札幌市中央区の当税理士事務所では、相続税申告の無料相談を受け付けています。相続税の申告が必要なのか分からない、相続税の有効な節税対策を教えてほしい、相続税申告を税理士に依頼した場合の費用が知りたい、このようなお悩みがある方は札幌の相続税専門税理士にご相談ください。
相続税の財産評価の時点
相続税申告を行うにあたっては、各種相続財産の評価が必要です。「財産評価基本通達」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。財産の評価については自由に行うことができるわけではなく、財産評価基本通達に従って評価することが求められます。
その財産評価において、「評価の時点」はいつでしょうか。それはズバリ「相続開始日」です。
たとえば札幌市南区のAさんが令和8年2月14日に死亡したとしましょう。その場合、Aさんが有する財産について、令和8年2月14日時点の評価を行うことになるのです。
税理士は被相続人の口座の動きを知りたがる
相続税申告を行う場合、担当する税理士にもよりますが、ほとんど(というかほぼ全員)の税理士が、被相続人の過去数年(たとえば当事務所では最低でも相続開始から遡って7年)の入出金の記録を確認します。
入出金の確認の素材となるものは、過去の期間分の動きの記録がある通帳がある場合は、その通帳をお預かりして行うことになります。
ただ一般的には、過去の繰り越し済みの通帳は廃棄してしまったという方も珍しくありません。また、現代においては、そもそも通帳が発行されていない口座を利用されている方もいます。そのような場合は、銀行で「入出金明細(取引履歴)」の開示請求を行って、通帳の代わりになるものを取り寄せます。
※入出金明細(取引履歴)の開示請求には手数料がかかります。札幌の被相続人の多くが利用している北洋銀行や北海道銀行の場合は、10年分の開示請求を行っても手数料は千円程度ですが、都市銀行などは1か月あたり数百円の手数料を請求する金融機関もあります。1か月あたり数百円を請求されてしまうと、仮に10年分取得すると、なんと数万円の費用がかかってしまうため、昔の通帳があるかどうか、確認するとよいでしょう。
過去の入出金内容を知りたい理由
札幌で相続税の相談を受けている場合に、まれに聞かれるのが次のことです。
相続税評価の時点は相続開始日なのに、なぜ過去のことを知りたがるのですか。
質問の意図はよくわかります。各相続財産について、相続開始日の評価を行うのが税理士の仕事ですから、相続開始日よりも前の取引は相続税の財産評価に何らの影響もないと思ってしまうのでしょう。
しかし、税理士が過去の入出金内容を把握したいのには理由があります。それは、「相続税の課税対象財産の計上漏れを防ぐため」です。
入出金記録の確認を怠って財産が漏れたケース
たとえば次のケースがあるとします。次のケースは、相続税申告の現場では意外と多いケースです。
札幌市南区のAさんが令和8年2月14日に死亡しました。相続人はAさんの子のBさんのみです。Aさんの財産は、札幌市南区の自宅不動産(評価額1500万円)と預貯金(2000万円)のみだとBさんは考え、相続税申告は不要と判断しました。
数年後、管轄の札幌南税務署から問い合わせがあり、Aさんの相続において、申告が必要であるにもかかわらず、無申告なのではないか、という指摘がありました。
札幌南税務署の担当の調査官は、Aさんがメインで使っていた北洋銀行札幌南支店の口座記録を細かく調べていたのです。そして、Aさんが死亡する前に3年以内に、500万円、300万円が出金されていたことを突き止めていました。
上記の札幌市南区のAさんのようなケースはよくあることです。Aさんのケースでは、500万円と300万円が出金され、相続人であるBさんの口座に同日付けで入金されていました。BさんがAさんのお金を預かっていたのですが、相続開始前のこの取引が、まさか相続税申告に影響するなどとはBさんは考えてもいませんでした。
税務署は入出金記録から何を読み取るのか
税務署の調査官は、被相続人の入出金記録を確認し、たとえば次のような事柄がないか確認します。
被相続人の口座から相続人への贈与がなかったか
被相続人の口座から相続人等への貸し付けや預け金がなかったか
多額の出金があって、その出金額相当が他の財産として申告書に計上されている気配がない場合、計上漏れの手許現金(タンス預金)があるのではないか
入出金の記録は嘘をつきません。いつ、いくら引き出したのかが明確に記録されています。そして相続人の口座の入出金の記録と突き合わせて考えることで、被相続人のお金の動きが手に取るようにわかるようになるのです。
