札幌市営地下鉄「大通駅」徒歩1分にございます札幌相続相談所は、相続税申告を専門に扱う税理士事務所が運営しております。当税理士事務所の代表税理士は司法書士資格をも有することから、相続税申告のみならず、司法書士業務としてご遺産の調査、相続不動産の名義変更、相続預貯金の解約払い戻し手続き、相続株式等の移管、生命保険の請求などもあわせてご依頼いただけます。札幌で相続税申告を含む各種相続手続きにお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
上場株式の銘柄が多い相続税申告
札幌相続相談所でご依頼いただいた相続税案件で、以下のようなケースがありました。
札幌市中央区のAさんが令和8年8月20日に死亡し、その相続人は子どものBとCの二人です。Aの遺産は中央区の自宅不動産(評価額2000万円)と預貯金4000万円の他、上場株式があります。上場株式は札幌に支店を構える某証券会社2社を通じて取得しており、その銘柄数は、なんと100銘柄を超え、概算の評価額は5000万円ほどにもなりそうです。
相続税申告の対象になるのはいわば富裕層ですから、遺産のなかに上場株式(東京証券取引所などの金融商品取引所に上場されている株式)があることは珍しくありません。では、上場株式がある場合、その評価はどのように行えばよいのでしょうか。札幌の事例を通じて解説します。
上場株式評価の基本
上場株式の評価の仕方は、次の4つの額のなかから、最も低い価額によって評価することになります。
課税時期(被相続人の死亡日)の最終価格
課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額
「月平均額」の箇所について補足すると、亡くなった月、亡くなった月の前月、亡くなった月の前々月の最終価格によって評価することになります。札幌市中央区のAさんのケースであれば、死亡したのが令和8年8月20日ですから、次の4つを比べます。
令和8年8月20日の最終価格(2200円)
令和8年8月の毎日の最終価格の月平均額(2405円)
令和8年7月の毎日の最終価格の月平均額(2108円)
令和8年6月の毎日の最終価格の月平均額(1995円)
上記であれば、6月の毎日の最終価格の月平均額である1995円で評価することになるのです。※株式に権利落ちがあるば場合には一定の修正を行いますが、細かなことなので本記事では割愛します。
死亡日の最終価格と月平均額の調べ方
4つの数値を並べて、もっとも低い価格を選ぶといわれても、そもそも4つの数値がわからなければ株価評価はできません。では、その4つの数値はどのように調べたらよいのでしょうか。
まずは証券会社で残高証明書を取得しましょう。残高証明書を取得したら、その残高証明書に死亡日の最終価格が記載されていることが多くあります。
また、野村証券などの大手証券会社では、残高証明書を取得したら株価評価のために「株価の参考情報」をつけてくれることが多くあります。その参考情報に、死亡日を含む月、その前月、前々月の最終価格の月平均額が載っているのです。この参考情報があれば、株価評価は難しくありません。残高証明書を取得する際に、「株価の参考情報もつけられたらつけてください」と一言伝えるとよいでしょう。
やや面倒なのが、最終価格の月平均額の調べ方です。「月平均額」というと、毎日の終値をヤフーファイナンスで調べ、エクセルに毎日の終値を入力して月平均額を算出しようとする方もいるようですが、さすがにそこまで面倒なことはしなくても大丈夫です。
インターネットで「日本取引所グループ 月間相場表」と検索してみてください。そのなかに月ごとに「株式相場表」というPDFデータがありますので、それをクリックします。株式相場表は200ページほどあり、全部見ようとすると途方もなく大変ですが、あくまでも見るのは被相続人の保有銘柄です。「銘柄コード」の箇所に各上場企業に割り当てられた番号が記載されていますから、被相続人の保有していた番号を入力します。この番号は各証券会社の残高証明書に記載されていることが一般的です。
株式相場表で被相続人の保有銘柄を見つけた後は、株式相場表の右列にある「終値平均」をみます。この終値平均が、その月の最終価格の月平均額ですから、これを死亡日の月分、前月分、前々月分、確認すればよいのです。
札幌の相続税申告なら札幌相続相談所にお任せください
上場株式を含む相続税申告なら、札幌市中央区の札幌相続相談所にお任せください。多くの上場株式銘柄を有する被相続人の相続税申告の実績があるだけでなく、不動産評価にも強みがあります。
東京在住の相続人からの依頼で、札幌の相続税申告・相続手続をした事案
札幌市中央区にある当税理士事務所は、相続税申告を専門に扱う事務所です。代表税理士は司法書士資格をも有し、司法書士業務においても相続分野に特化して事業を行っています。札幌で相続税申告の専門家を探している、不動産名義変更や預貯金等の相続手続きも依頼したい、生命保険の手続きもお願いしたい。このようなことでお悩みの方は当税理士事務所が運営する札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。
被相続人が札幌在住だったケース
昨年お受けした事案は、次のような内容でした。
被相続人Aは、札幌市厚別区在住でした。Aの相続人は子どものBとCであり、相続人はいずれも東京在住です。
Aの遺産は厚別区内の自宅不動産と預貯金(北海道信用金庫など)で、遺産総額は7000万円ほどです。
BもCも普段は忙しく働いている会社員です。四十九日法要のために札幌にきますが、その後は札幌に来れる見込みはあまりありません。相続税申告は札幌の税務署、相続登記は札幌の法務局、預貯金の手続きを行うのも東京に支店のない信金です。
相続税申告は、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署で行う必要があります。となると管轄の税務署は札幌東税務署(札幌市厚別区厚別東4条4丁目8番8号)です。申告書は東京から郵送で提出できるからといっても、やはり不便を感じます。
また、不動産の名義変更(相続登記)を管轄するのは不動産所在地の法務局ですから、札幌法務局白石出張所(札幌市白石区本通1丁目北4番2号)が管轄です。BもCも、平日の日中に法務局に出向いて手続きを行うことができません。
預貯金については、東京に支店のない北海道信用金庫に口座があったことから、その窓口に出向くのが基本ですが、多忙のBとCにはそれが難しいといえます。
札幌の専門家として、札幌で行う手続きを代行
札幌相続相談所を運営するのは税理士・司法書士のダブルライセンス事務所です。ダブルライセンス事務所だからこそ、相続手続きを一気通貫でお任せいただくことが可能です。
BさんとCさんのケースでは、四十九日法要で札幌にいらした際にご来所いただきました。ご希望を伺うと、「札幌で動いてくれる専門家を探しており、一連の相続手続きを任せたい」ということでした。
札幌相続相談所では、「相続人調査(戸籍収集、法定相続情報の取得)」から「札幌でのご遺産の調査」「公証役場での遺言書の有無検索」「銀行等で相続税申告に必要な書類(残高証明書等)の取得」「遺産分割協議書作成」「不動産名義変更(相続登記)」「相続税申告」「預貯金等の解約払い戻し」「株式等の証券の移管手続き」をまとめてご依頼いただくことが可能です。
