。使い切ることができなかった額は「控除未済額」といいますが、この未済額を、その障がい者の「扶養義務者」にあたる者が相続人(や受遺者)のなかにいれば、その扶養義務者の相続税額から控除することが可能です。
「扶養義務者は誰か」という点については相続税法の一般法にあたる民法の規定に従い、その障がい者の「配偶者、直系血族、兄弟姉妹、(そしてあまりいませんが)3親等内の親族のうち一定の者」があたります。
障がい者本人の申告の要否について
ここからが本題です。
相続税申告にあたって、障がい者控除を適用できる障がい者本人について、障がい者控除で相続税の納税額がゼロになった場合、申告の必要はあるのでしょうか。具体例を出しましょう。
札幌市在住のAさんが死亡しました。Aさんの相続人は子どもであるBのみ(70歳)であり、課税対象となる相続財産は4000万円です。Bさんは身体障がい者3級という認定を受けており、障がい者手帳を交付されています。
Bさんは身体障がい者3級であるため、一般障がい者にあたり、150万円(85‐70=15、15×10万円)の控除が認められる立場です。相続財産が4000万円であれば、基礎控除3600万円を加味すると、Bさんの相続税の納税額は40万円になり、150万円の枠を使うことで納税は発生しません(相続税額はゼロになるだけで、さすがに還付にはなりません)。
このケースにおいて、障がい者控除によって相続税の納税額がゼロになったBさんは、相続税の申告義務はありません。障がい者控除の適用は申告が要件ではなく、相続税額がゼロになったら申告不要と覚えてください。
障がい者の扶養義務者の申告要否について
では、障がい者本人ではなく、本人の障がい者控除の残りの枠を使わせてもらった扶養義務者はどのように扱われるでしょうか。
札幌市在住のAさんが死亡しました。Aさんの相続人は子どもであるB(70歳)とC(65歳)であり、課税対象となる相続財産は5500万円です。Bさんは身体障がい者3級という認定を受けており、障がい者手帳を交付されています。
Bさんは身体障がい者3級であるため、一般障がい者にあたり、150万円(85‐70=15、15×10万円)の控除が認められる立場です。相続財産が5500万円であれば、基礎控除4200万円を加味すると、BさんとCさんの相続税の総額は130万円です。障がい者本人であるBさんは障がい者控除によって納税は発生しません。また、Bが使い切れなかった障がい者控除の枠については、Bの扶養義務者であるCが使い、Cも相続税額が発生しませんでした。
このケースにおいては、障がい者本人であるBのみならず、障がい者の扶養義務者にあたるCも相続税の申告は不要になります。障がい者の扶養義務者も、障がい者本人と同様に、障がい者控除の適用によって納税額が発生しなくなった場合は、相続税の申告の必要はないのです。
相続税の申告の要否は、意外に難しい判断をしなければならない場合があります。少しでも不安を感じたら、相続税を得意とする税理士に相談することをおすすめします。札幌・札幌近郊の方は札幌相続相談所にお気軽にお問い合わせください。
札幌市中央区にございます当税理士事務所は、相続税申告を専門とする税理士事務所です。相続税の処理が分からない、相続税を得意とする税理士に依頼したい、相続税専門の税理士にまずは相談したい、という方はお気軽にご相談ください。札幌の相続税専門税理士があなたの力になります。
相続時精算課税制度にかかる令和5年度税制改正
相続時精算課税は、令和5年の税制改正で大きく変わりました。相続時精算課税の適用を受けている者が、特定贈与者から令和6年1月1日以降に受けた贈与については基礎控除(110万円)が適用され、基礎控除以下の贈与額であれば贈与税の申告が不要になったのでした。
令和5年12月31日までであれば、相続時精算課税の適用を受けた者が特定贈与者から贈与を受けた場合は、たとえ1円であっても「基礎控除」はなく、贈与税の申告をする必要がありました。
2年目以降の贈与税の申告をしていないケース
札幌で相続税の相談に応じていると、次のようなケースがありました。
令和8年11月に札幌市西区のAさんが死亡し、相続人はAさんの子で、札幌市西区でAさんと同居していたBさん一人です。
BさんはAさんから令和3年に500万円の贈与を受けており、相続時精算課税制度の適用を受けたことで、その500万円について当時贈与税は発生しておりませんでした。
その後、Aさんは令和4年に300万円を、令和5年に200万円をBさんに贈与していましたが、Bさんは令和4年と令和5年の贈与について、贈与税の申告をしていませんでした。
なぜBさんが贈与税の申告と納税をしていなかったかというと、Bさんは次のように考えたためです。
相続時精算課税制度の適用を受けたということは、Aからの贈与はトータルで2500万円までは非課税になる。令和3年の500万円に、令和4年の300万円、令和5年の200万円を加えたところで合計は1000万円であり、2500万円未満になるから納税は発生しないし、申告も不要になる。
しかしながら、札幌市西区のBさんの認識は誤りでした。相続時精算課税制度の適用を一度受けた者は、特定贈与者(Aさん)から受けた相続時精算課税制度の適用後の贈与については、仮に贈与の額の合計が2500万円以下になるとしても贈与税の申告が必要になるのです。
つまりBさんは管轄の札幌西税務署において、令和3年分のみならず、令和4年分と令和5年分の贈与の申告をしなければならなかったのです。その趣旨は、税務署に対して、相続時精算課税制度の特別控除の残額を伝える、ということです。令和4年と令和5年のそれぞれの分の申告をすることで、特別控除額の残額は1500万円なのだと税務署に知らせることが必要なのです。
期限後申告になると、特別控除は?
