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過去の相続税申告書を閲覧して行った相続税申告<解決事例>

札幌で、相続税のお悩みは当税理士事務所にご相談ください。相続税申告が必要なのか分からない。相続税がいくら課税されるか不安だ。相続税の節税方法が知りたい。このような相続税にまつわるご相談は当税理士事務所までお気軽にどうぞ。札幌・札幌近郊で相続税申告を含む相続手続きにお困りの方を徹底してサポートします。


相続税特化の税理士事務所


札幌市中央区のAさんのケース

次のケースは、札幌市在住の方からご依頼があって処理した相続税申告のケースです。

Aさんが死亡し、その相続人は子どもであるBとCの二人です。Aさんが亡くなる5年前にAさんの父親Zが死亡しており、Zの相続人はAのみでした。A死亡時、Aの遺産は1億円ほどありましたが、そのうちの結構な部分はAがZから相続した財産でした。

Zが死亡した際の相続税申告は、Aが札幌市内のX税理士事務所に依頼して申告をしていました。X税理士事務所の所長税理士であるXは高齢を理由にA死亡よりも前に廃業していました。

Aの相続に関する相続税申告においては、「相次相続控除」が適用できますが、BとCはどこを探してもZの相続の際の申告書の控えが見つかりませんでした。BはX税理士の事務所であれば控えが残っているはずだということで、X税理士に連絡を試みるも、X税理士は廃業していたことから連絡を取ることができませんでした。


Aさんの相続においては、「相次相続控除」の適用によって納税額がおさえられそうです。相次相続控除とは書いて字のごとくで「相次ぐ相続の場合は控除を認める」という制度です。ZからAにZの遺産が移転した時点で相続税が課税された場合に、時間を経たずしてAが死亡してAの遺産がBとCに相続された場合、Aを経由してZの財産に対しては二回相続税がかかってしまうことになります。このため、Zの相続の際にAが支払った相続税額の一部をBとCがAを相続するときに控除してよい、とされているのです。

相次相続控除を適用するためには控除額の計算が必要であり、そのために前の相続においてどのような申告を行ったかを確認する必要があります。一般的にはZの相続の際にAが提出した相続税の申告書の控えを参考にして、控除額を計算します。

問題なのは、申告書の写しがない場合です。Aの性格にもよりますが、Zの相続の際の申告書類の控えを廃棄してしまっていることがあります。このような場合は以前に依頼した税理士事務所(Aさんのケースであれば札幌市内のX税理士事務所)に問い合わせれば、だいたいの場合は申告の記録は事務所のPCに残っているものです。


申告書等閲覧サービス

Aさんのケースでは、X税理士事務所は既に廃業していました。税理士業界は高齢化が進んでおり、それは札幌も例外ではありませんので、Xは高齢を理由に引退していました。

当税理士事務所に相談にきたBとCはそのような状況にありましたが、当税理士事務所の代表税理士は国税庁が用意してくれている「申告書等閲覧サービス」について案内をしました。申告書等閲覧サービスとは、以前に提出した申告書等を閲覧させてくれる制度です(申告書のみならず届出書や添付書類などの閲覧も可能です)。希望した場合は、閲覧だけでなく申告書等の写真を撮ることも可能です。


閲覧者の被相続人が生前に提出した申告書等も閲覧対象

申告書等閲覧サービスを利用できるのは、まずは申告した本人です。たとえば以前に提出した所得税の申告書を確認したい場合に、申告者自らが税務署に連絡をとって自らの過去の申告書類を閲覧するのです。

一方で、BさんとCさんは、自身が以前に提出した申告書類ではなく、被相続人であるAさんが生前に提出した申告書類を閲覧したいという状況です。申告書等閲覧サービスによると、BとCは被相続人であるAが生前に提出した申告書類等を閲覧することが可能です。閲覧・撮影の対象になるのは自分自身の申告書だけではないのです。


被相続人の申告書類等の閲覧は意外と大変

閲覧・撮影を行う場合、自分自身が提出した申告書類ならいざ知らず、被相続人がその生前に提出した申告書類を閲覧・撮影するのは意外に大変です。

大変なのは次の点です。

1:相続人の全員による閲覧・撮影の請求が必要
→Aさんのケースでは、Aさんの相続人であるBとCが税務署に出向いて閲覧・撮影の請求を行う必要があります。税理士が代理で閲覧・撮影を行うことも可能ですが、その場合も相続人全員からの委任状が必要です。当税理士事務所で手続きを行った際は、BとC両方からの委任も得て手続きを進めました。

2:相続関係を証明する戸籍謄本等が必要
→相続人全員からの閲覧・撮影の請求である必要があるのですから、戸籍謄本等を添付し、請求している者以外で相続人になる者はいない、という証明が必要です。なお、戸籍謄本の代わりに法定相続情報で請求を行うことも可能です。

被相続人が生前に提出した相続税申告書を確認しなければ申告を進められないようなケースでは、税理士に依頼した方が無難だといえます。札幌で相続税申告にお困りの方はお気軽に当税理士事務所にご相談ください。相続にかかる初回のご相談は無料です。


死亡退職金と未収給与は取扱いを分ける!

札幌で相続税の無料相談に対応しています。相続税申告が必要かどうか分からない。相続税申告したいが、その仕方が分からない。相続税の専門家に依頼したい。相続税の節税方法について知りたい。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は当税理士事務所にお気軽にご相談ください。当税理士事務所は相続税を専門に扱う税理士事務所です。札幌圏での実績(申告件数)はトップクラスです。


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死亡退職金の相続税上の扱い

誰かが死亡し、その者に支給されるべきだった退職手当金等を相続人が受領した場合、その退職手当金等は相続税の課税対象になります。相続人が受領しているのだから相続人の所得を構成し、所得税の課税対象になると考えることもできなくはありませんが、「退職金はもともと被相続人が積み立てていたものであって、被相続人が生存していたら被相続人本人に支給されるはずだった」という点に鑑み、相続税の課税対象になっているのです。退職金は一般的には1000万円以上になることが多く、これを「所得税」の対象とすると税負担が重すぎることから、相続税の課税対象とした方が国民にとってもありがたい扱いだと考えられます。

就業規則等で、従業員が死亡した場合はその従業員の配偶者等の相続人などが, 死亡した者が積み立てていた退職手当金等を受け取れると規定されていることが多いものです。そのような規定に基づいて相続人等に直接支給されると考えると、当該金銭は相続人の所得とも考えられますが、税負担のことを考え、当該退職手当金等は「相続財産とみなす」とされています。「みなす」というのは、「そうではないものを、そうだと扱う」という意味ですから、相続人等が受領した退職手当金等は相続財産ではないものの、相続財産と扱われるという意味です。

また、相続人が受け取る被相続人の退職手当金等(以下において「死亡退職金」といいます)は、政策的に課税される額がおさえられています。相続財産とみなされて相続税の対象になるというだけで税額がおさえられる結果になるのが一般的ですが、相続税の処理においても死亡退職金には「非課税の枠」が認められているのです。