他の事務所でも他士業との「連携」をうたう事務所もありますが、札幌相続相談所はもともとダブルライセンス事務所であり、税理士と司法書士の両方の資格を有する者が経営していますから、連携不足という事態にもなりません。
BさんとCさんから依頼を受け、まずは相続人調査を行いました。被相続人のAさんは生まれも育ちも北海道ですから、出生から亡くなるまでの戸籍はすべて北海道の役所で取得することができました。その後北海道信用金庫に出向き、相続税申告に使う残高証明書と入出金明細を取得し、預金の解約払い戻しも行いました。
札幌市役所で札幌市厚別区にあったAさんの自宅評価に必要な書類も収集し、財産評価を行いました。財産が洗い出せたところで財産目録をBさんとCさんに送付し、遺産分割協議を行っていただきました。話し合いがまとまったところで遺産分割協議書を送付してご捺印をもらい、札幌相続相談所にご返送いただいた後は、相続登記を行って、相続税申告も行いました。
東京在住のご相続人と面談したのは、初回のみでした。面談後は、Lineやお電話、ショートメール、郵送などで連絡をこまめに取り、遠方であっても支障なく手続きを進めることができました。
※札幌市中央区にお越しになることが難しければ、オンライン面談によるご依頼も可能です。
札幌の相続手続きを札幌の専門家に依頼するメリット
札幌の専門家に依頼をすることで、札幌の現地で動いてもらえるというメリットがあることは言うまでもありません。北海道にしか支店のない金融機関の窓口に出向いたり、札幌市役所で不動産評価に必要な書類を収集することも可能です。
また、土地の評価は地域ごとに特色があります。札幌の土地評価であれば、やはり札幌の税理士の方が他の地域の税理士よりも慣れていると言えます。
札幌相続相談所は、事務所開設以来多くのご依頼を頂戴してきました。相続税申告を含む相続手続きなら、札幌相続相談所にお任せください。初回のご相談は無料です。
妻名義の「へそくち貯金」を名義預金とした事案<解決事例>
札幌で相続税申告は当税理士事務所にお任せください。札幌相続相談所を運営する当税理士事務所は札幌では数少ない相続税専門の事務所です。名義預金の処理や札幌の不動産評価に実績があります。相続税の初回ご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。
「へそくり貯金」が存在したケース
札幌相続相談所で取り扱った事例で、いわゆる「へそくり貯金」があったケースがあります。事例をご紹介すると次のとおりです。
札幌市白石区のAさんが死亡しました。Aさんの相続人は配偶者のBとAB間の子のCのみです。Aはもともと北海道庁に勤める公務員でした。配偶者であるBさんはいわゆる専業主婦であり、長年Aさんの所得で家族の生活費を賄っていました。
北海道の職員といえば、全道転勤です。Aさんも若い頃は全道各地、様々なところに転勤になっていました。転勤の際、BはCの教育のこともあって札幌市白石区の自宅に留まり、Aさんが単身赴任をしていました。
BはAの通帳のキャッシュカードを預かり、Aの給与が振り込まれる度に生活に必要なお金を引き出していました。Aさんの給与手取り額はだいたい38万円程度であり、Bさんは毎月35万円を引き出していました。その35万円を引き出して生活費に使い、残ったお金が毎月数万円ありましたが、Bさんは自分名義の口座に入金していました。
Aさんは財産についてはBに任せっきりであり、Bに「余ったお金があるなら使っていい」とも言っていました。
Aさんが亡くなったとき、専業主婦であり所得がほとんどないはずのBさんの口座に3000万円の預金がありました。
上記の事例において、Bさん名義の3000万円の預金はどのように扱うべきでしょうか。
実質的に誰のお金なのか
大切なのは、Bさん名義のお金が実質的に誰のお金なのか、という点です。実質的にAのお金だというのであれば、当該預金は「名義預金」としてAの相続税申告において遺産として課税対象になります。一方でBのお金なのであれば、当該預金はAの遺産を構成しません。
ところで誰の名義なのか、という点は非常に重要な要素です。しかしながら東京地裁平成20年10月17日判決においては、次の2点の指摘がされています。
夫が自己の財産を、自己の扶養する妻名義の預貯金当の形態で保有するのも珍しいことではないというのが公知の事実である
妻名義であることの一事をもって妻の所有であると断ずることはできない
若干の補足をすると、令和の夫婦像と昭和~平成時代の夫婦の違いもあります。令和であれば夫婦共働きというのが一般的であり、共働きであれば夫婦の財布も別々となっていることが多いでしょう。一方で昭和~平成時代を生きてきた夫婦は、夫が一家の大黒柱であり、妻がその大黒柱を支える専業主婦であることが多いといえます。この昭和~平成時代の夫婦像を前提とすると、裁判所のいうように、「夫のお金が妻名義の口座に入っていることは珍しくないし、妻の名義の口座だとしても夫のお金だと言えることもある」という話になります。
口頭による贈与契約があったら?
税務調査があった場合に、札幌市白石区のAさんのような件であれば、税務署は「B名義の預金はAさんの財産なのではないか」という疑いを抱くことになります。修正申告を促され、3000万円の全額を遺産としてAさんの申告書に反映することになりそうです……。
ここで納税者(Bさん)の主張としては「生前贈与が成立していた」ということです。贈与契約は書面による必要はありませんので、口頭の「あげる・もらう」の約束で成立します。特にBさんの場合は、毎月の生活費の余りについて「好きにしていい」とAさんから言われていたのですから、このやり取りをもって贈与が成立している(つまり3000万円はBさんの固有財産になっているのだから相続税の課税対象にならない)と主張するのです。
ここは非常に難しいところです。
平成19年4月11日の裁決によると、次のようにコメントされています。
仮に被相続人が妻に生活費として処分を任せて渡していた金員があり、生活費の余剰分は自由に使ってよいと言われていたとしても、渡された生活費の法的性質は夫婦共同生活の基金である
余剰を妻名義の預貯金等としたとしても、その法的性格は失われない
結局のところ、余剰分について都度贈与契約書を作成したり、贈与税の申告などを行っていたら別でしょうが、口頭の「あまりは好きに使ってよい」というやり取りであれば、贈与とは言い切れない、ということです。
私見ですが、裁決の際に考慮されたのは、「支配権の完全移転の有無」だと思われます。第三者にたとえば100万円を贈与した場合は、そのお金は贈与者の手元を離れ、完全に受贈者のものとなります。贈与者が「やっぱり自分のために使う」と後日言い出しても、それは通用しません。一方で夫婦間であれば、「あまりは好きに使っていい」と言ったところで、夫婦のお金が足りなくなった場合は、夫は「あのお金があっただろう、あれを使おう」となり、妻もそれに応じるに違いありません。つまり支配権が完全に移転したとはいえず、夫は夫婦の生活のために妻名義の預金を使えると考えられるのです。
全額を名義預金扱いにしないのは税理士の腕
では、3000万円の全額が名義預金となり、修正申告で3000万円にかかる相続税額を支払う必要がある、と考えるのは早計です。税理士のなかにはそのように処理を進めてしまう者もいるでしょうが、税法の専門家であれば、もっと深く検討しなければなりません。
