札幌市中央区の当税理士事務所では、相続税申告の無料相談を受け付けています。相続税の申告が必要なのか分からない、相続税の有効な節税対策を教えてほしい、相続税申告を税理士に依頼した場合の費用が知りたい、このようなお悩みがある方は札幌の相続税専門税理士にご相談ください。
相続税の財産評価の時点
相続税申告を行うにあたっては、各種相続財産の評価が必要です。「財産評価基本通達」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。財産の評価については自由に行うことができるわけではなく、財産評価基本通達に従って評価することが求められます。
その財産評価において、「評価の時点」はいつでしょうか。それはズバリ「相続開始日」です。
たとえば札幌市南区のAさんが令和8年2月14日に死亡したとしましょう。その場合、Aさんが有する財産について、令和8年2月14日時点の評価を行うことになるのです。
税理士は被相続人の口座の動きを知りたがる
相続税申告を行う場合、担当する税理士にもよりますが、ほとんど(というかほぼ全員)の税理士が、被相続人の過去数年(たとえば当事務所では最低でも相続開始から遡って7年)の入出金の記録を確認します。
入出金の確認の素材となるものは、過去の期間分の動きの記録がある通帳がある場合は、その通帳をお預かりして行うことになります。
ただ一般的には、過去の繰り越し済みの通帳は廃棄してしまったという方も珍しくありません。また、現代においては、そもそも通帳が発行されていない口座を利用されている方もいます。そのような場合は、銀行で「入出金明細(取引履歴)」の開示請求を行って、通帳の代わりになるものを取り寄せます。
※入出金明細(取引履歴)の開示請求には手数料がかかります。札幌の被相続人の多くが利用している北洋銀行や北海道銀行の場合は、10年分の開示請求を行っても手数料は千円程度ですが、都市銀行などは1か月あたり数百円の手数料を請求する金融機関もあります。1か月あたり数百円を請求されてしまうと、仮に10年分取得すると、なんと数万円の費用がかかってしまうため、昔の通帳があるかどうか、確認するとよいでしょう。
過去の入出金内容を知りたい理由
札幌で相続税の相談を受けている場合に、まれに聞かれるのが次のことです。
相続税評価の時点は相続開始日なのに、なぜ過去のことを知りたがるのですか。
質問の意図はよくわかります。各相続財産について、相続開始日の評価を行うのが税理士の仕事ですから、相続開始日よりも前の取引は相続税の財産評価に何らの影響もないと思ってしまうのでしょう。
しかし、税理士が過去の入出金内容を把握したいのには理由があります。それは、「相続税の課税対象財産の計上漏れを防ぐため」です。
入出金記録の確認を怠って財産が漏れたケース
たとえば次のケースがあるとします。次のケースは、相続税申告の現場では意外と多いケースです。
札幌市南区のAさんが令和8年2月14日に死亡しました。相続人はAさんの子のBさんのみです。Aさんの財産は、札幌市南区の自宅不動産(評価額1500万円)と預貯金(2000万円)のみだとBさんは考え、相続税申告は不要と判断しました。
数年後、管轄の札幌南税務署から問い合わせがあり、Aさんの相続において、申告が必要であるにもかかわらず、無申告なのではないか、という指摘がありました。
札幌南税務署の担当の調査官は、Aさんがメインで使っていた北洋銀行札幌南支店の口座記録を細かく調べていたのです。そして、Aさんが死亡する前に3年以内に、500万円、300万円が出金されていたことを突き止めていました。
上記の札幌市南区のAさんのようなケースはよくあることです。Aさんのケースでは、500万円と300万円が出金され、相続人であるBさんの口座に同日付けで入金されていました。BさんがAさんのお金を預かっていたのですが、相続開始前のこの取引が、まさか相続税申告に影響するなどとはBさんは考えてもいませんでした。
税務署は入出金記録から何を読み取るのか
税務署の調査官は、被相続人の入出金記録を確認し、たとえば次のような事柄がないか確認します。
被相続人の口座から相続人への贈与がなかったか
被相続人の口座から相続人等への貸し付けや預け金がなかったか
多額の出金があって、その出金額相当が他の財産として申告書に計上されている気配がない場合、計上漏れの手許現金(タンス預金)があるのではないか
入出金の記録は嘘をつきません。いつ、いくら引き出したのかが明確に記録されています。そして相続人の口座の入出金の記録と突き合わせて考えることで、被相続人のお金の動きが手に取るようにわかるようになるのです。
税務調査で指摘される前に税理士が財産の計上漏れを防ぐ
税務署が入出金の記録を見て財産の計上漏れを指摘するのであれば、税理士としてはあらかじめ入出金の記録を確認する必要があります。
あらかじめ入出金の記録を確認し、大きな取引について相続人にその取引内容を確認することで、相続人への贈与や相続人にお金を預けている等の事実をつかむことができます。その内容を相続税申告書に反映することで、財産の計上漏れを事前に防ぎ、税務調査で指摘されることをなくすことができます。
札幌・札幌近郊で相続税の申告にお困りの方は、当税理士事務所にお任せください。札幌市中央区にございます当税理士事務所は相続税申告に特化した専門の事務所です。相続税の申告が必要なのか分からない、相続税申告のプロに任せたい、相続税申告の処理の方向性が知りたいなど、札幌の相続税専門の税理士にご相談ください。
同族法人が債務超過、その会社に対する貸付金
札幌で相続税の無料相談に応じていると、様々な相談が寄せられます。そのなかに、「同族法人への貸付金の評価」というご相談がありました。次のケースをご覧ください。
札幌市中央区で会社経営をしていたAが死亡し、その相続人はAの子供であるBです。Aの遺産は自宅不動産や預貯金の他に、自身が経営していた会社(株主はAで、社名は札幌A株式会社といいます)への経営者貸付金1億円がありました。
札幌A株式会社の財政状態はよくなく、いわゆる債務超過です。ただ債務超過といっても、経営者貸付金(会社から見ると経営者であるA個人からの借入金)が貸借対照表を圧迫し、他の銀行借入などと合わせて債務超過に陥っている状態です。
札幌A株式会社は、わずかながら利益は毎期出しています。しかしながら1億円もの経営者A個人からの借入金を返済することはできず、無利子無期限でA個人が会社に貸し付けていた状況のまま、Aが死亡してしまいました。
札幌A株式会社が属する業界は落ち目といえる業界であり、今後札幌A株式会社の業績が拡大して経営を再建することはほとんど現実的といえません。
相続税の申告実務をしていると、札幌に限らず被相続人が会社経営者ということは珍しくありません。一般の会社員や公務員に比べて、会社経営者はやはり富裕層に位置づけられる方が多くいるためです。