非課税の限度額は「500万円×法定相続人の数」です。相続人が3人いたら、1500万円までは非課税と扱われるのです。


死亡して退職となったケース

札幌で相続税申告を専門に扱う当税理士事務所では、次のような案件のご依頼がありました。

札幌市西区に住むAさん(58歳)が令和8年11月3日に死亡しました。Aさんの相続人は配偶者であるBとAB間の子であるCとDの三名です。

Aは札幌市内の企業の従業員という立場であり、死亡により退職という形になりました。Aは長年その企業に勤めていたことから退職金の積み立てがあり、企業の規定に従って配偶者相続人Bは1300万円の死亡退職金を受領することになりました。

Bが死亡退職金を請求し、Bの口座に令和8年11月25日に「1335万円」が振り込まれていました。


従業員が死亡した場合、企業には様々な規定があり、そのなかに死亡退職金の取り扱いが定められています。死亡退職となった場合に、誰が退職金を受領できるか細かなルールがあります。配偶者が第一順位、配偶者がいない場合は子どもが第二順位、という定めがよく見受けられます。Bが死亡退職金を受領できたいのは第一順位であったためです。


死亡退職金と同時に支払われるものがある

札幌市西区のAさんのケースでは、死亡退職金が支払われる際に、Bさんの口座に1335万円が振り込まれていました。Aさんが勤めていた会社によると、死亡退職金は1300万円ということでしたが、35万円多く振り込まれていました。

会社によると、この35万円は「11月25日に支給予定だった10月分の給与」とのことでした。1300万円と35万円を分けて支給してくれれば分かりやすいですが、会社によっては死亡退職金以外の支給がある場合に、その合計を一括して振り込むこともあるのです。
問題は、この35万円の取り扱いです。札幌市西区のAさんのケースであれば、死亡退職金の非課税限度額は1500万円ですから、1300万円では非課税の枠を使いきれていません。一括して余計に多く振り込まれていた35万円も死亡退職金の非課税枠を使うことができるのなら、35万円にも相続税がかからないことになります。

一方で35万円は死亡退職金として扱われないのであれば、この死亡退職金は非課税枠に入れる処理をした場合、その処理は不適切な処理となり、税務調査があった場合に指摘されることは間違いありません。

結論を述べると、相続開始時に支給期が到来していなかった未支給の給与は、非課税の対象となる死亡退職金ではなく、通常の(つまりは、課税される)相続財産を構成します。申告書上は、第10表ではなく直接第11表に載る「未収入金(未受領給与)」として処理することになります。

相続税法基本通達3-33においても、次のように定められています。

支給期の到来していない給与
相続開始の時において支給期の到来していない俸給、給料等は、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等には該当しないで、本来の相続財産に属するものであるから留意する。


非課税の扱いを受けることができる退職金かどうかは、会社から交付される支払調書を見ればわかります。支払調書を見てもよく分からない場合は、受給者から支給してくれた会社に問い合わせてその詳細を確認するとよいでしょう。

札幌相続相談所で扱ったケースでは、一括して死亡退職金等が配偶者相続人に支給されていましたが、非課税の枠のなかに入るもの(つまり第10表に記載されるもの)とそうではないものに分けて申告書に反映しました。間違えてすべてを第10表に入れると税務署からの指摘が入りますので注意しましょう。


相続税申告で加算する生前贈与の期間計算

札幌市中央区にございます札幌相続相談所には、札幌をはじめ札幌近郊からも相続税に関する各種お問い合わせがございます。札幌・札幌近郊で相続税のことでお困りの方は相続税専門の税理士事務所である当税理士事務所にお気軽にご相談ください。


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相続税申告で加算する生前贈与

相続または遺贈によって相続財産を取得した人が、被相続人から生前に暦年贈与を受けていた場合、一定期間の生前贈与について、相続財産に持ち戻しを行って相続税額を計算する必要があります。

具体例を出しましょう。
札幌市東区のAさんが令和8年12月5日に死亡しました。Aさんの相続人は子どものBのみです。Aさんの「死亡時の」相続財産の総額は札幌市東区の自宅不動産を含めて4,000万円でした。

Aさんは生前に、自分が亡くなったら相続人になるのはBのみだと理解しており、どうせならBに早く財産を移したいと考えていました。Aさんは生前に相続税を専門としている税理士に相談したところ「生前(暦年)贈与」について教えてもらい、以下の生前贈与をBに対して行っています。AとBとの間の贈与はすべて贈与契約書があり、民法上有効に成立した贈与契約といえます。

令和7年5月5日 200万円の贈与 令和6年2月2日 100万円の贈与 令和5年11月11日 100万円の贈与
※Bさんは、令和5年から令和7年の間で他に受けた贈与はありませんでした。


札幌市東区のBさんのケースであれば、相続税の申告を行う際に、死亡日から遡って3年間の贈与は相続財産に持ち戻すことから、令和7年5月5日の200万円贈与と令和6年2月2日の100万円贈与を相続財産に加算して相続税申告を行います。一方で令和5年11月11日の100万円贈与は持ち戻す必要はありません。

結局、相続税申告において加算するのは合計300万円の贈与であり、4,000万円の相続財産に300万円の贈与を加算して相続税額を計算し、その相続税額から令和7年に支払った贈与税額を差し引くことになるのです。

ところで、相続税申告における生前贈与の加算は「3年」から「7年」に改正されたことをご存知の方もいるでしょう。その改正は確かにありますが、経過措置があって、相続開始のタイミングによって加算する期間が異なります。まとめると次のとおりです。

令和8年12月31日までに発生した相続について→3年分を加算
令和9年1月1日~令和12年12月31日の間に発生した相続について→令和6年1月1日から死亡の日までの間になされた贈与を加算
令和13年1月1日に発生した相続について→7年分を加算


生前贈与加算の「期間」についての考察

では、AさんからBさんへの令和5年の贈与が令和5年11月11日ではなく、Aさんの令和5年12月4日であればどうでしょうか。

結論からいうと、相続税申告において令和5年12月4日になされた贈与は加算する必要はありません。令和5年12月5日から相続開始までの間になされた贈与が加算対象になります。

結論だけ見ると非常に簡単な話のようですが、税理士は税法を扱う「法律家」ですから、法律家として、期間についてはきちんと「考察」が必要です。

そもそもですが、相続税法は民法の特別法です。特別法に定めがないことは一般法の規定によって解決されることになりますから、相続税の処理においても民法の定めが適用される余地があります。そして民法の「期間の計算」といえば、次の定めがあります。

民法第140条
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

これは「初日不算入の原則」というもので、法律家であれば誰もが知っている条文です。相続税法においては、期間のカウントについての定めがなく、生前贈与加算においても民法第140条の規定が適用されるのではないか、とも考えられます。民法第140条が適用されると、「初日不算入」なのですから、札幌市東区のAさんのケースであれば令和12月5日に相続が開始したものの、初日は不算入で令和8年12月4日から3年間遡ると理解することもでき、そうなると令和5年12月4日の生前贈与も相続税において加算の対象になるのではないか、という疑問が生じるのです。

この点については、相続税の生前贈与加算について、民法第140条を適用して初日不算入で遡る必要はない、と理解しています。

民法第140条は期間の「起算」について定めた条文であり、ある日を起算日として期間を計算するときの条文だといえます。たとえば「決議の日から2年以内」という場合の期間のカウントで適用されます。

一方で相続税における生前贈与加算は、「遡る」ものであり、起算の場面とは異なると理解することができます。また、相続税の基本通達19-2においても、たとえば令和8年12月31日までに発生した相続については「相続の開始の日から遡って3年目の応当日から当該相続の開始の日までの間」の生前贈与を加算すると明記されています。この明記がなければ、法律家としては少し悩んでしまうところではあります……。