検討すべきは「3000万円全額が名義預金ではなく、一部は妻の固有財産であるはず」ということです。ホームレスの方や極度の貧困に陥った方でない限り、固有財産が何もないという方はほとんどいません。専業主婦だって同じで、「自分のもの」といえる預金が3000万円のなかに含まれているはずです。
たとえば年金収入等が妻にあったかもしれません。主婦をしていたとしても、パート収入が妻にあったかもしれません。妻は宝くじにあたったかもしれませんし、親族からお金を相続したのかもしれません。これらから構成された部分の預金は、真実として妻の固有財産です。
札幌相続相談所が扱った事例では、妻が親族から数年前に相続したお金が300万円あり、その300万円も3000万円の口座に入っていたことが判明しました。この300万円はBの固有財産として、Aの相続税申告から除外すべきと考えます。また、AとBの生涯年収を予想し、2700万円のうちの一部はBの固有財産としてAの遺産から除外するのが相当と考え、そのように処理しました。
このような処理をする以上は、真実を確かめるべく、Bから様々な書類を見せていただき、いざ税務調査があった場合に説明できるようにしておく必要があります。そのような用意はたしかに大変ですが、相続税を専門に扱う税理士として、当然に行うべき処理だと考えています。札幌で相続税にお困りの方は札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料です。
札幌の相続税申告で名義預金の判断にお困りの方は、相続税専門の税理士事務所が運営する札幌相続相談所にご相談ください。名義預金の判定を含む相続税申告案件の実績が多数ございます。本記事では、実際に名義預金の判定を行って申告したケースについてご紹介します。
税務調査では、名義預金が注目される
相続税の税務調査に立ち会うと感じることですが、税務署の調査官は「名義預金」の存在に目を光らせています。
不動産や被相続人名義の預金などは申告書に載っているのは当然のことです。税務調査というからには、「申告書に載っているべきなのに載っていない財産」の存在を調査の軸にするのは当然だといえます。このときに注目するのが「名義預金(実質的には被相続人の預金なのだけど、他の者の名義になってしまっている預金)」なのです。
名義預金が疑われた札幌のケース
札幌相続相談所が担当した相続税申告においては、次のようなケースがありました。
札幌市手稲区のAさんが死亡しました。相続人は子どものBひとりです。Aさんの遺産は手稲区の自宅不動産5000万円とA名義の預金が6000万円ありました。また、Bは初回の相談時に「自分自身名義の預金が1000万円分あったが、これはどのように扱われるのか。もう解約してしまったが」と言っています。
税理士が聞き取った情報をまとめると次のとおりです。
Aの死後、Aの遺品を捜索しているときに、B名義の北海道銀行の通帳が発見された
そのB名義の通帳は、Aの他の通帳が保管されていた棚に一緒に入っていた
Bは、そのB名義の通帳の存在を、遺品捜索のときにはじめて知った
Bは、Aの死後その預金を解約して払い戻した
解約時に銀行の窓口で届出印の提出を求められたため届出印について調べたところ、A名義の通帳に使用されていた届出印と同じ印鑑が届出印であった
名義預金の疑いがあるケースでは、初回の聞き取りが非常に重要です。なぜ相続人名義の預金があったのか、相続人がその存在を知ったのはいつか、通帳や印鑑の管理状況はどのような形態であったのか、これらについて徹底してヒアリングを行います。
名義預金の判定基準とは
名義預金にあたれば相続財産として相続税の申告書に計上する必要がありますが、名義預金にあたらず名義人の固有財産だと判断できれば、相続税の申告書に計上する必要はありません。では、名義預金の判定・判断を行う際は、具体的にどのような基準で検討すればよいのでしょうか。以下、札幌の相続税申告で名義預金の判定・判断を行った際にどのような基準で検討したのかご紹介します。
1:預貯金の原資はどこなのか
被相続人名義の預金から振り込まれたものなのか、あるいは被相続人の財産(土地や株式等)を売却してその売却代金が振り込まれたものなのか、その名義預金の「出捐者」が誰なのかをまずは把握します。
その際に、名義人の年齢やこれまでの所得の状況も併せて考えます。たとえば名義人が25歳で、年収が350万円であったのに、当該名義人の口座に2000万円が貯まっているとなると、当該口座の実質的な出捐者は名義人ではないであろうという推測が働きます。
2:通帳・証書、届出印の保管者と保管状況
今でこそ「通帳レス(通帳がない)」口座というものも一般的になってきましたが、伝統的には、ATMでおろせない額のお金をおろす時も口座を解約するときも通帳と届出印をセットで銀行の窓口に持参する必要がありますから、それらの持っている者が口座の真の所有者だと推測されます。
名義預金の判定においては、通帳、証書、届出印が誰にどのように保管されていたのかが重要になります。
3:預貯金の利息はどのように扱われていたか
日本ではこれまで長らく低金利時代が続きましたが、金利が上がってきていることから、昨今は銀行預金に利息がつくようになってきています。その場合に、口座を持つことによって得られる「利益」が生じることになりますが、この利益は誰が享受していたのか、という点が問題になります。利息分だけを定期的に被相続人が引き出して消費していた場合は、利益は被相続人が享受していたことになります。
4:名義預金の処分はいつどのように行われたか
解約払い戻し等の処分行為は、権利者が行うことが一般的です。だからこそ、その名義預金と思われる口座の処分は、いつ、誰が、どのように行ったのかが非常に重要です。
5:名義人の認識はどのようなものか
口座の名義人になっている者が、その口座にどのような認識を有していたのかを把握する必要があります。自分のお金だと思っていたのか、それとも自分のお金ではなく被相続人のお金だと認識していたのか、ここを明らかにする必要があります。
6:名義人や被相続人を取り巻く環境はどのようなものか
なぜ預金が家族名義になっていたのか、たとえば被相続人が長期入院していたのか、名義人になった者の名義にしておくと不都合があったか、被相続人から家族への生前贈与が他にあったかなど、それぞれの家族がおかれた状況に鑑みて総合的に判断します。
札幌の事例へのあてはめ
札幌のAさんのケースで上記の各基準を当てはめてみます。
Aの死後、Aの遺品を捜索しているときに、B名義の北海道銀行の通帳が発見された
→この点について、Aが存命中及び相続開始の瞬間において、Bはその口座の存在を知らなかったことになりますから、相続開始の瞬間におけるBの認識としては、「自分の口座」という認識はなかったことになります。
そのB名義の通帳は、Aの他の通帳が保管されていた棚に一緒に入っていた
→口座管理でもっとも大切な通帳の保管者は被相続人であり、被相続人の他の財産と同様の保管状況だったことになります。
Bは、そのB名義の通帳の存在を、遺品捜索のときにはじめて知った
→やはりBの認識としては、相続開始の瞬間において「自分の財産だ」という認識はないことになります。
Bは、Aの死後その預金を解約して払い戻した