問題は貸付金の相続税評価
会社経営者が自らの会社に貸付金を有している状態で死亡した場合に問題となるのは、その貸付金の評価です。
仮に札幌A株式会社の財政状態と経営成績が絶好調であり、債務の支払いに何らの心配もない場合は、A個人の財産として札幌A株式会社に対する貸付金は、相続開始時に未回収の額をそのまま相続税申告に計上すればよいと考えられます。
一方で現実は違います。札幌A株式会社は債務超過状態であり、事業が好転することも不可能な状況に陥っています。A個人が札幌A株式会社に「貸した金を返せ」といったところで1円だって返ってこない状況であり、これはAが死亡した後も状況に変化はありません。
そうなると、A個人の相続財産を評価するなかで、札幌A株式会社への貸付金は「回収不能債権」ということでゼロ円として評価してよいのでしょうか。額面の1億円として評価するのと、ゼロ円で評価するのでは、相続税額にも大きな影響がありますので検討しなければなりません。
財産評価基本通達205
財産評価基本通達には、次のように記載されています。
貸付金債権等の評価を行う場合において、その債権金額の全部又は一部が、課税時期において次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにおいては、それらの金額は元本の価額に算入しない。
上記を読むと、一瞬ですが札幌A株式会社への貸付金は評価ゼロでよいのではないか、と思うかもしれませんがそうではありません。
「次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」の「次に掲げる金額に該当するとき」とは、たとえば次のような場面です。
手形交換所で取引停止処分を受けている
会社更生法や民事再生法で、更生手続・再生手続の開始決定があったとき
破産法の規定によって破産手続開始決定があったとき
など
結局のところ、ほとんど倒産状態でにっちもさっちもいかないとき、でなければ「回収が不可能又は著しく困難」とは認められないのです。札幌A株式会社は利益をわずかですが出せていた状況なので、このような状況には該当しないといえます。
その後会社が本当に消滅したら
札幌A株式会社のような会社は、遅かれ早かれ役目を終え、解散清算を行うことになるでしょう。あるいは業務が行き詰まり、倒産ということも考えられます。
A個人が有していた札幌A株式会社への株式をBが相続し、その後数年のうちに会社が消滅したことをもって、Bは「1億円の会社への貸付金があった」として申告した被相続人Aにかかる相続税申告において支払った相続税額を、後日において取り戻すことはできるのでしょうか。一度払った税金を取り戻す手続のことを「更正の請求」といいますので、更正の請求は認められるのか、ということが問題となります。
基本的には更正の請求は認められないと考えるのが相当でしょう。
なぜなら、会社への貸付金の評価時点はあくまでも「相続開始日」だからです。相続開始日とはAの死亡日であり、Aの死亡日においては、札幌A株式会社は利益を出せていた会社です。その時点では、貸付金の評価としては「回収不能または回収が著しく困難」とは言えなかったわけですから、貸付金を1億円とした評価は間違いではありません。
会社が消滅した、というのは評価時点よりも後の話であって、評価時点の評価には影響を与えないと考えるのが相当でしょう。
しかしながら、この点については、会社の財政状態や経営成績だけでなく、属している業界の傾向なども鑑み、実際の事例では丁寧な検討が必要となります。
相続開始後に配偶者相続人が死亡、相続税の「配偶者の税額軽減」は?
札幌市中央区の当税理士事務所は、相続税特化の税理士事務所です。相続税申告の仕方が分からない、相続税の相談がしたいのに相談先がない、相続税申告を得意とする税理士に依頼したい、相続税申告の費用がどのくらいかかるか知りたい、相続税額を節税したい。このようなことは当税理士事務所にお気軽にご相談ください。
相続税における「配偶者の税額軽減」とは
相続税申告において、配偶者相続人にだけ特別な優遇制度が用意されています。その優遇制度とは、「配偶者の税額軽減」です。
配偶者の税額軽減とは、配偶者相続人が遺産分割等によって取得した相続財産の額が、次のどちらかに多い金額までは、配偶者相続人に相続税は課されないという制度です。
1億6000万円
配偶者相続人の法定相続分相当額
配偶者相続人の法定相続分は、相続関係によって異なります。配偶者と子が相続人の場合は2分の1、配偶者と直系尊属が相続人の場合は3分の2、配偶者と兄弟姉妹(甥姪含む)が相続人の場合は4分の3が、配偶者相続人の法定相続分です。
法定相続分が1億6000万円を超えるという方は非常に少数ですので、配偶者の税額軽減は、ほとんどの方にとっては「配偶者相続人が取得する遺産の額が1億6000万円までであれば非課税になる制度」と理解すれば足ります。
配偶者の税額軽減で相続税がゼロに
札幌で相続税の無料相談に対応していると、札幌だけでなく札幌近郊などからも数多くのご相談者がご来所されます。先日、次のような相談がありました。
札幌市東区のAさんが死亡し、その相続人は配偶者のBとAB間の子であるCとDの合計3名です。Aの遺産は札幌市東区の自宅不動産を含めおよそ1億円でした。
BCD間にはまったく争いはありませんでしたので、話し合いの結果、Aさんの遺産は札幌市東区の自宅不動産を含めてそのすべてを配偶者Bが相続することになりました(この話合いは、相続税の申告期限までに完了しています)。
配偶者の税額軽減制度があることから、Bは相続税がゼロになります。1億円もの不動産や金融資産を相続しても、結果として非課税という扱いになるのです。
※配偶者の税額軽減の適用を受けるためには、相続税申告が必要です。相続税申告をした上で、税額軽減の適用を受けて納税額がゼロになるのです。納税額が生じないからといって相続税の申告が不要なわけではありません。
配偶者相続人が遺産分割の前に死亡したケース
先日、相続税のご相談で、次のような状況の方がいました。前述の札幌市東区のA
さんのケースと似ていますが、少しだけ異なります。
札幌市厚別区の甲さんが令和8年2月に死亡し、その相続人は配偶者の乙と甲乙間の子である丙と丁の合計3名です。甲の遺産は自宅不動産を含めておよそ9000万円でした。
令和8年4月に、甲の後を追うように乙も亡くなってしまいました。甲の遺産について、乙丙丁の3名での分割は済んでおりません。乙の相続人は丙と丁の2名のみです。
上記のケースは、意外とよく聞く事例です。札幌で相続税の相談に数多く接していると、配偶者相続人が自らの配偶者の後を追うように立て続けになくなるということは珍しくないと感じます。
配偶者相続人の死後でも配偶者の税額軽減の適用可能
札幌市東区のAさんのケースと札幌市厚別区の甲さんのケースは似ているにもかかわらず、甲さんのケースで配偶者の税額軽減の適用が認められないとするのなら、それは非常に不合理です。