不法行為の損害賠償請求権の相続税法上の取り扱い

札幌は東京や大阪などと異なり、相続税を専門とする税理士が少ないことから、相続税特化の札幌相続相談所には様々なご相談が持ち込まれます。札幌・札幌近郊で相続税のご相談なら当税理士事務所にお任せください。


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交通事故のケース

札幌相続相談所に、次のようなご相談をいただいたことがあります。

札幌市清田区のAさんは、不慮の交通事故により、意識不明の重体になってしまいました。生死をさまよいましたが、事故の5日後、残念ながら帰らぬ人になってしまいました。

Aさんには子供Bがおり、Bが唯一の相続人です。Bは弁護士を通じ加害者に対して損害賠償請求を行い、逸失利益1億円と慰謝料3000万円の支払い請求を受けることができました。

Aの財産は札幌市清田区の自宅の土地建物1000万円と預貯金500万円のみでした。


この事例において、損害賠償請求においてBが支払いを受けた1億円と3000万円についても相続財産となり、相続税が課税されるのでしょうか。1億円と3000万円が課税対象財産であればもともとAが持っていた自宅と預貯金の合計1500万円に1.3億円が上乗せされるわけであり、相続税申告の必要が生じ、なおかつ相当な相続税額の負担が求められることになります。一方で1.3億円が相続税法上の相続財産に該当しないとなると、Aの相続財産の規模は基礎控除3600万円を下回り、相続税の申告は不要になります。


損害賠償請求権が未収入金として確定している場合

損害賠償請求権の相続税法上の扱いについては、それぞれの状況によって取り扱いがことなります。

たとえばAが即死や事故後数日で死亡したような場合でなければ、生前のうちに弁護士に依頼し、交渉や場合によっては裁判手続きによって損害賠償請求権が確定していることがあるでしょう。その損害賠償請求権が確定したものの、入金される前にAが死亡した、という状況であればその損害賠償請求権は「未収入金」として生前に確定した権利だといえますから、入金前の当該損害賠償請求権は相続財産を構成します。

国税庁のタックスアンサーにおいても、次のように記されています。

被相続人が損害賠償金を受け取ることが生存中に決まっていたが、受け取らないうちに死亡してしまった場合には、その損害賠償金を受け取る権利すなわち債権が相続財産となり、相続税の対象となります。



札幌市清田区のAさんのケースは?

Aさんのように、交通事故を原因として事故から日が経たないうちに死亡した場合は詳細な検討が必要です。

ところで相続税法というのは民法という土台の上に成り立っている法律ですから、相続税法上の扱いを検討する際は、損害賠償請求権の民法上の法的性質についても理解しなければなりません。

Aさんのように不法行為によって、当該不法行為時から日が経たないうちに死亡したケースであれば、1.3億円の損害賠償請求権はいったん被相続人に帰属し、それが相続人に承継されるという考えがあります(民法上このように考える、ということです)。最高裁もこの見解を支持しており、被相続人のもとで発生した損害賠償請求権は相続人に承継されるものとなります。この考えによると、損害賠償請求権は相続財産ですから、相続税法上、損害賠償請求権は課税対象になるという帰結が「理屈上は」導かれます。

一方で損害賠償請求権は一身専属的な権利である、という見解もあります。この見解によると、そもそも損害賠償請求権は相続されないことから、相続税法上の課税対象の相続財産を構成しないことになります。

このように複数の見解があり、最高裁は前者の見解を採用しているものの、交通事故の加害者から遺族が損害賠償請求を受けた場合について、国税庁のタックスアンサーは次のように回答しています。

被害者が死亡したことに対して支払われる損害賠償金は相続税の対象とはなりません。


最高裁の考えから導かれる扱いとは異なるでしょうが、やはり政策的にこのような損害賠償金を課税対象にすることは望ましくないと考えられます。税法は理屈よりも政策でその扱いを決める場面があり、この場面もその一つだと理解すると分かりやすいかもしれません。


2660万円の節税に成功(?)

札幌市清田区のAさんの相続人であるBから相談を受けた当税理士事務所の税理士は、上記のように回答をしました。

Bさんは損害賠償請求権も相続財産として課税されると考えていたことから、まさか「課税対にならないため、今回相続税はかからない」と言われ、大変に驚いていました。

仮に1.3億円が相続財産として課税されるとした場合、Bさんの相続税額は2660万円にもなります。結果、相続税を専門とする当税理士事務所に相談をしたことによって、2660万円の節税に成功した(?)とも言えます。

札幌近郊で相続税にお困りの方はお気軽にご相談ください。


 

札幌の「地積規模の大きな宅地の評価」について

札幌相続相談所には、札幌を中心として相続税申告のご相談が数多くございます。代表税理士の碓井孝介は不動産登記の専門資格である「司法書士」の資格をも有することから、札幌相続相談所は札幌の不動産(土地)評価の実績を多く積み上げております。札幌・札幌近郊で土地評価を含む相続税申告ならぜひ札幌相続相談所にお任せください。


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土地評価の在り方

札幌に限らず、相続税申告における土地の相続税評価の基本は、「平米当たりの路線価×土地の平米」で計算を行います。

しかし、土地によっては通常の土地よりも利用価値が上がっているとして土地評価の「増額」をしなければなりません(土地が角地にあったり、二路線や三路線に面している場面が典型例です)。

逆に、通常の土地に比べて利用価値が下がっていると考えざるを得ない土地であれば相続税評価において「減額」を行うことが可能です。たとえば「不整形地」といって、土地の形が四角ではなく歪んでいるような土地であれば、不整形地補正率を適用して減額をとることが可能です。

土地評価について「減額」を行うことができるものとして、「地積規模の大きな宅地」というものがあります。地積規模の大きな宅地とは何なのか、どのような要件で減額を取れるのかについて、札幌の相続税理士が解説します。


「地積規模の大きな宅地」とは

「地積規模の大きな宅地」とは、一般的な宅地よりも広い宅地であり、地積規模の大きな宅地に該当すれば、相続税評価において減額を行うことが可能になります。

広い土地というと、利用価値が高いと考える方がいますが、一概にそうとはいえません。広いというのは程度問題であり、たとえば一戸建てを建てるには広すぎると考えられるほどの土地であれば、広すぎることから価値は下がるのです。

想像してください。札幌の住宅地やその付近に3000平米の広さの土地があったとして、その土地はどのように活用されるでしょうか。よほどの大金持ちでなければ、そこに一軒家を建てることは現実的ではありません。一般的にはマンションを建てるか、あるいは一戸建てであれば3000平米をいくつかの区画に分けて、宅地用地として分譲販売することになります。マンションを建てる場合は土地に膨大な開発費用を投じる必要がありますし、宅地用地として分譲販売する場合は、3000平米の土地のなかに道路を敷設する必要があります。このように考えると、広すぎる土地(宅地)はそのままの状態では活用が難しいことから、価値が低いものともいえるのです。

地積規模の大きな宅地とは何なのか、どのような要件で減額を取れるのかについて、続いて解説します。


地積規模の大きな宅地の要件

土地の評価額を下げることができるものですから、その宅地に該当して評価減をとるとめには要件をクリアしなければなりません。

  • 要件1:面積要件

  • まずは「広すぎる」という程度に土地の広さが必要です。具体的には三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)については500平米以上の広さが、三大都市圏以外の地域であれば1000平米以上の広さが必要です。札幌は三大都市圏以外ですから、札幌の土地評価を行う場合は1000平米以上あるかどうかをみることになります。