→Bが当該預金を処分していますが、その処分は相続開始後であり、相続開始前ではありませんから、相続開始の瞬間は処分権がBにあったとはこの事実からは認められません。
解約時に銀行の窓口で届出印の提出を求められたため届出印について調べたところ、A名義の通帳に使用されていた届出印と同じ印鑑が届出印であった
→届出印の管理状況として、被相続人が管理していた、と言わざるを得ません。
名義預金にあたるかどうかを判定・判断するときは、上記のような検討を慎重に行う必要があります。税理士のブログなどで「預金が、生前に被相続人の口座から相続人の口座に移っていたから名義預金になる」と記載している記事を見かけることがありますが、そのような事実だけで安易に名義預金だと判断することは非常に危険だと言わざるを得ません。名義預金になるかどうかは、個別具体的な総合判断が必要ですから、口座の動きはその判断材料の一つにしかならないのです。
札幌で名義預金の判定を含む相続税申告にお困りの方は、札幌相続相談所にご相談ください。相続税申告だけでなく、不動産名義変更、預貯金や株式等の承継手続きなども同時に行うことが可能です。
名義財産を名義のまま相続税申告を行うリスク<解決事例>
札幌市中央区の当税理士事務所は相続税申告に特化した事務所です。代表税理士は司法書士資格をも有するからこそ札幌の土地評価に強みを持っています。相続税申告が必要かどうか分からない、相続税の節税手法が知りたい、札幌周辺で相続税の専門家を探している、という方はお気軽に札幌相続相談所にお問い合わせください。初回ご相談は無料です。お問い合わせはこちら。
名義財産の名義人が死亡
相続税申告のご相談に数多く対応していると、名義財産の名義人になっている側が死亡する、というケースがあります。「名義預金の名義人が死亡した場合の相続税申告<解決事例>」でも解説しましたが、本記事ではその場合のリスクについて解説します。
札幌市西区在住のAさん(女性、60歳)が死亡しました。Aさんの相続人は配偶者のBとAB間の子であるCとDの三人です。Aさんはもともと専業主婦であり、これまで収入はなく、年金をもらう年齢でもありませんでしたから固有財産は持っていないと予想される属性です。
配偶者相続人であるBさんは元国家公務員であり、生涯年収は一般の方よりも多いといえます。しかし転勤の多いBさんの通帳はずっとAが管理し、そのBの口座にはお金はほとんど残っていませんでした。一方でほとんど所得という所得がなかったAさんの口座には、なぜか7000万円の預金があります。それも死亡する前3年間で複数回にわたって入金があり、結果死亡時には7000万円の預金になっていました。
AさんBさんのような夫婦は多いといえます。転勤の多い夫の代わりに夫の通帳を預かり、妻が家計を支えるために夫の口座から生活費を引き出し、余ったお金を貯めている、、、という状況です。
相続税申告を専門とする税理士事務所が運営する札幌相続相談所に寄せられた相談としては、「死亡したAについて相続税の基礎控除を超えているため相続税申告をして欲しい」というものでした。
名義のまま処理すること自体は簡単ではあるが
相続税申告の相談を多く受けていると、やはり毎回聞かなければならない質問項目というものがあります。そのなかに「その財産はどうやって貯まったのか」というものがあります。相続税の課税対象になっているというからには財産の規模は上記数パーセントの属性だといえます。このような高額な財産を、どうやってつくったのか、ということは税務調査があった場合にも必ず聞かれることです。
宝くじがあたった、被相続人が相続人になる相続が過去にあってその際に多額の遺産を取得した、という事情があれば納得ですが、Aさんのように専業主婦で年金収入すらなかった人が7000万円もの預貯金を持っているのは不自然極まりないといえます。
典型的なケースとして、Bの預金から引き出したお金を、管理のためにAの口座に移していいたという場面があります。AB間で「あげる・もらう」という約束はなく、ただただ管理のためにAの口座にお金を移していたのです。
この場合に、A名義の口座にかかる残高証明書を銀行で取得し、7000万円がAの財産だという形で申告すること自体は難しくはありません。
税理士のなかにも、深く考えずに「名義のまま処理すればよい」と考えている者もいるかもしれませんが、これは非常に恐ろしいことです。税務申告は「実質」が最も重要であり、「形式」である名義のまま処理することは正しい処理とは言えません。また、深い検討をせずに名義のまま相続税の処理をすることは、非常に大きなリスクがあると札幌相続相談所の税理士は考えます。
リスクその1:二次相続の税務調査で問題になる可能性
我々税理士の世界では、「一次相続」「二次相続」という言葉を多用します。一次相続は書いて字のごとく初めに発生する相続のこと。Aさん一家をめぐっては、Aさんの死亡こそが一次相続です。一次相続で相続人になった人が死亡してまた相続が発生することを「二次相続」といいます。
一次相続においては、遺産規模7000万円であり、相続人が3名いてなおかつそのうちの一人が配偶者相続人であることから、相続税の納税額は大きくはありません(配偶者相続人がすべてを相続した場合は相続税額はゼロです)。
このようなことから、一次相続において7000万円を名義人であるAさんのものとして申告したとしても、税務調査に発展しない可能性が高いと思われます。税務調査の建前は「遺産規模にかかわらずどの案件でも確認が必要だと判断したら調査に入る」ということですが、実際は遺産規模が大きな案件の方が調査の対象になる可能性が高いことは当然だといえます。
一方で、遺産規模が1億円未満であったとしても、「無申告」であれば調査の対象に選ばれやすいといえます。税務署にはこれまでの課税状況がデータとして蓄積されていますから、過去の所得の状況等によって「この人は亡くなった場合に相続税申告の対象になるだろう」というリストがあります。Bさんのように一般的な方よりも収入が高かった場合はそのようなリストに載っている可能性があり、「リストには載っているけれども申告がされていない」という状況であれば「無申告」の疑いがあるため、税務署から何らかの接触があることは自然なことです。
以下では、Aさんが死亡した後にあまり時間を絶たずしてBさんが死亡した場合に、Bさんの遺産が基礎控除未満であるとして相続税の申告をしなかったとして、無申告の疑いでBさんの相続税申告に関して調査が実施されたと考えてください。
税務署としては「実質」を重視しますから、Aさんの名義になっていた預金はBさんの預金であると認定を行う可能性があります。そうなると、Aさんの遺産として分割していても、Bさんの相続においてその分割は何ら意味のなかったことになり、もう一度Bさんの遺産として分割する必要が生じます。AB間の子であるCとDが聞き分けよく、そのことを理解できる方であればよいですが、そうでなければ混乱が生じます。
結局、名義のまま相続税申告をすればよい、という単純な話ではないのです。
リスクその2:名義人への生前贈与扱いにある可能性
リスクその1の話であれば、結局Bの相続税申告を行い、相続税額と無申告加算税等を支払えば済むように考える方がいますが、話はそんなに単純ではありません。
深い検討をせずに、仮にAさん名義の財産をAさんのものとして申告をしていたとします。そうなると、申告を行った相続人としては、Aの申告書に記載した財産は「Aのものである」という認識だということになります。