乙の死亡は予測できない突然のことであり、その突然の事象によって納税額が大きく変わってしまうのは、納税者にとって酷なことです。
したがって相続税法基本通達19の2-5により、甲さんのケース(相続開始後で遺産分割の前に配偶者相続人が死亡したケース)であっても、一定の要件を満たしていると配偶者の税額軽減の適用を認めています。その要件とは、次のとおりです。
※以下における「一次相続」とは、甲さんのケースであれば令和8年2月に発生した甲さんの相続のことです。
一次相続における配偶者相続人以外の相続人と配偶者相続人の相続人の合意がある。
その合意によって、一次相続において配偶者相続人が取得するとした相続財産がある。
たとえば甲さんのケースであれば、甲の相続における乙以外の相続人は丙と丁です。そして乙の相続人は丙と丁です。結果、甲の相続(一次相続)において、丙と丁の2名によって、「札幌市厚別区の自宅不動産は死亡した乙が相続したことにしよう」とすれば、その自宅不動産は乙が取得したと扱うことができるのです。そして乙が取得した財産の額は1.6億円に満たない額ですので、配偶者の税額軽減を適用して、乙の納税額はゼロになります。
プランニングによって納税額が大きく異なる
札幌市厚別区の甲さんのようなケースは、税理士としてはまさに腕の見せ所です。
甲さんの遺産を乙さんを経由せずに丙と丁に承継させるのか、あるいは乙を経由して丙と丁に承継させるのか、いずれかによってトータルの納税額が大きく異なることがあります。
札幌の相続税専門の当税理士事務所では、一次相続において配偶者相続人が存在する場合は、配偶者の固有財産の状況を伺った上でプランニングを行います。一次相続で配偶者相続人がいくら取得することが、将来の配偶者相続人が死亡したときの相続(二次相続)の負担との兼ね合いで合理的なのか、検討を行うのです。
札幌市中央区にございます当税理士事務所は、札幌市では数少ない相続税申告に特化した相続税専門の税理士事務所です。相続税申告の仕方が分からない、相続税申告の処理で悩んでいることがある、相続税申告を任せる税理士事務所を探しているといったことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。相続税専門税理士が親身に対応いたします。
相続税申告において、加算しなくてもよい生前贈与がある
相続税申告においては、被相続人からの一定の生前贈与は課税対象財産として加算を(持ち戻しを)しなければならない場面があります。たとえば被相続人が死亡する直前に相続人に対して500万円の贈与をしていたら、その贈与は相続財産に加えて相続税申告をする必要があるのです。
一方で、相続税申告において加算しなくてもよい生前贈与があります。その加算不要の生前贈与のなかに「直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち、非課税の適用を受けた金額」というものがあります。この直系尊属から一括贈与を受けた教育資金の特例について、札幌の相続税専門税理士が解説します。
※直系尊属とは、家系図を書いたときに上に位置する者のことを意味します。たとえば自分から見て父母、祖父母などがその典型です。
直系尊属からの教育費一括贈与の非課税特例の概要
物価高の昨今、多くの人が困っているのが「教育費」の支出です。教育費は年々高騰しているだけでなく、大学進学が一般的になった現代においては、教育費は「不動産」と並ぶほど人生における大きな出費といえます。
そんな教育費に苦しむ現代人の救済制度として誕生したのが「直系尊属からの教育費一括贈与の非課税特例」です。
30歳未満の者が、その直系尊属(祖父母)から教育資金を贈与された場合において、この特例を適用すれば1500万円まで贈与税が非課税となります。
ただ野放しにこの特例の適用を許してしまうと、「これも教育資金です」といって、教育資金を隠れ蓑にした贈与税逃れが蔓延してしまうことを危惧して、この贈与税非課税措置は厳格な要件のもと運用されています。
まず祖父母と孫(孫が未成年であったら孫の親権者)のみの関与で自由にできるわけではありません。方法はいくつかありますが、たとえば書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をし、金融機関で教育資金口座の開設をしなければなりません。そして受贈者が銀行等の金融機関の営業所等に教育資金非課税申告書の提出等をすることが求められています。
たとえば孫が大学に入学するにあたり、入学金が必要となります。そして入学して大学生活を送るためには、大学の学費を支払う必要もあります。
入学金や大学の学費を支払った後、それらの領収書を、教育資金口座を開設した銀行等に提出します。そしてその領収書に基づき、教育資金口座から払い戻しを受けます。
この制度を活用することで、最大で1500万円の教育資金について、贈与税が課されないことになります。
相続税相談で「直系尊属からの教育費一括贈与の非課税特例」の話がでる理由
札幌で相続税の無料相談に対応していると、この教育費一括贈与の非課税特例の話題になることが多くあります。なぜならこの特例の適用を受けて生前贈与がなされたとしても、その生前贈与は「多くの場合は」相続税申告において持ち戻す必要がないものの、実は持ち戻す(相続財産に加算する)必要があるケースもあるためです。
たとえば次のケースに基づいて解説します。
札幌市中央区のAが死亡し、その相続人は子供のBです。Bには子供Cがいますが、CはAの相続人ではありません(Bが生きており、CはAとの間に養子縁組もしていませんでした)。
Aは資産家であり、かねてより可愛がっていたCに教育資金として1500万円を贈与し、教育費一括贈与の非課税特例の適用を受けました。
その後Aは死亡しました。A死亡時、Cは20歳でした。また、教育資金口座に残っていたお金(管理残額)は800万円ありました。Bは相続税申告を行いますが、相続財産に800万円の管理残額を加えて相続税申告を行う必要があるのでしょうか。
遺産規模が5億円に満たないケースなら相続税申告に無関係
管理残額は、次の要件を満たしているのであれば、相続税申告にあたり加算する贈与としては扱われません。
受贈者が贈与者の死亡日において、次のいずれかに該当する場合
23歳未満である場合
学校等に在学している場合
教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合
ただし、次の場合に該当してしまうと、相続財産に加算しなければなりません。
令和5年4月1日以降の一括贈与特例の適用を受けた贈与であり、遺産(正確に述べると課税価格の合計額)の規模が5億円を超える場合
生前対策への活用は要注意
この「教育費一括贈与の非課税特例」は、一般に相続税申告において加算しなくてよいと広く知られています。