税務調査で指摘される前に税理士が財産の計上漏れを防ぐ
税務署が入出金の記録を見て財産の計上漏れを指摘するのであれば、税理士としてはあらかじめ入出金の記録を確認する必要があります。
あらかじめ入出金の記録を確認し、大きな取引について相続人にその取引内容を確認することで、相続人への贈与や相続人にお金を預けている等の事実をつかむことができます。その内容を相続税申告書に反映することで、財産の計上漏れを事前に防ぎ、税務調査で指摘されることをなくすことができます。
札幌・札幌近郊で相続税の申告にお困りの方は、当税理士事務所にお任せください。札幌市中央区にございます当税理士事務所は相続税申告に特化した専門の事務所です。相続税の申告が必要なのか分からない、相続税申告のプロに任せたい、相続税申告の処理の方向性が知りたいなど、札幌の相続税専門の税理士にご相談ください。
同族法人が債務超過、その会社に対する貸付金
札幌で相続税の無料相談に応じていると、様々な相談が寄せられます。そのなかに、「同族法人への貸付金の評価」というご相談がありました。次のケースをご覧ください。
札幌市中央区で会社経営をしていたAが死亡し、その相続人はAの子供であるBです。Aの遺産は自宅不動産や預貯金の他に、自身が経営していた会社(株主はAで、社名は札幌A株式会社といいます)への経営者貸付金1億円がありました。
札幌A株式会社の財政状態はよくなく、いわゆる債務超過です。ただ債務超過といっても、経営者貸付金(会社から見ると経営者であるA個人からの借入金)が貸借対照表を圧迫し、他の銀行借入などと合わせて債務超過に陥っている状態です。
札幌A株式会社は、わずかながら利益は毎期出しています。しかしながら1億円もの経営者A個人からの借入金を返済することはできず、無利子無期限でA個人が会社に貸し付けていた状況のまま、Aが死亡してしまいました。
札幌A株式会社が属する業界は落ち目といえる業界であり、今後札幌A株式会社の業績が拡大して経営を再建することはほとんど現実的といえません。
相続税の申告実務をしていると、札幌に限らず被相続人が会社経営者ということは珍しくありません。一般の会社員や公務員に比べて、会社経営者はやはり富裕層に位置づけられる方が多くいるためです。
問題は貸付金の相続税評価
会社経営者が自らの会社に貸付金を有している状態で死亡した場合に問題となるのは、その貸付金の評価です。
仮に札幌A株式会社の財政状態と経営成績が絶好調であり、債務の支払いに何らの心配もない場合は、A個人の財産として札幌A株式会社に対する貸付金は、相続開始時に未回収の額をそのまま相続税申告に計上すればよいと考えられます。
一方で現実は違います。札幌A株式会社は債務超過状態であり、事業が好転することも不可能な状況に陥っています。A個人が札幌A株式会社に「貸した金を返せ」といったところで1円だって返ってこない状況であり、これはAが死亡した後も状況に変化はありません。
そうなると、A個人の相続財産を評価するなかで、札幌A株式会社への貸付金は「回収不能債権」ということでゼロ円として評価してよいのでしょうか。額面の1億円として評価するのと、ゼロ円で評価するのでは、相続税額にも大きな影響がありますので検討しなければなりません。
財産評価基本通達205
財産評価基本通達には、次のように記載されています。
貸付金債権等の評価を行う場合において、その債権金額の全部又は一部が、課税時期において次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにおいては、それらの金額は元本の価額に算入しない。
上記を読むと、一瞬ですが札幌A株式会社への貸付金は評価ゼロでよいのではないか、と思うかもしれませんがそうではありません。
「次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」の「次に掲げる金額に該当するとき」とは、たとえば次のような場面です。
手形交換所で取引停止処分を受けている
会社更生法や民事再生法で、更生手続・再生手続の開始決定があったとき
破産法の規定によって破産手続開始決定があったとき
など
結局のところ、ほとんど倒産状態でにっちもさっちもいかないとき、でなければ「回収が不可能又は著しく困難」とは認められないのです。札幌A株式会社は利益をわずかですが出せていた状況なので、このような状況には該当しないといえます。
その後会社が本当に消滅したら
札幌A株式会社のような会社は、遅かれ早かれ役目を終え、解散清算を行うことになるでしょう。あるいは業務が行き詰まり、倒産ということも考えられます。