もしAさんの相続税申告で税務調査があった場合は、経験豊富な税務調査官であれば「Aに所得がないこと」「Aが相続人になった相続が過去においてなかったこと(つまりAが固有財産を築けるだけの事情がないこと)」「Bは一般の方以上に所得があり、散財癖もないのにB名義の財産がない」という事情であれば、「Bの財産がAに移っていて、おそらくは名義財産なのだろう」という予想はつきます。
しかしながら相続税申告では7000万円の預金は「Aのもの」として申告をしているのです。この場合、過去に「BからAに生前贈与があったのではないか」と疑われることになります。AB間には贈与契約書等はないとしても、A死亡の前3年間でBの口座からAの口座に数千万円が移ったという記録に注目し、A死亡前の三年間について「生前贈与があったのではないかですか」と質問されるのです。
この状況で調査官のペースに乗せられて生前贈与があったという方向に話が進んでしまうと、「では時効になっていない年分の贈与税の申告と納税をしてください」と言われてしまいます。贈与税は累進税率ですので、たとえば一年で数千万の贈与があったと認定されてしまうと、納税額は1000万円以上になってしまうことも考えられます。
相続税専門だからこそ
名義のまま処理すること自体は難しくない点は既に述べたとおりです。
税理士のなかには、「面倒だから名義のまま申告を進めてしまえばよい」と考える者もいるようです。相続税申告の税理士報酬は一般に高額であるものの、インターネットなどで非常に安価にサービスを提供している税理士事務所がありますが、そのような事務所では、もしかすると深い検討はしていないのかもしれません(といいますか、安価な料金では深い検討まで行うことは難しいというのが現実です)。
結局、Aさんの相続税申告においては7000万円の預金はAさんのものとして申告をしませんでした。もちろん検討に検討を重ね、もし税務調査があった際に「Aの遺産ではない」と説明することができる準備をした上での対応です。
札幌相続相談所を運営する当税理士事務所は相続税専門であるからこそ、細心の注意を払って検討を重ねて申告書を作成しています。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料です。WEBからのお問い合わせはこちら。日中であればお電話でのお問い合わせにも対応してます。
遺産1億円で不動産あり、配偶者の税額軽減で相続税額をゼロに!
札幌市中央区にある当税理士事務所は、相続税申告を専門にしている事務所です。ご相続の規模や形は様々ですが、札幌には1億円規模の相続税案件が多くあります。遺産規模が1億円もあるものの、相続税申告で相続税額をゼロにできたケースをご紹介します。
取扱事例、遺産1億円で不動産あり
北海道札幌市は地価が東京や大阪ほど高くないことから、遺産のなかに不動産がある相続税申告であっても、遺産規模が数千万円におさまることが一般的です。しかしなかには、円山公園駅周辺や宮の森エリアなど、札幌でも特別に地価の高いエリアに不動産を持っていたり、株式等の金融資産が多数あることで、遺産規模が1億円になるケースがあります。
札幌市手稲区のAさん(60歳)が死亡しました。Aさんは資産家であり、自宅不動産(評価額4000万円)以外に手許現金額3000万円、上場株式3000万円を保有し、遺産の規模は1億円ほどありました。
Aさんの相続人は配偶者であるB(42歳)と子供であるC(20歳)とD(19歳)の三人です。
Aさんの遺産は1億円にもなりますから、相続税の申告が必要なのは言うまでもありません。では、このケースではどのように遺産を分けることが理想的といえるでしょうか。
状況の把握と徹底したヒアリング
当税理士事務所で相続税申告の案件をお預かりした際は、大切にするのは、まずは状況の把握です。遺産規模はいくらか、相続人は何人いるか、という点だけでなく、それぞれのご家族の状況を徹底して把握するようにしています。Aさんのケースであれば、次の事項を把握しました。
AとBは歳の離れた夫婦であり、Bはまだ42歳である
Bは無職であり、固有資産はほとんどない
CとDは成人しているとは言え、まだ学生であり、社会的には大人とはいえない
B、C及びDは仲の良い家族であり、相続について揉めることはない
Bは、健康に問題はなく、平均余命から考えるとBが死亡するのは数十年後である
また、状況を把握するだけでなく、お話を深くお聞きし、不安に思っていること、大切にしていることを聞き取ることも重要です。Aさんのご家族からは、次のように聞き取りができました。
Bは無職であり、今後の生活のことを考えると金融資産を含め、多くの財産を持ちたい
Bは今後も札幌市手稲区の家に住み続けることを希望している
CとDは成人しているもののまだ若く、多額の財産を持たせるには相応しい年齢とはいいがたい
CとD自身も、多額の財産を持つことに不安を感じている
聞き取りを終える頃には、Aさん一家のことがよくわかるようになっていました。
相続税理士の提案、相続税をゼロに
相続税申告を数多く扱っている税理士としては、次のように提案を行いました。
Aさんが有していたすべての財産を、配偶者相続人であるBが相続することで、相続税をゼロにするのはどうか。
相続税申告においては「配偶者の税額軽減」という制度があります。この制度を活用することで、配偶者相続人が取得した相続財産は、1.6億円まで相続税額がかからないことになります。Aさんのケースであれば、すべての財産をBが相続すれば、相続税の総額はゼロになるのです。
すべてをBが取得するのがいい、というのは、配偶者の税額軽減を使って相続税額をゼロにできるから、という理由だけではありません。
通常は配偶者が多額の財産を相続した場合、二次相続(財産を取得した配偶者相続人自身が死亡して起こる相続)への影響を恐れるものですが、Bはまだ42歳と若く、健康面でも何らの問題がないことから、二次相続のことを気にする必要はありません。むしろAの財産をBが相続することで、B自身の生活を守る糧となることは言うまでもありません。
また、Bが財産を取得するとすれば、(多額の財産を管理するには若いといえる)CとDが自ら財産を管理する必要はありません。
このようなことから、すべての相続財産を配偶者相続人であるBが取得するという内容の遺産分割協議書を作成し、相続人全員で署名捺印を行い、すべてをBの名義に移転しました。
このように、相続税申告の案件はご家族ごとに異なる背景があることから、画一的な処理をすることはできません。詳しくをお話を伺った上で、最適な相続税申告の在り方を提案するのが相続税専門の税理士として必要なことだと考えています。札幌で相続税にお困りの方は札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。
遺産5000万円で不動産あり、相続税額をゼロにして申告
相続税の申告案件を扱っていると様々な事例に出会いますが、当税理士事務所のある札幌市では、遺産の規模が5000万円前後の方が多くいらっしゃると感じます。東京などの首都圏とは異なり、不動産(土地)の評価額が極端に高いということがないことから、札幌の相続税申告では遺産5000万円くらいの方が多いのは不自然ではありません。当税理士事務所では、遺産規模5000万円の相続税案件で、相続税をゼロにできたケースが数多くございます。