しかしながら令和5年4月1日以後の贈与については、「5億円要件」があることには注意が必要です。遺産規模が5億円というと数少ない富裕層ですが、この富裕層については、この特例を使って「贈与税も相続税も回避する」ということは望ましくないとされたのです。
「教育費一括贈与の非課税特例」は、一般に相続税申告において加算しなくてよいと知られているため、有効な生前対策だと思われがちです。しかしながら遺産規模が5億円を超える方については、孫等に行った贈与であっても相続財産に加算しなければならないのですから、生前対策として威力を発揮しないこともあります。
教育費一括贈与の非課税特例を適用した方が亡くなった場合は、お早めに相続税に精通した税理士に相談することをおすすめします。「相続財産に加算しなくてもよい」と思っていても、そうではない場面があるのです。
当税理士事務所は、札幌で相続税申告に特化した税理士事務所です。札幌・札幌近郊で相続税についてお悩みのことがあれば、お気軽にご相談ください。相続税専門の税理士が親身に対応いたします。
相続人の確定が相続税申告の基本
札幌で相続税申告の相談に応じていると、基本の部分から間違えて認識しているご相続人がいることに気づきます。相続税申告の基本といえば、なんといってもまずは「相続人の確定」です。相続人の確定ができなければ基礎控除額が定まらないばかりか、税額計算についても間違えてしまうため注意が必要です。
では、次のケースで被相続人Aの相続人は誰か、札幌の相続税専門税理士が解説します。
数次相続のケース
札幌市南区のAさんが死亡し、その親族関係等の状況は次のとおりです。
Aには配偶者はいない(離婚済み)
Aの子供はBのみ
Bには配偶者はいない(離婚済み)
Bには子供(Aから見て孫)が一人いる
Aが死亡したのは令和8年8月10日
Bが死亡したのは令和8年10月15日
Aの相続財産は札幌市南区の自宅(評価額4000万円)のみ
札幌市南区のAさんの相続人は誰でしょうか。
まず相続人の確定で重要になるのは、その確定の時期です。相続人を確定させたい相続関係は、あくまで札幌市南区のAさんをめぐる相続関係であるため、判断の時期は「令和8年8月10日」です。
令和8年8月10日の時点では、被相続人Aの唯一の子供であるBが生きていたため、そのBが相続人になります。
相続税の申告の要否については、法定相続人が一人であるため基礎控除額は3600万円です。被相続人Aさんの相続財産は札幌市南区の不動産(評価額4000万円)のみですが、その評価額は基礎控除3600万円を上回るため、相続税の申告と納税が必要です。実際には、相続人Bさんも死亡しているわけですから、Bさんの相続人であるCが、Bに代わってBのための相続税申告を行います。
札幌市南区のAさんの事例では、Aの相続開始時にはBが生きていてBが相続人になり、その後Bが死亡してCがBの相続人になりました。このように続けて相続が発生することを数次相続といいます。
代襲相続のケース
では、次のケースであれば相続人は誰になるのでしょうか。
札幌市北区の甲さんが死亡し、その親族関係等の状況は次のとおりです。
甲には配偶者はいない(離婚済み)
甲の子供は乙のみ
乙には、配偶者はいない(離婚済み)
乙には子供(甲から見て孫)が二人(丙と丁)いる
甲が死亡したのは令和8年8月10日
乙が死亡したのは令和8年5月15日
甲の相続財産は札幌市北区の自宅(評価額4000万円)のみ
先ほどのAさんのケースと異なり、甲の子である乙が死亡したのは、甲の相続開始(死亡)より前の令和8年5月15日です。甲の相続開始時には乙は存在しなかったことから乙は甲の相続人にはなれません。
この場合、乙の子(甲の孫)である丙と丁が乙の代わりに甲の相続人として登場します。この丙と丁が、代襲相続人です。
数次相続か代襲相続かで、相続税申告の要否に影響することも
相続人の確定は、相続税申告の基本の基本です。
相続人の確定がなければ、基礎控除額が定まらず、相続税申告の要否の検討もできません。逆に相続人が確定すれば基礎控除額が明らかになり、相続税申告が必要か否か判断できることになります。
札幌市南区のAさんのケースにおいては、Aの相続人はその子のBでした。相続人が一人ですので基礎控除額は3600万円であり、Aの唯一の遺産である札幌市南区の不動産は評価額が4000万円ですので相続税申告の必要があります。
一方で札幌市北区の甲さんのケースにおいては、甲の相続人は孫である丙と丁の二人です。相続人は二人ですので基礎控除額は4200万円であり、甲の唯一の遺産である札幌市北区の不動産の評価額は4000万円でしたので、相続税申告の必要はありません。
札幌市南区のAさんのケースと札幌市北区の甲さんのケースは非常に似ていますが、相続人の数が異なるため、相続税の申告が必要か否か、結論がまったく異なります。相続人の確定がどれほど重要か、お分かりいただけたでしょうか。
法定相続情報の活用がおすすめ
相続人の確定というと、法定相続情報の活用をおすすめします。札幌市中央区にございます相続税専門の当税理士事務所では、どの案件においても、法定相続情報を取得して相続税申告の際に活用しています。
法定相続情報とは、それ一枚あれば相続関係を示す戸籍一式の代わりになる大変便利なものです。
まずは相続関係を示す戸籍一式を取得し、相続関係を示した家系図のようなもの(法定相続情報一覧図といいます)を作成します。そして戸籍一式などの他の書類とその家系図のようなものを法務局に持ち込み、審査を受けます。
ものすごく簡略化して述べると、法定相続一覧図と戸籍一式の内容が無事に一致していたら、その法定相続一覧図に法務局がハンコを押してくれます。そしてその書類が法定相続情報となり、その法定相続情報一枚を提出すれば、戸籍一式を提出した扱いとなるのです。
もし戸籍一式の内容と自分で作成した法定相続一覧図の内容が不一致であった(たとえば相続人として記載するべき人が載っていない等の)場合は、法務局から補正の連絡が入り、修正しなければなりません。
このように法定相続情報を取得する過程のなかで法務局が相続人を確定するお手伝いをしてくれることになるため、相続人の確定に不安がある方こそ、法定相続情報の取得をおすすめします。札幌の相続税専門税理士である当税理士にご依頼いただくと、この法定相続情報も取得いたします。
札幌市中央区にある当税理士事務所では、相続税申告の無料相談に対応しております。当税理士事務所は相続税申告に特化した税理士事務所であり、税理士と司法書士のダブルライセンスで相続手続に対応している札幌では数少ない専門事務所です。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りのご相続人は、お気軽にご相談ください。相続税専門税理士があなたの相続税申告を最適化いたします。
相続分の譲渡とは、その効果は?
