名義預金をめぐる諸問題
相続税申告でいつも頭を悩ませるのが「名義財産の処理」です。名義財産とは、実質的には被相続人の財産だけれども、相続人等の他人の名義になってしまっている財産のことです。名義財産の代表格は「名義預金」です。名義預金とは実質的に被相続人の預金であるのに、他人の名義になってしまっている預金のこと。たとえば被相続人が自分の子の名義で口座を開設し、その口座にお金を貯めていた。その子はそんな口座があることは知らず、被相続人が死亡した後にその存在を知った、というケースが典型的な事例です。
相続税申告は「実質」に基づいて処理しなければなりません。名義(つまり形式)ではなく、実質的に被相続人の支配下にある預金なのであれば、その預金は被相続人の財産に該当するわけです。
税務調査でも名義預金等の名義財産が問題になることは多々あり、調査官は被相続人の財産がもれなく申告書に反映されているか、細心の注意を払って税務調査に臨むものです。
【解決事例】名義預金の名義人が死亡したケース
相続税特化の専門税理士事務所である札幌相続相談所で担当したケースに、「名義預金の名義人が死亡した」というケースがありました。
札幌市東区のAさん(女性)が死亡し、その相続人は配偶者のBさん(男性)とAB間の子であるCさんの3名です。Bさんは地方公務員として長年公務に従事し、一定の生涯年収を稼いでいましたが、AさんはそんなBさんを支える立場に徹していたため、長年専業主婦でした。
Bさんは現役時代からAさんの名義の口座を自分自身で管理し、その口座に毎月お金を貯めていました。その貯まったお金はなんと2,000万円ほどでした。
BさんとCさんは、Aさんが死亡したことで相続税の申告の必要性を検討すべく、札幌市中央区の相続税特化の札幌相続相談所に、この2,000万円の取り扱いを相談しました。
Bさんは現役時代からAさんの名義の口座を自分自身で管理し、その口座に毎月お金を貯めていました。その貯まったお金はなんと2,000万円ほどでした。
BさんとCさんは、Aさんが死亡したことで相続税の申告の必要性を検討すべく、札幌市中央区の相続税特化の札幌相続相談所に、この2,000万円の取り扱いを相談しました。
Aさんの財産は他に札幌市東区に不動産(土地)があり、この不動産と2,000万円の預金を足し合わせる、相続税申告の基礎控除を超え、相続税申告の必要がありそうに思えます。相続税申告の必要はあるのでしょうか。
財産の「実質」を見るのが相続税専門の税理士
札幌相続相談所の代表税理士は、財産の名義を確認するのみならず「実質」を詳細に確認しました。聞き取りを行ったところ、BさんがAさんと結婚した当時にAさん名義の口座を開設し、そのときから定期的にBさんが入金していたようです。通帳、カード及び印鑑はBさんが管理し、口座の存在そのものをAさんは認識していなかったようでした。貯めていたお金はBさんの給与(所得)から構成され、Bさんは自由に口座のお金を出し入れできたとのことです。
相続税申告が不要になることも
名義財産の名義人が死亡した場合、その名義財産は名義人の財産から除外されることになります。その結果、相続税申告が不要になることだってあり得ます。
難しいのは、税務署に指摘された場合にどのように説明するか、です。税務署は被相続人の生前の姿や財産管理の状況などは知らないわけですから、基本的には「被相続人の名義になっている財産=被相続人の財産」という認識からスタートします。
相続税特化の専門税理士としては、税務署に指摘されても負けないだけの記録を残しておくことを意識しています。仮に「基礎控除額を超えているのに相続税の申告をしていない、つまりは無申告だ」という疑いをかけられた場合でも、「そもそも基礎控除額を超えていない」といえるだけの証拠を集めておくのです。
札幌市東区のAさんのケースであれば、配偶者相続人であるBさんをはじめとする遺族のヒアリングをまとめておきます。また、可能であれば名義人には原資がないことを示す資料(たとえばAさんの所得の証明書)と、配偶者相続人Bに原資を拠出できる能力があることを証明する資料(たとえばBさんの所得の証明書)なども揃えておきます。
名義財産の処理を間違えてしまうと、不要な相続税を納税することになってしまいかねません。相続税は、相続税特化の専門税理士に相談して進めることを強くおすすめいたします。札幌・札幌近郊で相続税にお困りの方は、札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。