ここでは、代表的ともいえるケースをご紹介します。
取扱事例、遺産5000万円で不動産あり
札幌市中央区の当税理士事務所は相続税の専門事務所だからこそ多種多様な案件を扱いますが、次のAさんのケースはご依頼の多いケースです、
札幌市南区のAさんが死亡しました。Aさんの相続人は子どものBとCの二名で、AさんはBと同居していました(Aさんは老人ホームには入所しておらず、自宅から病院に搬送されてそのまま病院で亡くなりました)。Aさんの遺産は、南区の自宅不動産(土地建物の評価額2000万円)と預貯金3000万円であり、その評価額の合計は5000万円でした。
札幌で相続税申告のサポートをしていると、Aさんのように自宅不動産+預貯金で遺産規模5000万円というケースは本当に多くございます。札幌の相続税案件では、5000万円の遺産というのはまさにボリュームゾーンともいえます。そして遺産規模が5000万円で、遺産のなかに自宅不動産がある場合は、相続税申告の仕方によっては相続税額をゼロにおさえることが可能な場合があります。
小規模宅地の特例の適用
被相続人が所有していた自宅の土地は、相続税評価において80%の減額にすることが可能! と聞いたことがある方もいるでしょう。土地の評価額が1500万円であれば、要件を満たすことで最大1200万円もの評価額の減額が認められることになりますから、非常に有効な節税手法だといえます。
自宅の土地の評価額を80%減額する制度のことを、「小規模宅地の特例」といいます。小規模宅地の特例の対象になる土地は様々ですが、「自宅の土地」は「特定居住用宅地等」といわれるものです。330平米まで、という要件があるものの、「被相続人の居住の用に供されていた宅地等」であれば、特定居住用宅地等として減額の対象になり得ます。
※自宅の土地の広さが500平米あった場合は、330平米までの部分が8割引きにできます。330平米の面積制限というのは、330平米を超えたら適用不可、ということではなく、330平米の部分まで評価減を取れる、ということです。
簡単に小規模宅地の特例(特定居住用宅地等)の要件を紹介すると、次のとおりです。
<共通の要件>
・評価減を行おうとしている土地が「被相続人の居住の用に供されていた宅地等」であること
<個別の要件>
・その宅地等を取得するのが配偶者相続人であること
・配偶者相続人以外の者が取得する場合は、被相続人と同居親族が取得し、相続税の申告期限まで継続して居住し続け、売却しないこと
・配偶者相続人や同居親族以外の親族が取得する場合は、被相続人に配偶者や同居の相続人がおらず、取得者が相続開始前3年以内に自身や自身の親族等が保有する建物に居住したことがなく、相続開始のときに取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと、さらにはその宅地等を相続開始時から申告期限まで継続して保有すること
相続税をゼロにして申告
上記のAさんのケースにおいて、相続税申告を専門とする当税理士事務所では、相続税をゼロにして申告することに成功しました。
被相続人と同居していたBはこれからもその自宅に継続して居住するつもり、売却の意図もないとのことから、遺産分割において自宅不動産は同居親族であるBが取得し、小規模宅地の特例を適用することを提案しました。自宅不動産を取得できなかったCには、その分だけ預金を多く取得してもらい、BC間の公平を実現しました。
小規模宅地の特例を適用して相続税額がゼロになる場合も、相続税の申告自体は必要である点は注意が必要です。相続税額がゼロになるのだから、遺産規模が基礎控除未満の場合と同じように「申告不要」と考えてはいけません。札幌で相続税申告にお困りの方は札幌相続相談所にお気軽にお問い合わせください。税理士と司法書士のダブルの視点から、あなたの相続手続きを最適化します。
他の相続人の相続税申告書は閲覧不可! 遺留分侵害の場合どうする?
当税理士事務所は、札幌では数少ない相続税に特化した専門事務所です。相続税申告の仕方が分からない、相続税に強い専門の事務所に依頼したい、納税額を低くする方法を教えて欲しいなど、相続税のことなら当税理士事務所にご相談ください。土日や平日夜間も対応しています。相続税の初回ご相談は無料です。
弁護士を通じて遺留分侵害額請求を行うケース
当事務所に持ち込まれるご相続のほとんどが、いわゆる「円満な」ご相続です。しかし、一部には相続人間に信頼関係がなく、紛争になっているケースもあります。
札幌市中央区のAさんが死亡し、その相続人は子どもであるBとCの二人のみです。Aさんは生前にBさんと中央区内で同居しており、生活はBさんに頼りっぱなしでした。
そのような状況ですから、Aは生前に公正証書で遺言書を作成していました。内容は「私が有する一切の財産は、長男であるBに相続させる」というものでした。この遺言書に基づき、Bは札幌市中央区の自宅不動産の名義変更を行い、北洋銀行と北海道銀行のAが有した預貯金の払い戻しも行っていました。そしてAの相続開始を知ってから10月以内に、管轄の札幌中税務署に相続税の申告を行い、納税もしました。当然、「Aの財産はすべてBが相続する」という内容の申告です。
Aの死後、この遺言の内容を知ってCは憤慨しました。自分だってAの子供であるという点はBと同じはずです。なのに、自分には何らの財産も遺してくれないと言われてしまった……。これはCとしてはショックです。
Cは弁護士Xを代理人として、Bに対して遺留分侵害額請求を行い、一定の金銭を取得することに成功しました。
遺留分は相続人のなかの特定の者(配偶者、子供、父母など)に認められた権利で、いわば「最低保証の法定相続分」のようなものです。遺留分権利者は遺留分を侵害している者に対し金銭を請求する権利があるとされており、Cはその権利を行使し、金銭を取得することができたのです。
相続税申告の「後処理」
遺留分侵害額請求が行われたとなると、相続税申告の「後処理」が問題となります。Aさんのケースにおいては、Bさんが行った相続税の申告は「すべてをBが取得する」という内容に基づいて行ったことから、Bさんは全遺産にかかる相続税を納税しています。しかし遺留分侵害額請求がされたことによって、代償分割のように、実質的に遺産の一部は遺留分権利者であるCも取得したと言えます。
結局のところ、遺留分侵害額請求を行ったCについては「私も全遺産のうち〇〇の割合は財産を取得したので相続税を払います」という申告が必要です。もちろん、その分の相続税額の納付も必要であることは言うまでもないでしょう。
遺留分侵害額請求を受けたBについては、「私は全財産を取得したつもりで申告を行い納税もしましたが、取得したのは〇〇の割合にすぎませんでしたので、払いすぎた相続税額を返してください」という還付の請求(更正の請求)を行う必要があります。
税務調査になりやすい相続税申告
遺留分侵害額の合意ができたとしても、Cが困ったのは「相続税の申告」です。相続税の申告を行うとなると、遺産の調査をした上で各種財産の評価を行わなければなりません。
Cは長年Aと別居していたことから、Aの財産については弁護士が調べてくれた大まかなところしか知らず、細かな内容までは把握できていませんでした。