相続分の譲渡とは、相続人が自身の相続分を他の相続人や第三者に譲り渡すことです。
相続分の譲渡をすることで、譲渡人は遺産分割に参加する権利と義務を失い、財産の取得を主張できなくなります。
一方で譲受人は、譲受人がもともと相続人である場合は遺産分割において主張できる権利の割合がその分だけ増え、譲受人がもともと相続人ではない第三者である場合は遺産分割に参加して譲り受けた分だけの権利主張が可能になります。
相続分の譲受人が相続人だったケース
札幌で相続税相談に応じていると、次のようなケースに出くわしたことがありました。
札幌市中央区のAが死亡し、その相続人は子供であるBとCとDであり、法定相続分はそれぞれ3分の1です。Bはもともと高所得者でありお金にまったく困っていないことから、その相続分をCに譲渡しました。
このケース1において、相続税申告を含む課税関係にどのような影響を与えるのでしょうか。
そもそもですが、相続分の譲渡は、無償と有償の2つのパターンがあります。以下において、それぞれのパターンごとに札幌の相続税専門の税理士が解説します。
<無償のパターン>
まず相続分の譲渡をしたBが無償でCに譲渡した場合について検討します。
無償で相続分を譲り渡した者は、相続財産について何らの権利主張をすることができなくなります。つまり「相続において財産を取得した者」になることができなくなるわけですから、相続税申告の必要はありません。
ところで無償で相続分の譲渡をするケースは、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所(札幌市中央区のAのケースであれば札幌家庭裁判所)で行う相続放棄と似ています。相続放棄との違いは次のとおりです。
相続分の譲渡人は、相続債務については免れることはできない
相続分の譲受人が主張できる権利が、相続放棄に比べて増えることがある
相続放棄との違いがあるからこそ、相続放棄では相続分の譲渡を選択する意味があるのです。
<有償のパターン>
Bが相続分の放棄を有償で譲渡することも可能です。たとえば3000万円で、自らの相続分を他の相続人に譲渡するのです。
相続分の譲受人が相続人であるなら、相続分を有償で取得してその対価を支払うことは「代償分割」に似ています。代償分割とは、相続財産を多く取得する相続人が、その代わりにお金等の財産を他の相続人に渡す遺産分割の方法であり、相続人間での有償での相続分の譲渡は、この代償分割に経済的効果が類似しているのです。
相続税申告においても、代償分割の時と同様に処理します。Bが相続で取得した財産は代償金3000万円であり、逆にCは取得した相続財産のなかから代償債務である3000万円を引く形で相続税の申告と納税をします。経済的な実態が同じであれば、同じ処理になるのが税務処理の基本です。
相続分の譲受人が相続人以外の第三者だったケース
相続分の譲渡は第三者に対しても行うことが可能です。譲受人が第三者だとしても、やはり無償と有償のそれぞれのパターンがあります。
譲受人が相続人以外の第三者である場合、その譲受人は相続人ではないのですから、その譲受人については、相続税の申告と納税は問題となりません。しかしながら譲受人は経済的な利益を得ているわけですから、相続税とは異なる税金が問題となります。
<無償のパターン>
無償で第三者が相続分の譲渡を受けた場合、それは贈与によって相続財産を取得したと扱われます。
まずは相続分の譲渡人が相続によって財産を取得したと扱われます。相続によって財産を取得したのですから、当然譲渡人について相続税の申告と納税を行う必要があるのは言うまでもありません。
そして相続分の譲受人については、対価を要せずして経済的な利益を受けたのですから、贈与税の申告と納税が必要になると考えられます。
<有償のパターン>
相続分の譲渡において第三者が有償で相続分を譲り受けた場合はどうでしょうか。
この場合においても、相続分の譲渡人は相続によっていったん財産を取得したと考えられるため、相続税の申告と納税が必要です。
相続分の譲受人が得た財産が、含み益のある財産(たとえば土地など)であれば、相続分の譲渡をした者は、譲渡所得税の申告と納税が必要になります。相続した財産(たとえば土地)を売却してその対価を得て利益が出た場合と、経済的実態が同様だからです。
相続分の譲受人については、取得した財産に対して適正だと考えられる額で権利を取得していれば贈与税は生じません。たとえば相続分の譲渡人に1000万円を支払い、1000万円相当の不動産権利を取得したような場合です。
一方で相続分の譲渡人に渡したのが1000万円であるのに、なぜか3000万円の不動産権利を取得したのであれば、その差額は贈与といえます。したがって、この場合は贈与税の申告と納税が必要になるのです。
相続分の譲渡が関係する相続税申告は非常に複雑です。おそらく相続人本人が対応することは難しいため、相続税申告を専門とする税理士に依頼するとよいでしょう。
札幌市中央区にある当税理士事務所は、札幌で相続税を専門に扱う事務所です。これまで数多くの相続税案件のご依頼をいただき、札幌圏内ではトップクラスの取り扱い実績があると自負しております。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方はお気軽にご相談ください。税理士・司法書士のダブルライセンスであなたの相続税申告を最適化します。
換価遺言(清算型遺贈)とは
札幌で相続税申告の無料相談に応じている当税理士事務所には、数多くのご相談がございます。そのなかには、「遺言書があった」という事例も相当数あります。
遺言書がある場合は、(原則として)遺言書の通りに相続財産が各相続人等に承継されます。長男に不動産を相続させる、長女に預貯金を相続させる等の記載があれば、それに従って遺産分割協議を経ずして不動産や預貯金の権利が長男や長女に移転するのです。
ところで遺言書がある相続といえば、相続税専門の当税理士事務所に、次のような相談が持ち込まれたことがありました。
札幌市手稲区のAさんが死亡し、その相続人は甥っ子のBのみです。Aさんの財産は札幌市手稲区の自宅不動産のみでしたが、Aさんは遺言書を作成しておりました。Aさんの遺言書の内容を簡単にまとめると次のとおりです。
自分の自宅不動産を含む全財産を売却換価し、債務や必要経費を控除した上で、その残額をC(札幌市北区在住、昭和35年1月10日生まれ)に遺贈する。