ここで問題になるのは、相続時精算課税制度を適用した者が行う、初年度より後の年度の特定贈与者からの贈与税の期限後申告の処理についてです。
一般的な考えであれば、札幌市西区のBさんは令和4年分と令和5年分それぞれの贈与税をする際に、特別控除を適用し、2500万円の非課税枠の範囲内だから非課税という申告をすればよいと考えがちです。
しかし、特別控除の適用を受けるためには贈与税申告について「期限内」に申告する必要があります。期限後申告になった場合は、特別控除の適用を受けることができないのです。
特別控除の適用を受けることができないということは、一律20%の贈与税を支払う必要があります。そして贈与税の本税だけでなく、税額が生じるのですから、無申告加算税と延滞税をも支払う必要があることは言うまでもないでしょう。
相続税の処理はどうする
札幌市西区のAさんのケースでは、次の処理をすることになります。
Bさんの令和4年と令和5年の贈与税の申告と納税を行う。
Bさんが相続税申告を行う際に、令和4年分と令和5年分として支払った贈与税額を、相続税額から差し引く
問題なのは、相続税の税額から差し引くことができる贈与税額は、贈与税の本税(本体)だということです。無申告加算税と延滞税については、差し引くことはできませんので注意が必要です。
札幌で相続税の相談に応じていると、札幌市西区のAさんのように、生前贈与の処理が適切にできていないケースが多々見受けられます。相続税申告において、生前贈与の処理に不安がある方は、札幌の相続税専門の当税理士事務所にご相談ください。
相続税申告の相談を受け付けています。札幌市中央区にございます当税理士事務所は相続税申告を専門に扱う税理士事務所です。税理士・司法書士のダブルライセンスで、あなたの相続税申告等の相続手続を最適化します。札幌で相続税申告についてお困り方は、札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。相続専門税理士が親身に対応します。
孤独死により、死亡日が正確に分からないケース
相続税の相談を数多く受けていると、年に数回、次のようなご相談があります。おそらく札幌だけでなく、似た事例は全国に多く存在するでしょう。
札幌市東区のAさんは、一人暮らしであり、子供はいませんでした。そんなAさんですが、持病を抱えていたこともあってか、自宅で孤独死をしてしまいました。発見されたのは死後数か月が経ってからのことです。
Aさんの相続人は札幌市北区に住んでいたAさんの弟のBさんです。Bさんのところに、警察から「Aさんらしき人が死亡したようです」と連絡がありました。孤独死で死後数か月経っていると遺体の外観からはAさんだと断定はできないため、このような連絡の仕方になるのです。
警察はBさんの協力を得て、いわゆるDNA鑑定をしました。DNA鑑定の結果、死亡していたのはやはりAさんだと分かりました。解剖の結果、Aさんが死亡したのは令和8年10月15日から10月31日とのことで、戸籍の死亡年月日の箇所には「令和8年10月15日から10月31日の間死亡」と記載がされました。DNA鑑定の結果を聞いて、Aさんが死亡したことをBさんが知ったのは、その数か月後の令和9年2月5日でした。
問題その1:相続税申告期限はいつ?
上記の札幌市東区のAさんのケースにおいて問題となるのは、相続税申告の期限です。
相続税申告の期限は10か月ですが、その起算点は「死亡日」ではありません。「被相続人が死亡したことを知った日から」10か月以内に申告する、というのが正式な申告期限です。
ということは、札幌市東区のAさんが死亡したという事実をBさんが知ったのはDNA鑑定の結果を伝えられた令和9年2月5日ですので、申告期限はそこから10か月後の令和9年12月5日となります。
警察から電話がきて「Aさんらしき人が亡くなった」と伝えられたときから申告期限のカウントがスタートするという考え方もあるでしょう。しかしながら、警察から「Aさんが死亡した」と伝えられたのならまだしも、「Aさんらしき人が亡くなった」と伝えられただけであれば、Aさんの死亡を確定的に知ったとは言えないと考えることができます。
問題その2:財産評価はどの時点で行う?
「孤独死、DNA鑑定、正確な死亡日は不明」というケースは想像以上に多いものです。このようなケースで問題となるのは相続税申告の期限だけではありません。「正確な死亡日は不明」というなかで、「いつの時点の財産評価を行うか」という点も極めて重要な問題です。
10月15日(期間の初日)
10月31日(期間の最終日)
10月22日(期間の真ん中)
直感的に、期間の真ん中である10月22日ではないと思う方が多いはずです。真ん中というと10月23日になる可能性もあり、財産評価の時点を確定することが困難になります。
結論を述べると、「期間の最終日」を財産評価の時点とします。10月15日から10月31日までの間、ということはその間は生きていた可能性があるため、確実に亡くなっているという31日を財産評価の時点とします。
よくある間違い
よくある間違いは、申告期限と財産評価時点をセットで考えてしまうことからきます。
申告期限は、相続開始を知った日から10か月以内でしたので、札幌市東区のAさんのケースであれば令和9年2月5日から起算し、令和9年12月5日でした。
この申告期限の起算日にひっぱられ、財産評価時点も令和9年2月5日としてしまう相続人がいらっしゃいます。実際に、札幌で相続税相談に対応しているときに、このように考えている相続人がいました。
あくまでも財産評価時点は、令和8年10月31日です。翌年の2月5日が財産評価時点だと勘違いしてしまうと、預貯金の残高証明書を取得する際にも間違うだけでなく、不動産の評価も令和9年の路線価に基づいて計算をしてしまうことになります。
相続税申告はプロにお任せ
相続税申告は、経験がない方にとっては、非常に難しいと感じられることがあるでしょう。
そんなときは、相続税申告のプロにお任せください。札幌市中央区にございます当税理士事務所は創業当初から相続税申告業務に特化した税理士事務所です。初回ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。