このような状況でCが相続税申告を行い、Aが還付の請求を行った場合は、税務調査の対象になりやすいとよく言われます。その理由はいくつかありますが、まず「還付」の請求をすると、当然税務署の担当者が内容を再度チェックすることになることが挙げられます。それだけでなく、BとCが別々に申告を行うことで、申告書の数値に齟齬が生じ、税務署としては「どちらの数値を信じたらよいのか」ということが分からず、調査に発展します。
申告書等閲覧サービスの対象外
Cとしては、適正な相続税申告を行いたいことから、Bが提出した相続税の申告書を見たいと思うのは当然のことでしょう。被相続人と近しい立場だったBが作成した相続税申告書だからこそ、Aの細かな財産まで網羅された正しい申告内容になっている可能性が高いからです。
CとBの関係では、CがBに対して「以前に提出した相続税申告書を見せて欲しい」といったところで拒絶されてしまいます。BとしてはCに力を貸す理由はなく、むしろ自分で財産調査を行って申告すべし、と考えるのは無理のないことです。また、BにはもしかしたらCには知られたくない情報が申告書(の主に第11表)に載っている可能性がありますから、この点からも安易にCに申告書を見せたくないと思ってしまうでしょう。
ところで「申告書等閲覧サービス」という制度をご存知でしょうか。税務署に提出された申告書等の書類を閲覧できるという大変にありがたい制度なのですが、閲覧できる者は、基本的には「納税者本人」です。たとえば自分が過去に提出した所得税の申告書や相続税の申告書であれば閲覧することが可能です。
一方で他人が提出した申告書類については閲覧することはできません。Bが以前に提出した相続税の申告書はあくまで「Bの分」としての「Bの」申告です。CはBが提出した相続税の申告書を閲覧することはできないのです。
※裁判所を通じ、文書提出命令を出してもらって他の相続人が税務署に提出した相続税の申告書を提出させることができるのではないか、と思うかもいるでしょう。しかしながら、これも現実的に無理だとされています。
相続税理士としての考察
相続税を専門とする当税理士事務所にご相談を持ち込んだのは、実際にはCではなくCの代理人弁護士です。相続税申告を上手く通過するよい方法がないか、というご相談でした。弁護士は、次の各事項を述べていました。
Cによる細かな遺産の調査は不可能
税務調査の対象になることは煩わしいため、可能であれば避けたい
税務調査の対象になることはCのみならずBも避けたいと考えているはず
そもそもですが、本件のようなケースで税務調査の対象になる可能性が高いのは、それぞれの相続人が提出する申告書の数値が異なるからです。申告書の数値が異なっていない場合は、(遺留分を請求される側は還付の請求をしているため税務調査の対象になる可能性はやはりあるものの)、税務調査の対象に選ばれる可能性が「極めて高い」とは言えません。
そこで、数値を(正しい数値になっているであろうBの申告書に)合わせるということであれば、B側から相続税申告書の第1表だけ提供を受ける、という方法があろうかと思います。第1表には課税価格、相続税の総額が記載されています。Bからこの第1表の提供を受ければ、Cとしては課税価格と相続税の総額はBの申告書と同じにできます。
おそらくBがCに知らせたくないのは相続財産の細かな明細である「第11表」であると考えられます。第1表のみの提供であれば、第11表の内容は読み取ることができませんので、Bとしても提供しやすいばかりか、Cが相続税申告において課税価格と相続税の総額をあわせてくれるのであれば、税務調査のリスクは低減されるというメリットがあるでしょう、
自らの力で財産調査を尽くすことができないCが作った申告書の内容はツッコミどころがあるものになるでしょうが、調査官の立場から見れば、Bが算出した課税価格と相続税の総額とCの申告書が一致しており、なおかつ相続税の総額がきちんと納税がされていたら、調査は不要と考える調査官がいてもおかしくはありません。
このように、遺留分の侵害が問題となって相続人が別々に相続税申告を行う場合でも、工夫次第で税務調査の可能性を下げることができると考えられます。
過去の相続税申告書を閲覧して行った相続税申告<解決事例>
札幌で、相続税のお悩みは当税理士事務所にご相談ください。相続税申告が必要なのか分からない。相続税がいくら課税されるか不安だ。相続税の節税方法が知りたい。このような相続税にまつわるご相談は当税理士事務所までお気軽にどうぞ。札幌・札幌近郊で相続税申告を含む相続手続きにお困りの方を徹底してサポートします。
札幌市中央区のAさんのケース
次のケースは、札幌市在住の方からご依頼があって処理した相続税申告のケースです。
Aさんが死亡し、その相続人は子どもであるBとCの二人です。Aさんが亡くなる5年前にAさんの父親Zが死亡しており、Zの相続人はAのみでした。A死亡時、Aの遺産は1億円ほどありましたが、そのうちの結構な部分はAがZから相続した財産でした。
Zが死亡した際の相続税申告は、Aが札幌市内のX税理士事務所に依頼して申告をしていました。X税理士事務所の所長税理士であるXは高齢を理由にA死亡よりも前に廃業していました。
Aの相続に関する相続税申告においては、「相次相続控除」が適用できますが、BとCはどこを探してもZの相続の際の申告書の控えが見つかりませんでした。BはX税理士の事務所であれば控えが残っているはずだということで、X税理士に連絡を試みるも、X税理士は廃業していたことから連絡を取ることができませんでした。
Aさんの相続においては、「相次相続控除」の適用によって納税額がおさえられそうです。相次相続控除とは書いて字のごとくで「相次ぐ相続の場合は控除を認める」という制度です。ZからAにZの遺産が移転した時点で相続税が課税された場合に、時間を経たずしてAが死亡してAの遺産がBとCに相続された場合、Aを経由してZの財産に対しては二回相続税がかかってしまうことになります。このため、Zの相続の際にAが支払った相続税額の一部をBとCがAを相続するときに控除してよい、とされているのです。
相次相続控除を適用するためには控除額の計算が必要であり、そのために前の相続においてどのような申告を行ったかを確認する必要があります。一般的にはZの相続の際にAが提出した相続税の申告書の控えを参考にして、控除額を計算します。
問題なのは、申告書の写しがない場合です。Aの性格にもよりますが、Zの相続の際の申告書類の控えを廃棄してしまっていることがあります。このような場合は以前に依頼した税理士事務所(Aさんのケースであれば札幌市内のX税理士事務所)に問い合わせれば、だいたいの場合は申告の記録は事務所のPCに残っているものです。
申告書等閲覧サービス
Aさんのケースでは、X税理士事務所は既に廃業していました。税理士業界は高齢化が進んでおり、それは札幌も例外ではありませんので、Xは高齢を理由に引退していました。
当税理士事務所に相談にきたBとCはそのような状況にありましたが、当税理士事務所の代表税理士は国税庁が用意してくれている「申告書等閲覧サービス」について案内をしました。申告書等閲覧サービスとは、以前に提出した申告書等を閲覧させてくれる制度です(申告書のみならず届出書や添付書類などの閲覧も可能です)。希望した場合は、閲覧だけでなく申告書等の写真を撮ることも可能です。
閲覧者の被相続人が生前に提出した申告書等も閲覧対象
申告書等閲覧サービスを利用できるのは、まずは申告した本人です。たとえば以前に提出した所得税の申告書を確認したい場合に、申告者自らが税務署に連絡をとって自らの過去の申告書類を閲覧するのです。