A個人が有していた札幌A株式会社への株式をBが相続し、その後数年のうちに会社が消滅したことをもって、Bは「1億円の会社への貸付金があった」として申告した被相続人Aにかかる相続税申告において支払った相続税額を、後日において取り戻すことはできるのでしょうか。一度払った税金を取り戻す手続のことを「更正の請求」といいますので、更正の請求は認められるのか、ということが問題となります。
基本的には更正の請求は認められないと考えるのが相当でしょう。
なぜなら、会社への貸付金の評価時点はあくまでも「相続開始日」だからです。相続開始日とはAの死亡日であり、Aの死亡日においては、札幌A株式会社は利益を出せていた会社です。その時点では、貸付金の評価としては「回収不能または回収が著しく困難」とは言えなかったわけですから、貸付金を1億円とした評価は間違いではありません。
会社が消滅した、というのは評価時点よりも後の話であって、評価時点の評価には影響を与えないと考えるのが相当でしょう。
しかしながら、この点については、会社の財政状態や経営成績だけでなく、属している業界の傾向なども鑑み、実際の事例では丁寧な検討が必要となります。
札幌市中央区にございます当税理士事務所は、札幌市では数少ない相続税申告に特化した相続税専門の税理士事務所です。相続税申告の仕方が分からない、相続税申告の処理で悩んでいることがある、相続税申告を任せる税理士事務所を探しているといったことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。相続税専門税理士が親身に対応いたします。
相続税申告において、加算しなくてもよい生前贈与がある
相続税申告においては、被相続人からの一定の生前贈与は課税対象財産として加算を(持ち戻しを)しなければならない場面があります。たとえば被相続人が死亡する直前に相続人に対して500万円の贈与をしていたら、その贈与は相続財産に加えて相続税申告をする必要があるのです。
一方で、相続税申告において加算しなくてもよい生前贈与があります。その加算不要の生前贈与のなかに「直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち、非課税の適用を受けた金額」というものがあります。この直系尊属から一括贈与を受けた教育資金の特例について、札幌の相続税専門税理士が解説します。
※直系尊属とは、家系図を書いたときに上に位置する者のことを意味します。たとえば自分から見て父母、祖父母などがその典型です。
直系尊属からの教育費一括贈与の非課税特例の概要
物価高の昨今、多くの人が困っているのが「教育費」の支出です。教育費は年々高騰しているだけでなく、大学進学が一般的になった現代においては、教育費は「不動産」と並ぶほど人生における大きな出費といえます。
そんな教育費に苦しむ現代人の救済制度として誕生したのが「直系尊属からの教育費一括贈与の非課税特例」です。
30歳未満の者が、その直系尊属(祖父母)から教育資金を贈与された場合において、この特例を適用すれば1500万円まで贈与税が非課税となります。
ただ野放しにこの特例の適用を許してしまうと、「これも教育資金です」といって、教育資金を隠れ蓑にした贈与税逃れが蔓延してしまうことを危惧して、この贈与税非課税措置は厳格な要件のもと運用されています。
まず祖父母と孫(孫が未成年であったら孫の親権者)のみの関与で自由にできるわけではありません。方法はいくつかありますが、たとえば書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をし、金融機関で教育資金口座の開設をしなければなりません。そして受贈者が銀行等の金融機関の営業所等に教育資金非課税申告書の提出等をすることが求められています。
たとえば孫が大学に入学するにあたり、入学金が必要となります。そして入学して大学生活を送るためには、大学の学費を支払う必要もあります。
入学金や大学の学費を支払った後、それらの領収書を、教育資金口座を開設した銀行等に提出します。そしてその領収書に基づき、教育資金口座から払い戻しを受けます。
この制度を活用することで、最大で1500万円の教育資金について、贈与税が課されないことになります。
相続税相談で「直系尊属からの教育費一括贈与の非課税特例」の話がでる理由
札幌で相続税の無料相談に対応していると、この教育費一括贈与の非課税特例の話題になることが多くあります。なぜならこの特例の適用を受けて生前贈与がなされたとしても、その生前贈与は「多くの場合は」相続税申告において持ち戻す必要がないものの、実は持ち戻す(相続財産に加算する)必要があるケースもあるためです。