  • 要件2:地区区分

  • 評価を行う土地が路線価図において、「普通住宅地区」か「普通商業・併用住宅地区」に該当しなければなりません。「地積規模の大きな宅地」はあくまで「宅地」が対象ですから、繁華街地区や工場地区であれば、この制度を使って評価額を下げることはできません。なお、評価対象の土地が倍率地域に存在する場合は路線価図というものが存在しませんが、その場合は普通住宅地区内に所在するものとして扱われ、「地積規模の大きな宅地」の適用が可能です。

  • 要件3:都市計画

  • 評価対象の土地が「市街化調整区域以外の」地域に所在することも要件になっています。地積規模の大きな宅地は、「宅地分譲するのに開発費用がかかる」という事情から評価減が認められています。市街化調整区域であればそもそも宅地が建てられる土地ではないことから、この制度の適用対象外です。

    また、評価対象の土地の都市計画の用途地域が「工業専用地域」に指定されている場合も、地積規模の大きな宅地には該当しません。工業専用地域であればそもそも家を建てることが難しいためです。

  • 要件4:容積率

  • 評価対象の土地が東京都の特別区に所在する場合は容積率が「300%未満」、札幌などの東京都特別以外の地域に所在する宅地については「400%未満」であることが要件になっています。容積率が大きければ大きいほど高い建物を建てることができますから、広い土地であればいわゆるタワマンの建設も可能になり、広すぎて価値が下がっているとはいえないためです。


    地積規模の大きな宅地の適用は必ず行う

    土地の相続税評価は、行う税理士によって結果が異なるものです。

    マンションなどであれば、多くのケースで「地積規模の大きな宅地」に該当しますが、土地評価に不慣れな税理士が行う相続税申告においては地積規模の大きな宅地として評価減を行っていないケースもあるようです。

    札幌相続相談所が行った評価で、地積規模の大きな宅地として評価減を行ったところ、評価額が200万円下がった、というケースはたくさんあります。評価額を200万円下がったということは、仮に相続税の税率が30%であれば、60万円の節税に成功したことを意味します。札幌で相続税申告にお困りの方は札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。


    札幌のタワマンの相続税評価

    札幌市中央区の札幌相続相談所は、相続税を専門に扱う税理士事務所です。札幌市内はもちろん札幌の近隣の市からもご相談が多くございます。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。


    相続税特化の税理士事務所


    タワマンの相続税評価

    全国の各主要都市の駅前には、いわゆるタワーマンションが多く建てられており、札幌もその例外ではありません。札幌駅だけでなく、大通駅、琴似駅、苗穂駅、さらには新さっぽろ駅の周辺にもタワーマンションがあります。

    タワーマンションは人気があり、平均的なマンションよりも高価格で取引されています。札幌駅前に建設されたタワーマンションの上層階などは、3億円や4億円といった値付けがされているようです。「本当に札幌のマンションの話なのだろうか」と思ってしまいます。

    そんなタワーマンションの相続税評価は、令和6年税制改正によって大きく変わったことは広く知られています。タワーマンションは戸数が非常に多いことから1戸あたりの土地の持分(敷地の持分)の評価額がものすごく低くなっていました。一方で売りに出した場合の実勢価格は非常に高く、この差を利用して「亡くなる前に現金をタワマンにかえておく」という節税(?)が横行したためです。現金だったら1億円は相続税の評価額も1億円ですが、タワマンであれば1億円相当のタワマンがたとえば3000万円の評価になっていたためです。

    令和6年の税制改正の内容を簡単まとめると、マンションについて「築年数が新しければ新しいほど高くする」「被相続人の部屋の階数が高ければ高いほど評価を高くする」「建物の総階数が高ければ高いほど評価を高くする」という改正でした。ある計算を行い「補正率」を算出し、評価額にその補正率を乗じなければならなくなったのです。これにより、タワマンの相続税法上の評価額は実勢価格に近付いたといえます。


    ある札幌のタワマンの評価

    札幌相続相談所で取り扱った事例において、あるタワーマンションの一室の評価を行って相続税申告をしたことがありました。

    ここで、タワマンの評価をどのように行うのか、どのような点に注意すべきかを札幌の相続税理士が解説します。

    タワマンの評価の基本は、まずは一般的なマンションの評価のそれと変わりありません。正面路線価を特定し、敷地に路線価を乗じ、最後に持分を乗じて1戸あたりの土地評価額を算出するのが基本です。

    一方で、タワマンだからこその注意点というのもあります。

  • 注意点1:二路線、三路線、場合によっては四路線の加算

  • マンションは戸建てよりも敷地が広いのは当然ですが、タワマンともなると敷地は本当に広いといえます。特に北海道札幌市などの地方都市であれば東京のマンション以上に広い敷地のマンションも存在します。

    そのようなことから、マンションの敷地が「一路線に面している」という状態ではなく、二路線、三路線に面しているということだって考えられます。札幌相続相談所が取り扱った事例においては、四路線に面したタワマンというものもありました。四路線に面しているということは、大きな一区画すべてタワマンの敷地ということです。

    一路線にのみ面しているマンションとは異なり、複数路線に面している土地であればそれだけ利便性が高まっていることから、平米当たりの路線価にその利便性向上によって生じた価値の増加分を加算しなければなりません。四路線に面しているとなると、二路線目の加算、三路線目の加算、四路線目の加算、と徐々に平米あたりの路線価が引き上げられます。

  • 注意点2:不整形補正率をしっかり適用すること

  • 加算項目ばかりでは財産の評価が上がってしまうばかりですが、タワマンの敷地が不整形であれば、不整形補正率によって平米当たりの評価額を引き下げることができます。

    札幌相続相談所が扱った事例においては、タワマンの敷地が若干不整形であったために、平米単価を下げることに成功しています。不整形の補正率計算は非常に複雑ですが、数少ない「減額項目」ですので、間違いのないように行いましょう。

  • 注意点3:タワマンは「地積規模の大きな宅地」にならないかも……

  • 減額項目といえば、「地積規模の大きな宅地」に該当すれば、平米当たりの評価額を引き下げることができます。大きすぎる土地は、マンションを建てたり巨大店舗を建てたりするくらいしか活用方法がないため、逆に価値が下がっているともいえるためです。

    タワマンにおいて「地積規模の大きな宅地」を検討する際に注意しなければならないのは「指定容積率」です。札幌の場合は、評価の対象となる宅地の指定容積率が400%未満であることが要件となっていますが、タワマンは容積率が大きな土地に建てるものですので、タワマンの敷地の容積率が400%以上になっていることだってあるのです。

    札幌市内の某タワマンを評価した際は、指定容積率が300%でしたので「地積規模の大きな宅地」として扱うことができ、評価額を下げることができました。


    区分補正率はどの程度か

    そしてタワマンの評価といえば「区分補正率」です。前述したように、築年数が浅ければ浅いほど、総階数が高ければ高いほど、所有している部屋の所在階が高ければ高いほど、区分補正率の適用により評価額を大きくしなければなりません。