一方で、BさんとCさんは、自身が以前に提出した申告書類ではなく、被相続人であるAさんが生前に提出した申告書類を閲覧したいという状況です。申告書等閲覧サービスによると、BとCは被相続人であるAが生前に提出した申告書類等を閲覧することが可能です。閲覧・撮影の対象になるのは自分自身の申告書だけではないのです。
被相続人の申告書類等の閲覧は意外と大変
閲覧・撮影を行う場合、自分自身が提出した申告書類ならいざ知らず、被相続人がその生前に提出した申告書類を閲覧・撮影するのは意外に大変です。
大変なのは次の点です。
1:相続人の全員による閲覧・撮影の請求が必要
→Aさんのケースでは、Aさんの相続人であるBとCが税務署に出向いて閲覧・撮影の請求を行う必要があります。税理士が代理で閲覧・撮影を行うことも可能ですが、その場合も相続人全員からの委任状が必要です。当税理士事務所で手続きを行った際は、BとC両方からの委任も得て手続きを進めました。
2:相続関係を証明する戸籍謄本等が必要
→相続人全員からの閲覧・撮影の請求である必要があるのですから、戸籍謄本等を添付し、請求している者以外で相続人になる者はいない、という証明が必要です。なお、戸籍謄本の代わりに法定相続情報で請求を行うことも可能です。
被相続人が生前に提出した相続税申告書を確認しなければ申告を進められないようなケースでは、税理士に依頼した方が無難だといえます。札幌で相続税申告にお困りの方はお気軽に当税理士事務所にご相談ください。相続にかかる初回のご相談は無料です。
札幌で相続税の無料相談に対応しています。相続税申告が必要かどうか分からない。相続税申告したいが、その仕方が分からない。相続税の専門家に依頼したい。相続税の節税方法について知りたい。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は当税理士事務所にお気軽にご相談ください。当税理士事務所は相続税を専門に扱う税理士事務所です。札幌圏での実績(申告件数)はトップクラスです。
死亡退職金の相続税上の扱い
誰かが死亡し、その者に支給されるべきだった退職手当金等を相続人が受領した場合、その退職手当金等は相続税の課税対象になります。相続人が受領しているのだから相続人の所得を構成し、所得税の課税対象になると考えることもできなくはありませんが、「退職金はもともと被相続人が積み立てていたものであって、被相続人が生存していたら被相続人本人に支給されるはずだった」という点に鑑み、相続税の課税対象になっているのです。退職金は一般的には1000万円以上になることが多く、これを「所得税」の対象とすると税負担が重すぎることから、相続税の課税対象とした方が国民にとってもありがたい扱いだと考えられます。
就業規則等で、従業員が死亡した場合はその従業員の配偶者等の相続人などが,
死亡した者が積み立てていた退職手当金等を受け取れると規定されていることが多いものです。そのような規定に基づいて相続人等に直接支給されると考えると、当該金銭は相続人の所得とも考えられますが、税負担のことを考え、当該退職手当金等は「相続財産とみなす」とされています。「みなす」というのは、「そうではないものを、そうだと扱う」という意味ですから、相続人等が受領した退職手当金等は相続財産ではないものの、相続財産と扱われるという意味です。
また、相続人が受け取る被相続人の退職手当金等(以下において「死亡退職金」といいます)は、政策的に課税される額がおさえられています。相続財産とみなされて相続税の対象になるというだけで税額がおさえられる結果になるのが一般的ですが、相続税の処理においても死亡退職金には「非課税の枠」が認められているのです。
非課税の限度額は「500万円×法定相続人の数」です。相続人が3人いたら、1500万円までは非課税と扱われるのです。
死亡して退職となったケース
札幌で相続税申告を専門に扱う当税理士事務所では、次のような案件のご依頼がありました。
札幌市西区に住むAさん(58歳)が令和8年11月3日に死亡しました。Aさんの相続人は配偶者であるBとAB間の子であるCとDの三名です。
Aは札幌市内の企業の従業員という立場であり、死亡により退職という形になりました。Aは長年その企業に勤めていたことから退職金の積み立てがあり、企業の規定に従って配偶者相続人Bは1300万円の死亡退職金を受領することになりました。
Bが死亡退職金を請求し、Bの口座に令和8年11月25日に「1335万円」が振り込まれていました。
従業員が死亡した場合、企業には様々な規定があり、そのなかに死亡退職金の取り扱いが定められています。死亡退職となった場合に、誰が退職金を受領できるか細かなルールがあります。配偶者が第一順位、配偶者がいない場合は子どもが第二順位、という定めがよく見受けられます。Bが死亡退職金を受領できたいのは第一順位であったためです。
死亡退職金と同時に支払われるものがある
札幌市西区のAさんのケースでは、死亡退職金が支払われる際に、Bさんの口座に1335万円が振り込まれていました。Aさんが勤めていた会社によると、死亡退職金は1300万円ということでしたが、35万円多く振り込まれていました。
会社によると、この35万円は「11月25日に支給予定だった10月分の給与」とのことでした。1300万円と35万円を分けて支給してくれれば分かりやすいですが、会社によっては死亡退職金以外の支給がある場合に、その合計を一括して振り込むこともあるのです。
問題は、この35万円の取り扱いです。札幌市西区のAさんのケースであれば、死亡退職金の非課税限度額は1500万円ですから、1300万円では非課税の枠を使いきれていません。一括して余計に多く振り込まれていた35万円も死亡退職金の非課税枠を使うことができるのなら、35万円にも相続税がかからないことになります。
一方で35万円は死亡退職金として扱われないのであれば、この死亡退職金は非課税枠に入れる処理をした場合、その処理は不適切な処理となり、税務調査があった場合に指摘されることは間違いありません。
結論を述べると、相続開始時に支給期が到来していなかった未支給の給与は、非課税の対象となる死亡退職金ではなく、通常の(つまりは、課税される)相続財産を構成します。申告書上は、第10表ではなく直接第11表に載る「未収入金(未受領給与)」として処理することになります。
相続税法基本通達3-33においても、次のように定められています。
支給期の到来していない給与
相続開始の時において支給期の到来していない俸給、給料等は、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等には該当しないで、本来の相続財産に属するものであるから留意する。
非課税の扱いを受けることができる退職金かどうかは、会社から交付される支払調書を見ればわかります。支払調書を見てもよく分からない場合は、受給者から支給してくれた会社に問い合わせてその詳細を確認するとよいでしょう。
札幌相続相談所で扱ったケースでは、一括して死亡退職金等が配偶者相続人に支給されていましたが、非課税の枠のなかに入るもの(つまり第10表に記載されるもの)とそうではないものに分けて申告書に反映しました。間違えてすべてを第10表に入れると税務署からの指摘が入りますので注意しましょう。