たとえば次のケースに基づいて解説します。
札幌市中央区のAが死亡し、その相続人は子供のBです。Bには子供Cがいますが、CはAの相続人ではありません(Bが生きており、CはAとの間に養子縁組もしていませんでした)。
Aは資産家であり、かねてより可愛がっていたCに教育資金として1500万円を贈与し、教育費一括贈与の非課税特例の適用を受けました。
その後Aは死亡しました。A死亡時、Cは20歳でした。また、教育資金口座に残っていたお金(管理残額)は800万円ありました。Bは相続税申告を行いますが、相続財産に800万円の管理残額を加えて相続税申告を行う必要があるのでしょうか。
遺産規模が5億円に満たないケースなら相続税申告に無関係
管理残額は、次の要件を満たしているのであれば、相続税申告にあたり加算する贈与としては扱われません。
受贈者が贈与者の死亡日において、次のいずれかに該当する場合
23歳未満である場合
学校等に在学している場合
教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合
ただし、次の場合に該当してしまうと、相続財産に加算しなければなりません。
令和5年4月1日以降の一括贈与特例の適用を受けた贈与であり、遺産(正確に述べると課税価格の合計額)の規模が5億円を超える場合
生前対策への活用は要注意
この「教育費一括贈与の非課税特例」は、一般に相続税申告において加算しなくてよいと広く知られています。
しかしながら令和5年4月1日以後の贈与については、「5億円要件」があることには注意が必要です。遺産規模が5億円というと数少ない富裕層ですが、この富裕層については、この特例を使って「贈与税も相続税も回避する」ということは望ましくないとされたのです。
「教育費一括贈与の非課税特例」は、一般に相続税申告において加算しなくてよいと知られているため、有効な生前対策だと思われがちです。しかしながら遺産規模が5億円を超える方については、孫等に行った贈与であっても相続財産に加算しなければならないのですから、生前対策として威力を発揮しないこともあります。
教育費一括贈与の非課税特例を適用した方が亡くなった場合は、お早めに相続税に精通した税理士に相談することをおすすめします。「相続財産に加算しなくてもよい」と思っていても、そうではない場面があるのです。
税務調査で、被相続人の自宅リフォームを指摘されたケース
札幌・札幌近郊で相続税申告をしなければならない方は、お気軽に当税理士にご相談ください。札幌市中央区にございます当税理士事務所は、相続税申告を専門に扱う事務所です。税理士・司法書士のダブルライセンスであなたの相続税申告・相続手続をサポートします。
税務調査で預金の動きを見られ、その使途を聞かれた
札幌で相続税申告の相談を受け付けている当事務所には、様々な相談が寄せられます。その相談のなかで、次のようなご相談がございました。
札幌市厚別区に住んでいたAさんが他界し、その相続人は札幌市東区に住むBです。Bは定年退職していることから時間があり、相続税申告を自分で行いました。自らが作成した申告書を、管轄の札幌東税務署に提出したのでした。
後日相続税の申告に関し、税務調査がありました。調査官は様々な観点からBが行った相続税申告が正しいかどうか確認しました。その確認作業のなかで、調査官が気になったのはAの預金の動きです。Aが死亡する数年前に、Aの預金口座から800万円が出金されており、その行先が相続税申告書に見当たらないのです。800万円がタンス預金として存在していた可能性もあるため、調査官はBにその使途を質問します。するとBは「自宅のリフォームに使いました」と答えました。
このリフォームですが、実は内容によっては相続税申告に反映しなければなりません。反映しなくてよいリフォームもあれば、相続税申告に反映しなければならないリフォームもあるのです。
前提:建物の評価額は固定資産税の評価額
この「リフォーム相続税問題」をご理解いただくにあたって、相続税申告における建物の評価の仕方を理解する必要があります。
相続税申告書に記載する建物の評価額は、「固定資産税評価額」です。札幌市の物件を所有していたら、役所から毎年4月頃に固定資産税の納税通知書が届きます。その通知書のなかに「価格」という記載があり、その価格が固定資産税評価額です。
もし固定資産税の納税通知書を破棄してしまい、評価額が分からない場合は、市税事務所に問い合わせると分かります。具体的には、札幌の市税事務所で、名寄帳や固定資産評価証明書を取得するのです。
これは相続税申告書に反映するべきリフォーム?