    札幌のあるタワーマンションにおいては、区分補正率は約1.6でした。ちなみに物件の状況としては総階数が40階、所在階が15階でした。上の階になると、区分補正率は2に近づくことが予想されます。

    区分補正率が1.6ということは、敷地と建物(マンションのコンクリートの建物部分)の評価額に1.6を乗じるということですから、相当な評価額の増加となります。


    札幌タワマンの評価額と実勢価格の差について

    札幌相続相談所で札幌市内の某タワマンを評価したところ、その評価額は2700万円ほどになりました。

    では、その物件を売りに出したらいくなのか、、、この実勢価格については、おそらく5000万円を超えると思われる物件でした。結局、区分補正率があったとしても物件の相続税法上の評価額と実勢価格との間には大きな乖離があります。

    ※この乖離があまりにも大きい物件については「総則6項」の適用が生じる可能性がありますが、総則6項は別の機会に紹介します。


    相続放棄で相続税を節税<解決事例>

    札幌相続相談所は札幌では珍しい相続税を専門に扱う税理士事務所です。代表税理士は司法書士資格を有し、税務と法務の両方の観点から、最適な相続を実現できるように日々業務に取り組んでいます。札幌で相続税申告のご相談・ご依頼は、札幌相続相談所にお気軽にお問い合わせください。


    相続税特化の税理士事務所


    一次相続と二次相続のトータル税額が問題

    相続税申告は、「相続ごと」に申告して納税しなければなりません。相続が発生する度に税負担が生じるため、相続税申告の仕方を工夫しなければ余計な税金を払うことになります。

    一方で、相続税対策を適切に行えば一次相続と二次相続の合計相続税額を大きく下げることができます。札幌相続相談所では、一次相続と二次相続の両方を見据え、トータル税額を無理のない範囲で下げる方法を提示して相続税申告を進めるようにしています。

    一次相続と二次相続といえば父親が死亡した後に父親の配偶者にあたる母親が死亡し、、、という場面が典型的な事例ですが、それとは異なるケースもあります。


    一次相続と二次相続のトータル税額が大きくなるケース

    札幌相続相談所に持ち込まれた事例で、次のような事例がありました。一次相続と二次相続の両方の相続税申告について検討しなければならないケースです。

    札幌市南区のAさんが死亡しました。Aさんはまだ55歳であり、もともと未婚で、養子を含めお子さんはいませんでした。第一順位の相続人(被相続人の子や孫)がいないわけですから、第二順位の者が相続人になります。Aさんには直系尊属として父親が存命でした。結果、Aさんの相続人は父親のBさんでした。Aさんの遺産の評価額は5000万円です。

    Bさんは元気であるものの現在85歳であり、いつ何時なにがあるか分かりません。また、Bさんは札幌市内に複数の土地を持ち、金融資産も多額にあります。Bさんの資産はAさんの遺産を除いて2億円ほどありました。

    他にAさんの親族といえば、歳の離れた弟Cがいます。Cは現在45歳であり、Cには子供もいて、何かとお金がかかる状況です。


    このケースにおいて、Aさんの遺産をBさんが相続することは、相続税の納税という観点からは非常に大きなデメリットがあります。それはBさんが高齢であり、あと数年後にBさん自身の相続が発生する見込みであること、そしてBさんが既に2億円もの資産を保有していることに起因します。

    相続税は「累進課税」の仕組みに基づいて運用されていますから、もしAさんの財産をBさんが相続してBさんの財産が2億5000万円になったら、相続税額も非常に大きくなってしまいます。2億円が2億5000万円になったら、財産としては25%増しですが、相続税の税額はもっともっと大きくなってしまうのです。


    相続税業務の基本は徹底したヒアリング

    相続税申告を数多く扱う札幌相続相談所では、相続税業務の基本は相続人等に対する徹底したヒアリングだと認識しています。相続は相続税額というお金の問題であるばかりか、人の生き死にという人生の節目の問題であるため、相続人等のご親族の「気持ち」や「考え」は最大限に尊重すべきことだ考えて相続税業務に取り組んでいます。

    札幌市南区のAさんの相続税申告に関し、ご相談にいらしたBさんのお話を詳しく伺うと、Bさんのお考えは次のとおりでした。

  • Bは高齢であり、自分が後何年生きられるか不安を抱えている
  • BはCのことを気にかけており、お金がかかる時期に差し掛かっているCにお金を早く渡したいと考えている
  • B自身は多額の財産があるため、お金にはまったく困っていない
  • お金に困っていないばかりか、お金の管理に不安を感じている


  • 結局のところBさんは「お金はもう要らない」ということです。そして何より、早くCにお金を渡してあげたいということでした。

    資産家であれば生前贈与を用いた節税スキームなどを検討することは常識ですが、昨今の相続税法の改正により、相続人になる者に対して行った贈与は、相続が発生したときに相続財産に足し戻さなければならず、その戻す期間も改正前よりも長くなっています。つまり生前贈与による節税スキームは、以前よりも効果が薄くなってしまっているのです。

    このようなことからBはCさんに微々たる額しか生前贈与していませんでした。ましてAから相続した5000万円をBが一度相続してCに生前贈与したら、贈与税の負担が大きすぎて、そのような方法によってCに5000万円ものお金を移すことは現実的ではありません。

    相続放棄を相続税申告で活用する

    相続放棄とは、相続人が自分自身のために相続が開始したことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述して行う手続きであり、その申述が受理されるとその者は「はじめから相続人ではなかった」として扱われます。札幌市在住の方の相続について相続放棄をする場合は、札幌家庭裁判所が管轄の裁判所です。

    相続放棄を行うとその者は相続人ではなかったことになるため、後順位の者に相続権が移ります。札幌のAさんの相続の場面であれば、Bが放棄すれば相続権は後順位の者、Aから見てさらに上の直系尊属に移り、そのような者もいなければ第三順位の相続人であるCに相続権が移ります。

    このような相続放棄の副次的な効果(相続権が後順位の者に移るという効果)を利用すれば、相続税の負担を大きく引き下げることも可能になります。

    Bが札幌家庭裁判所で相続放棄を行えば、Aの相続人はAの兄弟姉妹であるCになります。結果、5000万円ものAの財産はBに移らないことからBの財産は膨らむことはなく、二次相続の税額が大きく跳ね上がることを回避できると同時に、Cが直接5000万円ものAの遺産を手にすることができます。Aの財産をBに一度相続してからCに移すことに比べ、税額は相当に下がります。


     

    相続税の節税を狙った相続放棄、その注意点

    札幌のAさんをめぐる相続のような場面は珍しくありません。そのような場面で相続放棄をうまく活用することで、一次相続・二次相続を通じた相続税の総額をおさえることができますが、相続税の節税を狙った相続放棄には注意点があります。おそらくは税理士主導でこの相続放棄スキームを選択することは大変に危険であり、相続放棄手続きに精通した司法書士や弁護士の協力のもと進める必要があると言えます。

    <注意点その1>
    相続人が相続放棄をした後、誰が相続人になるのかを正確に把握しなければなりません。上記のケースではもともと被相続人の父親が相続人でしたが、被相続人の直系尊属が他にいれば、その直系尊属が次に相続人になります。たとえば被相続人Aの祖父母が存命だった場合、Aの父Bが相続放棄をしたらAの祖父母が相続人になります。Aの祖父母が存命の場合はいきなりAの弟であるCに相続権が移転するわけではないのです。