遺言執行者に司法書士Dを指定する
※Cは相続人ではなく、Aの親族ですらありません。
このような遺言は、換価遺言(清算型遺贈)と呼ばれます。Aとしては、Cには何らの負担をかけたくなく、経済的利益のみを享受して欲しい、という考えのもと、このような遺言書を作成しました。すべて換金し、その換金代金のみがCに届くようにすれば、たしかにCに負担はありません。不動産の実物がCに移転する場合に比べ、札幌市手稲区の自宅不動産を利用する予定のないCにとっては非常にメリットの大きな遺言の形、それが換価遺言なのです。遺言執行者に指定されたDの勧めがあったのも、Aの遺言書作成を後押ししました。
換価遺言の場合に問題になるのが「譲渡所得税」
札幌市手稲区のAさんの遺産は、手稲区の自宅不動産のみでした。その不動産が他に売却されて、利益が出ていたらのなら、譲渡所得税の申告と納税をしなければなりません。たとえばAさんが自宅不動産を購入したが額が当時1000万円で、この度の遺言執行者の売却で得た金額は5000万円であり、明らかに利益が出ています。
この5000万円から債務や必要経費の支払いがなされ、その残額が受遺者であるCに渡されていますが、譲渡所得税の申告と納税は、誰が行うべきでしょうか。
誰も譲渡所得税の申告と納税をしないのであれば、税務署から税務調査が入る可能性もあります。そのとき、税務調査が入られるのはおそらく「相続人」です。札幌市手稲区Aの相続人Bのところに税務署から「譲渡所得税の申告と納税が漏れているのではないか」と連絡が入ることが予想されます。
というのは、換価遺言があった場合の登記名義の流れから、利益が生じているのはBであると考えてしまうことは、無理のないことだからです。
換価遺言があった場合の登記名義の流れとその手続き
換価遺言がある場合、登記名義は次のようになります。
1:法定相続人の全員に、法定相続分での相続登記がなされる。
2:法定相続人の全員から、買主の名義に売買を原因とする所有権移転登記がなされる。
換価遺言がある場合に、被相続人の名義から直接買主の名義に変更することはできません。まずは法定相続人に法定相続分で相続がなされたとする登記が必要で、この登記は遺言執行者が単独で(つまり相続人の協力なしに)行うことが可能です。
そして遺言執行者が買主との間で売買契約を締結します。この売買契約の締結においても、相続人の関与はありません。
売買契約ができたら買主の名義に不動産名義変更を行いますが、この売買を原因とする所有権移転登記についても、相続人の協力はなくして、遺言執行者と買主の二者で行うことが可能です。
つまり、登記簿上は「一度法定相続された不動産を相続人が売却した」という外観があるものの、実際には相続人は何ら協力してしません。そして換価遺言(清算型遺贈)の場合は、売却代金から債務や必要経費を差し引いて受贈者にお金が渡るのですから、相続人は売却代金をまったく受け取らないことになります。
この状況で、相続人に譲渡所得税の申告と納税を求めるのは酷だといえます。
実質所有者課税の原則
形式的には(登記簿の流れからは)相続人に利益が生じているように見えますが、税法の世界では形式ではなく「実質」を重視します。
札幌市手稲区のAさんのような換価遺言(清算型遺贈)がある場合、相続人は実質的な権利は何ら手にしません。権利を手にしているのは、売却代金から経費を差し引いた残額を手にした受贈者Cです。
したがって札幌市手稲区の不動産を売却した際の利益(譲渡所得)は受遺者に帰属していることから、受遺者が譲渡所得税の申告と納税をするべきだと考えます。相続人は。譲渡所得税の申告と納税を行う必要はないと考えるが相当です。
※この点については、異なる見解もありますが、税法の「実質所有者課税の原則」からは、そのように考えられます。
遺言作成にも税務の知識が必要
ところで遺言書の作成というと、税理士ではなく司法書士や弁護士の業務だと思われがちです。
実際に遺言書作成を請け負うのは、税理士よりも司法書士・弁護士が圧倒的に多いでしょう。
司法書士や弁護士になかには、相続が発生した後の税金の処理について、何らの知識を持たない方もいるため注意が必要です。札幌市手稲区の自宅不動産の譲渡所得税について、遺言者が死亡した後にどのような処理になるか考えずに遺言書の作成を進めるケースもあるのです。遺言書を作成する際も、税務の知識を有する専門家に意見を求めることがよいでしょう。
生命保険金の受取人が先に死亡している場合の相続税申告
札幌市中央区にございます当税理士事務所は相続税申告に特化した税理士事務所です。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は、当税理士事務所にお気軽にご相談ください。税理士と司法書士のダブルライセンスで、相続税申告を含む相続手続をトータルでサポートします。
生命保険金の受取人が死亡している
相続税申告に特化した当税理士事務所では、相談申告のご相談に数多く対応しています。そのなかで、次のような状況の方がいました。
札幌市清田区のAが死亡しました。Aの相続人は、妹のBです。Aにはもともとは配偶者Cがおりましたが、その配偶者CはAよりも前に死亡しています。Cには前夫との間に子供Dがいますが、Dは前夫との間の子ですので、Aとの間に血のつながりはありません(Aとの間で養子縁組はしていません)。
Aが死亡した際に、保険会社(かんぽ生命ではない)から「生命保険金1000万円の請求ができる」と言われました。ただ問題があり、その問題とは「保険金の受取人は配偶者Cのままであり、Cが死亡した後も変更されていない」ということでした。
上記の札幌市清田区のAさんの事例では、いったい誰が、いくらの生命保険金を受領できるのでしょうか。札幌の相続税専門の税理士が解説します。
保険法46条
保険法によると、次のように定められています。
(保険金受取人の死亡)
保険法第46条 保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。
保険金受取人Cが死亡した際に、その法定相続人は配偶者Aと実子であるDでした。このことから、Aさん死亡による生命保険金は、まずはA自身とDが受け取ることになります。
ここで問題になるのは、A自身も死亡しているという点です。このときは、Aの法定相続人が受け取ることになります。結局のところ、生命保険金はBとDが受け取ることになるのです。
いくらずつ受け取る?