リフォームと一口で言っても、その内容と費用は千差万別です。数万円のリフォームもあれば、数千万円にもなるリフォーム工事もあるのです。
「リフォーム相続税問題」を理解するためには、そのリフォームの内容が建物の資産価値を上昇させるものかどうか、という点が非常に重要です。
建物の資産価値に影響を与えない→単なる修繕であり、相続税申告には反映不要
建物の資産価値に影響を与える→資産の価値が上がっているわけなので、何らかの方法でリフォーム費用を相続税申告書に反映する必要がある。
リフォームで資産価値が上がっている場合の相続税申告への反映方法
札幌市厚別区のAさんのリフォーム費用は、800万円でした。800万円というと、単なる修繕を超えたリフォームと言えそうです。
比較的規模の大きなリフォーム工事のうち、本当に大規模な工事の場合は「固定資産評価額の評価替え」が行われている可能性が高いといえます。たとえば札幌市厚別区のAさんが行った工事が建物の増築工事であれば、固定資産評価額がその年度から増額されていることがあります。
建物は固定資産評価額をその評価額とするのでした。もし評価替えがされていたら、固定資産評価額をそのまま建物の評価額とすることは、リフォーム工事によって上昇した建物の価値についても評価していることになります。
一方で、規模が小さいリフォーム工事ではないものの、固定資産税評価額の評価替えがなされるほどの規模ではないという工事もあります。その場合は、固定資産評価額を建物の評価額としたところで、建物の価値が上昇した部分については評価できているとは言えません。
そこで「建物の価値が上昇したものの、固定資産税評価額の評価替えがなされていない」という場合は、次の計算を行い、その額を相続税申告書に反映します。
建物の価値が上昇したものの、固定資産税評価額の評価替えがなされていない場合
計算式は次のとおりです。
(リフォーム工事にかかった費用-償却費)×0.7
償却費については、リフォーム工事にかかった費用に90%を乗じ、経過年数を乗じて、耐用年数で割ります。経過年数については、リフォーム工事の日から相続開始日までの年数で、1年未満の端数が出てしまう場合は切り上げてください。
税務調査は、預金調査に要注意
札幌市厚別区のAさんのケースで、相続人Bさんがリフォーム工事費用を相続税申告書に反映しなかったのは無理もありません。Bさんからすると、リフォーム工事は過去のことであって、「目に見える形でお金があるわけではない」のですから、使ってしまったお金なのに相続税が課税されるわけはないと思ってしまうでしょう。
相続税の税務調査といえば、不動産の評価額をめぐって調査官から指摘を受けることが多いと思いがちですが、もっとも注意が必要なのは預金の取引です。調査官は現場に出向く前に預金の取引のうち、気になる取引を見つけ、その取引内容のヒアリングから、課税対象財産を探ります。
被相続人がリフォーム工事をしていたら、相続税専門の税理士にその扱いを確認してから申告するとよいでしょう。札幌市中央区の当税理士事務所では、相続税申告の初回ご相談は無料で対応しています。
被相続人が、相続人を契約者とする建物更生共済の掛け金を払っていた
相続税申告の相談を札幌でご検討の方は、当事務所にお任せください。札幌市中央区にございます当税理士事務所は、相続税申告を専門に扱う税理士事務所です。相続税申告の具体的な処理が分からない、相続税申告にかかる税理士報酬額が知りたい、相続税申告に慣れた専門の税理士事務所に任せたい、このようなお悩みがある方はお気軽にご相談ください。
建物更生共済とは
札幌で相続税の相談を受け付けていると、被相続人が農協(JAさっぽろなど)とお付き合いがあった、というケースに当たる場面があります。被相続人の家が農家である場合は、ほぼ例外なく農協と取引があります。
農協と取引がある場合は、被相続人が「建物更生共済(通称「たてこう」)」を締結していることが多くあります。建物更生契約は農協が販売するもので、火災や地震などの被害を保障する共済契約であり、多くの方が契約しています。
一般的な損害保険契約と異なることは、次の2点です。