    被相続人の父親が相続放棄をして、さらに父親の母親や父親(つまり被相続人の祖父母)が相続人になる場合に、考えられるのは祖父母が高齢で判断能力を喪失していて相続放棄ができないという状況です。相続放棄は裁判所における厳格な手続きであり、相続人になる者の自発的な意思がなければ、することができないのです。

    <注意点その2>
    相続放棄は、どんな案件であっても必ず受理されるという保証はありません。札幌のAさんのケースであれば、被相続人の父親であるBが札幌家裁で放棄の申述をして受理されましたが、状況によっては相続放棄の申述は受理されません。

    たとえばBが相続財産の処分を行っていたケースを考えてみてください。Aの遺産である不動産を自らの名義に変更し、売却していた場合、(状況にもよりますが)相続財産の処分として認定され、相続放棄の申述が受理されなくなります。何が相続財産の処分に該当するかは裁判所の個別判断ですが、経験のある司法書士や弁護士であればだいたい察しはつくものです。

    <注意点その3>
    相続放棄をしたら後順位の者に相続権が移りますが、後順位の者は想定した者以外にも存在する可能性があります。

    札幌のAさんのケースであれば父親Bが放棄したことでAの兄弟姉妹Cだけが相続人になりましたが、仮にAの母親がBとの婚姻前に子どもDを産んでいてその存在をBが知らないという可能性だってあります。そうなると、Bが相続放棄をしたらAの相続人はCとDになり、CとDとの間で遺産分割を行う状況になり、事態は複雑化するのです。


    相続放棄が関係するなら司法書士か弁護士にも相談

    上記のような注意点があるからこそ、相続放棄が関係する場合は細心の注意を払って業務を行う必要があります。

    純粋な相続税申告以外の周辺業務が関係する場合も、札幌相続相談所なら対応可能なケースが多々あります。札幌で相続税申告でお悩みの方は、まずは札幌相続相談所にお問い合わせください。


     

    死亡日と「相続開始を知った日」が異なる場合の相続税申告<解決事例>

    札幌相続相談所は札幌市を中心に相続税申告を専門に扱う税理士事務所です。相続税を専門にしていることから、相続税については多数の法人顧問などを抱える一般的な事務所よりも多くの事例を経験しています。

    札幌相続相談所の取扱事例のなかに、相続開始日(被相続人の死亡日)と相続人の「相続開始を知った日」が異なるケースもあります。この場合、札幌相続相談所ではどのように対応しているのかを説明します。


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    相続税の申告期限の起算点

    相続税申告と言うと、その期限は「10か月以内」ということは広く知られています。

    では、いつから10か月以内に行えばよいのでしょうか。

    この点については、相続開始から10か月以内だと思われている方多いようです。相続の開始とは被相続人の死亡のタイミングですから、被相続人の死亡日から10か月以内に申告しなければならないと思われている節があるのです。

    しかし、相続税申告の期限の起算日は、正しくは「相続の開始があつたことを知った日の翌日」からです(相続税法第27条1項)。死亡した日ではなく、「相続の開始を知った日」の翌日から起算する点に注意しましょう。


    死亡日に「相続の開始を知る」とは限らない

    相続の在り方は、それぞれ状況が異なります。多くのケースでは、病院や高齢者施設などで家族に見送られる形で亡くなることが多いため、「死亡日」に、相続人が「相続の開始を知る」といえます。この場合は、「死亡日=相続開始を知った日」になり、結果として、死亡日から相続税申告の期限の起算を行います。

    死亡日に相続人が相続開始を知る一般的なケースと同様に相続税申告書を作成して申告を行った場合、税務署としては「死亡日(の翌日)」から申告期限が起算されるものとして扱ってしまいます。その結果、「真実として、相続の開始を知った日(の翌日)から10か月は経過していないものの、死亡日(の翌日)から10か月が経過している」という場面で、期限後申告として扱われる場合があります。

    相続税の申告期限に間に合わず、期限後申告を行った場合は「期限内に申告されていない」として処理されることになります。期限後申告になってしまった場合、「無申告加算税」と「延滞税」の課税対象となり、申告書を提出してしばらくすると、それらの納付書が税務署から送られてきてしまいます。

    このように「真実として、相続の開始を知った日(の翌日)から10か月は経過していないものの、死亡日(の翌日)から10か月が経過している」という場面において、本来は期限内申告であるのだから無申告加算税と延滞税の扱いを受けたくない、というケースは稀にあります。 死亡日に相続人が相続の開始を知らないことだってあるのです。

    札幌相続相談所では、上記のようなケースにおいて、「事情説明書」を提出して申告を行っています。「事情説明書」は法定の添付書類ではありませんが、事実として一定の効果(無申告加算税や延滞税が課税されないことになるという効果)があると考えられますので、以下において解説します。

    孤独死→腐乱状態→DNA鑑定で相続開始を知るケース

    ここでは二つの事例を紹介します。いずれの事例も、相続税を多く扱う税理士事務所であれば出くわすことがあるケースです。

    一つ目は、DNA鑑定の結果を聞かされたことによって相続開始の事実を知る事例です。

    札幌市北区のAさんが死亡しました。Aさんはいわゆる孤独死であり、死後、相当の期間が経過した後に発見されました。Aさんのご遺体は腐乱状態にあったため、亡くなったのがAさんであることを確認するために、警察がDNA鑑定を行いました。その結果、亡くなっていたのがAさんだということが判明しました。Aさんの相続人は、Aさんの子であるBさんです。Bさんは札幌市内に住んでおりましたがAさんとは別居であったため、Aさんの死亡に気づくことができませんでした。

    Aさんが亡くなった推定時期は2026年「3月15日から31日の間」とされ、戸籍の死亡年月日もそのように記載されました。BさんがAさんの死亡の事実を知ったのは、警察から連絡があった2026年6月10日であり、この日にDNA鑑定の結果を聞かされました。Bさんは数日後の6月15日に死亡届を札幌市に提出し、受理されています。戸籍に記載される死亡届の日は、「2026年6月15日」と記されています。


    Aさんのケースであれば、次のような事情説明書を作成して相続税の申告書と一緒に提出することが効果的と考えられます。
    (注)事情説明書の内容に正解はありません。下記の内容で無申告加算税と延滞税を回避できる保証はなく、税務調査の際に相続税申告期限の起算日について詳細な説明を求められることもあります。下記の事情説明書はあくまで参考程度にして、各自の責任で事情説明書を作成してください。

    事情説明書


    札幌〇税務署長 様

    この度開始いたしました札幌市北区のAの相続税申告に関し、以下の通り事情を説明いたします。

    私は2026年3月15日から31日の間に死亡したAの子のBです。

    私とAとは長年別居状態にあり、ここ数年間は行き来のない生活をお互い送っておりました。

    このような状況からAの死亡の事実について知ったのはAの死亡日ではありません。事情を説明いたしますと、Aはいわゆる孤独死であり、近隣の方がAの自宅の異変に気付き、警察に通報しました。Aの自宅に入った警察が腐乱状態にある遺体らしきものを発見しましたが、Aであるとの断定はできなかったようで、Aの近所に住んでいたAの親(私の祖母)から提供を受けたDNA情報に基づいてDNA鑑定を行いました。その結果、死亡していたのはAだということが判明しました。