生命保険金はBとDが受け取るということまではよいとして、次に問題になるのはいくらずつ受け取るのか、という点です。
民法の条文には、次のように規定されています。
(分割債権及び分割債務)
民法第427条 数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
それぞれ等しい割合、とありますので、BとDは生命保険金1000万円について、500万円ずつ受け取る扱いになります。
※Dは相続人ではないため、Dが受け取った生命保険金については「みなし遺贈」という形で相続税申告の対象となります。
保険会社に必ず確認するべきこと
保険法46条によって、受取人が被保険者よりも先に死亡していた場合にどのように扱われるのかは分かりました。
ここで注意が必要なのは、保険法46条は「任意規定」ということです。任意規定ということは、契約当事者の意思の合致によって、法律の条文とは異なる扱いが可能となります。
札幌で相続税申告を数多く担当していると、「受取人が被保険者よりも先に死亡していた。受取人の変更はしていなかった」というケースは稀にあります。実際に当税理士事務所でそのような案件を取り扱う場合は、保険会社に確認を行います。保険法46条とは異なる扱いになる契約となっていないか、ヒアリングするのです。
保険法46条と異なる扱いが定められているとしたら、それは契約書の本体に記載があるというよりは、細かなことが書いてある「約款」にその記載がある可能性が高いです。保険会社に確認する際は、「受取人が先に死亡していますが、契約・約款ではその場合誰が受け取ることになっていますか」と質問するとよいでしょう。
かんぽ生命の場合は要注意
札幌市清田区のAさんの保険はかんぽ生命以外の民間の保険でしたが、仮にAさんの保険がかんぽ生命での契約だった場合はどうでしょう。
「受取人が先に死亡している。受取人の変更がされていない」というケースでは、かんぽ生命においては、独自の「遺族規定」というものに従って処理されることになります。
受取人が先に死亡している場合は、次の者が次の順位で受け取ります。先順位の者がいたら、後順位の者は受け取ることはできません。
1:被保険者の配偶者
2:被保険者の子
3:被保険者の父母
4:被保険者の孫
5:被保険者の祖父母
6:被保険者の兄弟姉妹
7:被保険者の死亡当時、被保険者の扶助によって生計を維持していた者
8:被保険者の死亡当時、被保険者の生計を維持していた者
札幌市清田区のAさんについては、1から5までの人はいませんので、上記6に該当する妹のBが受け取ることになるのです。
生命保険が関係する相続税申告は、場合によっては慎重な判断が求められることがあります。少しでも不安がある方は、相続税申告を専門とする当税理士事務所にお気軽にご相談ください。
相続税申告の相談を受け付けています。札幌市中央区にございます当税理士事務所は相続税申告を専門に扱う税理士事務所です。税理士・司法書士のダブルライセンスで、あなたの相続税申告等の相続手続を最適化します。札幌で相続税申告についてお困り方は、札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。相続専門税理士が親身に対応します。
孤独死により、死亡日が正確に分からないケース
相続税の相談を数多く受けていると、年に数回、次のようなご相談があります。おそらく札幌だけでなく、似た事例は全国に多く存在するでしょう。
札幌市東区のAさんは、一人暮らしであり、子供はいませんでした。そんなAさんですが、持病を抱えていたこともあってか、自宅で孤独死をしてしまいました。発見されたのは死後数か月が経ってからのことです。
Aさんの相続人は札幌市北区に住んでいたAさんの弟のBさんです。Bさんのところに、警察から「Aさんらしき人が死亡したようです」と連絡がありました。孤独死で死後数か月経っていると遺体の外観からはAさんだと断定はできないため、このような連絡の仕方になるのです。
警察はBさんの協力を得て、いわゆるDNA鑑定をしました。DNA鑑定の結果、死亡していたのはやはりAさんだと分かりました。解剖の結果、Aさんが死亡したのは令和8年10月15日から10月31日とのことで、戸籍の死亡年月日の箇所には「令和8年10月15日から10月31日の間死亡」と記載がされました。DNA鑑定の結果を聞いて、Aさんが死亡したことをBさんが知ったのは、その数か月後の令和9年2月5日でした。
問題その1:相続税申告期限はいつ?
上記の札幌市東区のAさんのケースにおいて問題となるのは、相続税申告の期限です。
相続税申告の期限は10か月ですが、その起算点は「死亡日」ではありません。「被相続人が死亡したことを知った日から」10か月以内に申告する、というのが正式な申告期限です。
ということは、札幌市東区のAさんが死亡したという事実をBさんが知ったのはDNA鑑定の結果を伝えられた令和9年2月5日ですので、申告期限はそこから10か月後の令和9年12月5日となります。
警察から電話がきて「Aさんらしき人が亡くなった」と伝えられたときから申告期限のカウントがスタートするという考え方もあるでしょう。しかしながら、警察から「Aさんが死亡した」と伝えられたのならまだしも、「Aさんらしき人が亡くなった」と伝えられただけであれば、Aさんの死亡を確定的に知ったとは言えないと考えることができます。
問題その2:財産評価はどの時点で行う?