長期契約が可能であること。
契約満了時に満期金の支払いがあること。
被相続人が農協と付き合いがある場合は、被相続人が契約者となっている建物更生契約があるかどうか、確認しなければなりません。もし建物更生契約がある場合は、相続開始時点の解約返戻金相当額が相続財産となるため、相続税申告に反映する必要があるのです。
※解約返戻金相当額を示す書類は、JAさっぽろなどの農協の窓口で発行依頼をすることが可能です。「〇年〇月〇日(相続開始日)時点の解約返戻金額が分かる書類を発行してください」と伝えると発行してもらえます。
被相続人が、相続人名義の建物更生共済の保険料を負担しているケース
次のようなケースはどのように対応すればよいでしょうか。
札幌市東区のAさんは農協(JAさっぽろ)と取引がありました。Aさんの相続人は、札幌市東区で同居していた長男のBです。Aは札幌市東区で農業に従事していましたが、その息子であるBが今後はその事業を引き継ぎます。
Bが事業を引き継ぐことを見据え、Aは生前に、Bの建物を対象として、Bを契約者、Bを共済金受取人とする建物更生共済契約を締結し、その保険料を負担していました。月々の掛金は3万円です。
Aが自ら所有していた札幌市東区の建物を対象として、自らが契約者となる建物更生共済を締結し、その掛金を支払っていた場合、それは「解約返戻金相当額」が相続財産となります。しかしながら本件では、Aは「Bのために」建物更生共済の掛け金を支払っていたのです。この場合、相続税申告においては何らの処理も不要なのでしょうか。
生命保険契約との比較
話は変わるようですが、生命保険契約の場合について検討してみましょう。
札幌で相続税の相談を受け付けていたら、「被相続人が、相続人名義の生命保険契約の保険金を負担している」というケースに数多く出会います。このような生命保険契約があった場合、「生命保険契約に関する権利」として、相続税申告において、相続開始時の解約返戻金相当額を計上しなければなりません(相続税法3条1項)。
一方で、損害保険契約については、このような条文はありません。被相続人が、他人(多くの場合は子)のために損害保険契約を締結し保険料を負担した場合、相続開始時の解約返戻金相当額を相続税申告において計上しなければならない、というルールはないのです。
相続人は経済的利益を受けているため「贈与」
札幌市東区のAさんの話に戻りましょう。AさんはBさんの建物を対象として建物更生共済を締結し、その掛金(月額3万円)を負担していました。この負担について、通常はBが知らないということはなく、Aさんの厚意に甘えていたはずです。このBは、月額3万円の支払いを免れているわけですから、経済的利益が存在するといえます。
このような状況であれば、贈与が成立していると考えることができます。AさんがBさんに、月々3万円を贈与しており、それが贈与税の課税対象になるのです(実際には、Bさんが他に贈与を受けていなければ、年間110万円の範囲内の贈与ですから、贈与税の申告と納税は不要になります)。
相続税申告における処理
上記の事例において、Bさんがなすべき相続税申告においては、「生前贈与加算」が必要になります。
Bさんは生前贈与を受けていたわけですから、被相続人であるAが死亡する3年~7年の贈与について、相続税申告において加算を行い、その分相続税を多く納税しなければなりません。
相続税申告における税務調査は、調査官としては各相続財産の評価間違いを指摘することだけでなく、「課税対象財産の計上漏れ」を指摘するに全力を注ぎます。Bさんが契約者となっている建物更生共済についてもその存在を把握した上で、この共済掛金を誰が支払っているのか、調査の場でヒアリングされることは想定されることです。
相続税専門の税理士は、このようなケースも存在することを念頭に日々の業務に取り組んでいます。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は、お気軽に当税理士事務所にお問い合わせください。相続税専門の税理士が親身に相談に応じます。
無申告加算税・延滞税は、相続税申告で債務控除できる?