    その後2026年6月10日に警察から私に連絡があり、DNA鑑定の結果を聞かされ、私は初めてAの死亡の事実を知りました。

    私はその後死亡届を提出していますが、除籍謄本には死亡届の日が2026年6月15日として記載され、さらには届出人として私の氏名が記載されております。添付した除籍謄本において、それらの記載をご確認いただけたら幸いです。

    以上の通りですので、私がAの死亡の事実を知ったのは2026年6月10日であり、その日に相続開始の事実を知ったことから、相続税申告の期限は2026年6月10日の翌日から起算するとものとして処理いただけたら幸いです。

    札幌市東区〇〇町〇番〇号  B



     

    相続放棄で後順位の者が相続人になったケース

    相続税申告は、相続(遺贈)によって財産を取得した者が行います。

    相続税申告の必要があるというと、基礎控除を超える相続財産があることから相続放棄を選択する方はほとんどいませんが、状況によっては相続放棄をされる方もいます。札幌相続相談所の取り扱い事例としては、後順位の者の方が生前の被相続人の生活に貢献していたということで、先順位の相続人が相続放棄した、という事例がありました。

    ※ここでいう相続放棄とは、相続開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所で行う手続きのことです。家庭裁判所を通さずに、何も受け取らなかったことを相続放棄をいう方がいますが、ここでいう相続放棄はそれとは異なりますのでご注意ください。

    たとえば次のようなケースです。

    札幌市豊平区の甲さんが死亡しました。甲さんの相続人は父親の乙でしたが、乙は高齢であること、さらには甲の生前のサポートをしてきたのは乙の子で甲の兄にあたる丙であることから、乙は札幌家庭裁判所で相続放棄をしました。結果、甲の相続人は後順位の丙になりました。

    甲さんが死亡したのは、令和8年7月5日であり、父である乙が相続放棄の申述を札幌家裁で行って受理されたのが8月30日です。乙が丙に「自分は相続放棄をしたため、丙が相続人になる旨」を9月5日に伝えました。


    丙が相続税申告を行う際は、「相続の開始を知った日の翌日」が相続税申告の期限の起算日になります。その起算日ですが、丙については9月5日の翌日になります。その場合、札幌相続相談所であれば次のような事情説明書を相続税申告書と一緒に税務署に提出します。

    事情説明書


    札幌〇税務署長 様

    この度開始いたしました札幌市豊平区の甲の相続税申告に関し、以下の通り事情を説明いたします。

    私は令和8年7月5日に死亡した甲の相続人の丙です。

    被相続人の甲の親族関係ですが、甲には子がおらず、甲死亡時に父親である乙が存命でしたので乙が相続人になる予定でしたが、乙は札幌家庭裁判所で相続放棄の申述をしており、その申述が令和8年8月30日に受理されております。結果、後順位であった甲の兄弟にあたる私が相続人になりました。

    札幌家庭裁判所から乙の自宅に相続放棄申述受理通知書が届いたのが令和8年9月4日であり、その翌日の9月5日に私は乙より「乙が相続放棄した旨」及び「第二順位の者は乙以外に存在せず、乙が相続放棄したことによって相続権が兄弟である丙に移る旨」を伝えられ、相続の開始を知った次第です。

    参考として、札幌家庭裁判所から乙の自宅に届いた相続放棄申述受理通知書の写しを提出いたします。相続放棄申述受理通知書に記載された「申述を受理した日」が令和8年8月30日になっている旨をご確認いただけたら幸いです。

    以上の通りですので、私がAの死亡の事実を知ったのは令和8年9月5日であり、その日に相続開始の事実を知ったことから、相続税申告の期限は令和8年9月5日の翌日から起算するとものとして処理いただけたら幸いです。

    札幌市豊平区〇〇  丙



     

    公文書の写しを添付する

    札幌市北区のAさんのケースも、札幌市豊平区の甲さんのケースも、いずれのケースでも札幌相続相談所が扱う場合には添付できる公文書の写しを必ず添付するようにしています。

    「相続の開始を知った日」は、本人の認識の問題であることから、言おうと思えば好きなように言うことができてしまいます。

    しなしながら、公文書で除籍謄本の「死亡届の日」を確認できたり、家庭裁判所の裁判所書記官の記名押印のある相続放棄申述受理通知書で「申述を受理した日」が確認できる場合は、事情説明書の内容に偽りはないであろうという心証を税務署の調査官に抱かせることができるのです。


    障がい者控除で税額が出ないときは相続税申告は不要?

    札幌で相続税の申告を専門に扱う札幌相続相談所には、様々なご相談が寄せられます。相続税の相談のなかには、「申告は必要なの?」というご質問もございます。ご遺産の総額が基礎控除を大きく下回っているケースであれば申告は不要だとわかりますが、「この場合だと申告は要るのか、それとも不要なのか」と迷ってしまうケースもあります。

    申告の要否を迷ってしまうケースといえば、「障がい者控除」を適用することで納税が発生しなくなる場合です。そして障がい者控除は障がい者本人が使い切れない「控除の残りの枠」を扶養義務者に使わせてあげることができるため、その扶養義務者についても、「控除の適用によって税額が発生しない場合は申告の必要はないのか」という疑問が生じることになります。これらの疑問について、札幌の相続税専門税理士が解説します。


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    「障がい者控除」の概要

    相続税申告において「障がい者控除」を適用することで、大きく税額を引き下げることが可能になります。

    障がい者控除の要件は次のとおりです。

  • 相続や遺贈で財産を取得すること
  • 相続や遺贈で財産を取得したときに、その取得者の住所が日本国内にあること
  • 相続や遺贈で財産を取得したときに障が者であること
  • 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人であること


  • 上記の要件を満たした者は、障がい者控除の適用によって支払う相続税額をおさえることができます。実際の控除額額は次のとおりです。

      「一般障がい者」→「(相続した年齢から85歳に達するまで)×10万円」
      「特別障がい者」→「(相続した年齢から85歳に達するまで)×20万円」


    たとえば相続人が50歳で一般障がい者であれば、控除額は「350万円(85‐50=35、35×10万円)」になります。一般障がい者であれば、85歳に達するまで1年あたり10万円、特別障が者であれば1年あたり20万円の控除の枠があると理解すればよいでしょう。また、一般障がい者はたとえば身体障がい者手帳で3級~6級の方であり、特別障がい者はたとえば身体障がい者手帳で1級2級の人です。

    この控除額ですが、相続財産の規模等によっては障がい者本人が使い切ることができないケースがあります。使い切ることができなかった額は「控除未済額」といいますが、この未済額を、その障がい者の「扶養義務者」にあたる者が相続人(や受遺者)のなかにいれば、その扶養義務者の相続税額から控除することが可能です。

    「扶養義務者は誰か」という点については相続税法の一般法にあたる民法の規定に従い、その障がい者の「配偶者、直系血族、兄弟姉妹、(そしてあまりいませんが)3親等内の親族のうち一定の者」があたります。