「孤独死、DNA鑑定、正確な死亡日は不明」というケースは想像以上に多いものです。このようなケースで問題となるのは相続税申告の期限だけではありません。「正確な死亡日は不明」というなかで、「いつの時点の財産評価を行うか」という点も極めて重要な問題です。
10月15日(期間の初日)
10月31日(期間の最終日)
10月22日(期間の真ん中)
直感的に、期間の真ん中である10月22日ではないと思う方が多いはずです。真ん中というと10月23日になる可能性もあり、財産評価の時点を確定することが困難になります。
結論を述べると、「期間の最終日」を財産評価の時点とします。10月15日から10月31日までの間、ということはその間は生きていた可能性があるため、確実に亡くなっているという31日を財産評価の時点とします。
よくある間違い
よくある間違いは、申告期限と財産評価時点をセットで考えてしまうことからきます。
申告期限は、相続開始を知った日から10か月以内でしたので、札幌市東区のAさんのケースであれば令和9年2月5日から起算し、令和9年12月5日でした。
この申告期限の起算日にひっぱられ、財産評価時点も令和9年2月5日としてしまう相続人がいらっしゃいます。実際に、札幌で相続税相談に対応しているときに、このように考えている相続人がいました。
あくまでも財産評価時点は、令和8年10月31日です。翌年の2月5日が財産評価時点だと勘違いしてしまうと、預貯金の残高証明書を取得する際にも間違うだけでなく、不動産の評価も令和9年の路線価に基づいて計算をしてしまうことになります。
相続税申告はプロにお任せ
相続税申告は、経験がない方にとっては、非常に難しいと感じられることがあるでしょう。
そんなときは、相続税申告のプロにお任せください。札幌市中央区にございます当税理士事務所は創業当初から相続税申告業務に特化した税理士事務所です。初回ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
税務調査で、被相続人の自宅リフォームを指摘されたケース
札幌・札幌近郊で相続税申告をしなければならない方は、お気軽に当税理士にご相談ください。札幌市中央区にございます当税理士事務所は、相続税申告を専門に扱う事務所です。税理士・司法書士のダブルライセンスであなたの相続税申告・相続手続をサポートします。
税務調査で預金の動きを見られ、その使途を聞かれた
札幌で相続税申告の相談を受け付けている当事務所には、様々な相談が寄せられます。その相談のなかで、次のようなご相談がございました。
札幌市厚別区に住んでいたAさんが他界し、その相続人は札幌市東区に住むBです。Bは定年退職していることから時間があり、相続税申告を自分で行いました。自らが作成した申告書を、管轄の札幌東税務署に提出したのでした。
後日相続税の申告に関し、税務調査がありました。調査官は様々な観点からBが行った相続税申告が正しいかどうか確認しました。その確認作業のなかで、調査官が気になったのはAの預金の動きです。Aが死亡する数年前に、Aの預金口座から800万円が出金されており、その行先が相続税申告書に見当たらないのです。800万円がタンス預金として存在していた可能性もあるため、調査官はBにその使途を質問します。するとBは「自宅のリフォームに使いました」と答えました。
このリフォームですが、実は内容によっては相続税申告に反映しなければなりません。反映しなくてよいリフォームもあれば、相続税申告に反映しなければならないリフォームもあるのです。
前提:建物の評価額は固定資産税の評価額
この「リフォーム相続税問題」をご理解いただくにあたって、相続税申告における建物の評価の仕方を理解する必要があります。
相続税申告書に記載する建物の評価額は、「固定資産税評価額」です。札幌市の物件を所有していたら、役所から毎年4月頃に固定資産税の納税通知書が届きます。その通知書のなかに「価格」という記載があり、その価格が固定資産税評価額です。
もし固定資産税の納税通知書を破棄してしまい、評価額が分からない場合は、市税事務所に問い合わせると分かります。具体的には、札幌の市税事務所で、名寄帳や固定資産評価証明書を取得するのです。
これは相続税申告書に反映するべきリフォーム?
リフォームと一口で言っても、その内容と費用は千差万別です。数万円のリフォームもあれば、数千万円にもなるリフォーム工事もあるのです。
「リフォーム相続税問題」を理解するためには、そのリフォームの内容が建物の資産価値を上昇させるものかどうか、という点が非常に重要です。
建物の資産価値に影響を与えない→単なる修繕であり、相続税申告には反映不要
建物の資産価値に影響を与える→資産の価値が上がっているわけなので、何らかの方法でリフォーム費用を相続税申告書に反映する必要がある。
リフォームで資産価値が上がっている場合の相続税申告への反映方法
札幌市厚別区のAさんのリフォーム費用は、800万円でした。800万円というと、単なる修繕を超えたリフォームと言えそうです。
比較的規模の大きなリフォーム工事のうち、本当に大規模な工事の場合は「固定資産評価額の評価替え」が行われている可能性が高いといえます。たとえば札幌市厚別区のAさんが行った工事が建物の増築工事であれば、固定資産評価額がその年度から増額されていることがあります。
建物は固定資産評価額をその評価額とするのでした。もし評価替えがされていたら、固定資産評価額をそのまま建物の評価額とすることは、リフォーム工事によって上昇した建物の価値についても評価していることになります。
一方で、規模が小さいリフォーム工事ではないものの、固定資産税評価額の評価替えがなされるほどの規模ではないという工事もあります。その場合は、固定資産評価額を建物の評価額としたところで、建物の価値が上昇した部分については評価できているとは言えません。
そこで「建物の価値が上昇したものの、固定資産税評価額の評価替えがなされていない」という場合は、次の計算を行い、その額を相続税申告書に反映します。
建物の価値が上昇したものの、固定資産税評価額の評価替えがなされていない場合
計算式は次のとおりです。
(リフォーム工事にかかった費用-償却費)×0.7
償却費については、リフォーム工事にかかった費用に90%を乗じ、経過年数を乗じて、耐用年数で割ります。経過年数については、リフォーム工事の日から相続開始日までの年数で、1年未満の端数が出てしまう場合は切り上げてください。
税務調査は、預金調査に要注意
札幌市厚別区のAさんのケースで、相続人Bさんがリフォーム工事費用を相続税申告書に反映しなかったのは無理もありません。Bさんからすると、リフォーム工事は過去のことであって、「目に見える形でお金があるわけではない」のですから、使ってしまったお金なのに相続税が課税されるわけはないと思ってしまうでしょう。
相続税の税務調査といえば、不動産の評価額をめぐって調査官から指摘を受けることが多いと思いがちですが、もっとも注意が必要なのは預金の取引です。調査官は現場に出向く前に預金の取引のうち、気になる取引を見つけ、その取引内容のヒアリングから、課税対象財産を探ります。
被相続人がリフォーム工事をしていたら、相続税専門の税理士にその扱いを確認してから申告するとよいでしょう。札幌市中央区の当税理士事務所では、相続税申告の初回ご相談は無料で対応しています。