札幌市中央区にある当税理士事務所は、相続税申告の専門事務所です。札幌・札幌近郊で相続税申告についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。相続の専門家である当事務所は、税理士・司法書士のダブルライセンスであなたの相続問題に対応します。
被相続人が行うべき申告が期限後申告になったケース
札幌市中央区に住むAさんが令和8年5月10日死亡しました。Aさんは札幌市中央区に不動産を有しており、令和7年11月頃にその不動産を売却し、多額の譲渡益が出ています。
その譲渡益については、通常であれば令和8年の2月3月に確定申告を行い、納税をする必要がありましたが、申告と納税はされておりません。
Aさんの相続人は札幌市在住のBさんであり、無申告状態に気づいたBさんが、Aさんの死後である令和8年8月1日に、Aさんの令和7年分の確定申告を期限後申告という形で行いました。
Bさんが納税したのは、Aさんが札幌市中央区の不動産を売却したことにともなう譲渡所得税のみならず、無申告加算税、そして延滞税です。
Bさんが行うAさんの相続に関する相続税申告において、債務控除が認められるのはこのうちどれでしょう。所得税本体だけなのか、無申告加算税や延滞税についても、債務控除が認められるのでしょうか。
そもそも債務控除できる債務とは
相続税法14条によると、相続税申告で債務控除できる債務とは、14条1項において「確実と認められるものに限る」とされています。
また、14条2項において「控除すべき公租公課の金額は、被相続人の死亡の際債務の確定しているものの金額のほか、被相続人にかかる所得税~中略~その他の公租公課の額で政令で定めるものを含む」とされています。
相続開始時に「確実な債務・確定している債務」が相続税申告で債務控除できる債務ですが、被相続人にかかる所得税も債務控除できるとされていることから、札幌市中央区のAさんのケースでは、譲渡所得税本体については債務控除が認められることになります。
では、無申告加算税と延滞税についてはどのように扱われるでしょうか。
加算税・延滞税は、相続人に責任があったかどうか
加算税・延滞税については、相続人に責任があったかどうかが判断基準となります。つまり札幌市在住の相続人Bさんの責任によらずに生じた加算税・延滞税については、債務控除が認められる、ということです。
Aさんのケースに戻って考えます。
Aさんが死亡したのは令和8年5月です。Aさんは本来、令和7年分の所得を令和8年の2月3月に申告して納税しなければなりませんでした。この2月3月の時点でAさんは存命だったわけですから、申告しなかった(実際は死期が迫っている状況では申告できる状況になかった)ということは、Aさん自身の責任(問題)です。Bさんには、関係のない話です。
この時点で、無申告加算税はAさんの責任によって生じた債務であり、Bさんの責任ではない、といえます。したがって、無申告加算税は、Aさんの相続税申告において債務控除できます。
一方で、延滞税については詳細な検討が必要です。
無申告加算税と異なり、延滞税は「日割り」で生じるものです。Bさんは令和8年8月1日に、Aさんの令和7年分の所得に関して申告と納税をしています。延滞税は、令和8年の確定申告期限から申告・納税時点まで生じている、といえます。
少なくとも確定申告期限から相続開始時点までの延滞税については、Bさんの責任によらずに延滞税が生じているといえます。よって、この期間の延滞税については債務控除が可能と考えられます。
相続開始から申告納税までの期間に生じた延滞税については、(BさんはAさんの死後すみやかに申告納税しているためいささか疑問ですが)Bさんの責任によって生じた延滞税と考えることができてしまいます。ということは、この部分については、相続税申告で債務控除ができない、と考えることができてしまいます。
債務控除の計上には要注意
相続税申告において債務を計上するということは、納税額が小さくなります。
税務調査があった際は、調査官としては「不当に相続税額を圧縮していないか」という視点で調査が行われます。当然ですが、債務控除についても「計上すべきでない債務が計上されていないか」という視点で調査されることになります。
相続税申告においては、ひとつひとつの債務について、計上できるかどうか詳細な検討が必要です。相続税申告に慣れていない相続人がこの判断を適切に行うことは難しいといえます。債務控除で判断に迷う状態にあるのであれば、相続税申告を専門に扱う当事務所にご相談・ご依頼ください。
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