    障がい者本人の申告の要否について

    ここからが本題です。

    相続税申告にあたって、障がい者控除を適用できる障がい者本人について、障がい者控除で相続税の納税額がゼロになった場合、申告の必要はあるのでしょうか。具体例を出しましょう。
    札幌市在住のAさんが死亡しました。Aさんの相続人は子どもであるBのみ(70歳)であり、課税対象となる相続財産は4000万円です。Bさんは身体障がい者3級という認定を受けており、障がい者手帳を交付されています。
    Bさんは身体障がい者3級であるため、一般障がい者にあたり、150万円(85‐70=15、15×10万円)の控除が認められる立場です。相続財産が4000万円であれば、基礎控除3600万円を加味すると、Bさんの相続税の納税額は40万円になり、150万円の枠を使うことで納税は発生しません(相続税額はゼロになるだけで、さすがに還付にはなりません)。

    このケースにおいて、障がい者控除によって相続税の納税額がゼロになったBさんは、相続税の申告義務はありません。障がい者控除の適用は申告が要件ではなく、相続税額がゼロになったら申告不要と覚えてください。


    障がい者の扶養義務者の申告要否について

    では、障がい者本人ではなく、本人の障がい者控除の残りの枠を使わせてもらった扶養義務者はどのように扱われるでしょうか。

    札幌市在住のAさんが死亡しました。Aさんの相続人は子どもであるB(70歳)とC(65歳)であり、課税対象となる相続財産は5500万円です。Bさんは身体障がい者3級という認定を受けており、障がい者手帳を交付されています。
    Bさんは身体障がい者3級であるため、一般障がい者にあたり、150万円(85‐70=15、15×10万円)の控除が認められる立場です。相続財産が5500万円であれば、基礎控除4200万円を加味すると、BさんとCさんの相続税の総額は130万円です。障がい者本人であるBさんは障がい者控除によって納税は発生しません。また、Bが使い切れなかった障がい者控除の枠については、Bの扶養義務者であるCが使い、Cも相続税額が発生しませんでした。

    このケースにおいては、障がい者本人であるBのみならず、障がい者の扶養義務者にあたるCも相続税の申告は不要になります。障がい者の扶養義務者も、障がい者本人と同様に、障がい者控除の適用によって納税額が発生しなくなった場合は、相続税の申告の必要はないのです。

    相続税の申告の要否は、意外に難しい判断をしなければならない場合があります。少しでも不安を感じたら、相続税を得意とする税理士に相談することをおすすめします。札幌・札幌近郊の方は札幌相続相談所にお気軽にお問い合わせください。


    紛争案件について、未分割申告を行ったケース<解決事例>

    相続税業務に特化している札幌相続相談所には、様々な案件が持ち込まれます。ほとんどのケースは争いのない円満なご家族の相続税申告ですが、法的紛争性のある案件の相続税申告もあります。その場合はどのように申告を行うことになるのか、札幌の相続税専門税理士が解説します。


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    遺産分割が成立しないケース

    札幌相続相談所に持ち込まれた案件として、次のようなケースがありました。

    札幌の甲さんが死亡し、その相続人は長女の乙と二女の丙の二人です。乙と丙は長年交流がないばかりか、幼少期から衝突を繰り返していました。

    甲さんが死亡して発生した相続について、遺産分割を行う必要がありましたが、乙と丙の主張は平行線をたどります。甲の死亡から7か月、8か月が経過して相続税申告の期限が迫りましたが申告期限前に遺産分割が成立しそうにありません。


    札幌相続相談所に相談にお見えになったのは長女の乙さんでした。話し合いがまとまる気配がないことで、憔悴しているように見受けられました。


    遺言の有無調査は必須

    未分割申告を行う前に、遺言書の有無は調べる必要があると言えます。遺言書で「すべての相続財産は〇〇に相続させる」といった記載や「札幌市中央区の土地は長女に、預貯金は二女にそれぞれ相続させる」という記載がある場合、判例理論によるとそれは遺産分割方法の指定といって、遺産分割が終わっていることになるためです。

    遺言の有無の確認の仕方ですが、まずは相続人へのヒアリングを徹底して行うべきです。相続税申告を数多く取り扱ってきた税理士としては、同居の親族は被相続人に近しい相続人がいれば、被相続人はその者に自筆の遺言書を託していることが多くあると感じます。

    ヒアリング以外にも遺言書の有無調査を行うことは可能です。

    相続税の申告と納税が発生する程度の財産のある方々は、司法書士や弁護士などの法律専門職の支援を受け、「公正証書」という形式で遺言書を作成していることが多々あります。公正証書による遺言書は、公証役場において作成されるものであり、自筆の遺言書以上に遺言の効力が強固なものになると言えます。

    平成元年以降に作成された公正証書の遺言書であれば、公証役場のコンピュータ検索によって、遺言書の有無の調査が可能です。コンピュータ検索は全国どこの公証役場でも扱ってくれて、たとえば札幌の公証役場で検索したところ「東京で作成した遺言書があるらしい」ということが分かります。遺言書の存在が分かったあとは、作成した公証役場に問い合わせた上で、その遺言書の謄本(原本の写し)を取り寄せることになります。

    また、2020年(令和2年)7月10日から、全国の法務局で自筆証書の遺言書(手書きの遺言書)を保管してもらえるようになりました。札幌相続相談所が扱った事例においても、何件かこの制度を使って遺言書を保管している方がいました。

    相続が発生した後、相続人は法務局において「遺言書保管事実証明書」の交付請求を行い、法務局で保管されている被相続人の自筆証書の遺言書があるかどうか、確認することが可能です。

    このように、遺言書があるかどうかを調査した上で、遺言書がなかったとなったら「未分割申告」を行うことを検討しなければなりません。


    未分割申告のイメージ

    相続人が複数いて遺産分割が終わっていない未分割申告をどのように行えばよいのか、イメージできるでしょうか。

    簡単に述べると、未分割申告は次のステップで行います。

    1:相続財産を調査し、評価を行って申告書に漏れなく記載する
    2:各人の未分割財産額の計算明細書を作成し、そのなかに相続財産の総額を記載し、(厳密にはそうではないケースもありますが、基本的には)その総額を法定相続分で各相続人に割り付けます
    3:相続税の総額を、各相続人に割り付けられた額に基づいて配分し、その配分額にかかる相続税額を納税します


    未分割申告、もっと詳しく

    未分割申告の相続税申告書の作成方法についてもう少し詳しく解説すると次のとおりです。

    相続税が課される財産は申告書の第11表に記載され、未分割申告といえどもその点は通常の申告と同様です。

    第11表の記載で通常の「分割が成立して行われる申告」と未分割申告が異なるのは第11表の付表の記載です。各付表の右列には「分割が確定した財産」を記載し、各財産の取得者を記載しますが、未分割申告の場合は、「分割が確定した」という状況ではないため、この列の記載はしません。

    また、未分割申告を行うということは、一般的には法的紛争に発展しているケースが多いと言えることから、各相続人が別々に申告書を税務署に提出することが多いといえます。その場合は、申告を行う者以外について、第1表の「参考として記載している場合」の参考にマルをつけて申告することになります。マルをつけた者については、申告を行ったとは扱われないようになります。


    申告期限3年以内の分割見込書は絶対に忘れない

    さらに注意が必要なのは、「申告期限3年以内の分割見込書」を添付することです。

    未分割で申告を行うことになる場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例などの特典を受けることができません。

    それらの特例の適用を後から受けられるように、未分割の申告書と一緒に「申告期限3年以内の分割見込書」を提出するのです。もしこの見込書の提出を忘れてしまうと、後から特例適用ができなくってしまい、相続税額が大きくなってしまうため注意が必要です。