相続税の節税方法
相続税のご相談に応じていると、ご相続人の誰もが「相続税額を低くおさえたい、つまり節税したい」と言われます。相続税の負担は人によっては非常に重く、さらに相続税はもともと二重課税との批判もあることから、なるべくなら1円でも相続税額をおさえたいと考えるのは自然なことです。相続税の節税というと、「小規模宅地等の特例」の適用や「配偶者の税額軽減」の適用などで、大きく相続税額をおさえることができることが知られています。
一方で、最後の最後におこなうべき、小さな(と言っても大切なお金を守るために有効な)「節税方法」があります。それは「按分割合」を用いた相続税の節税方法です。
按分割合とは
按分割合とは、相続税の総額を相続人間で割り振るために使う割合のことを意味します。相続税の計算においては、まずは「相続税の総額」を求めます。相続税の総額は、相続人全員で支払うべき相続税額のトータルだと理解するとよいでしょう。
※具体的には、基礎控除を超えて課税される遺産総額を各相続人が法定相続分でそれぞれ取得したと仮定し、各相続人のその仮定取得金額に、相続税の速算表に基づいて相続税の税率を乗じます。そしてその結果出た金額の合計が、相続税の総額になるのです。
相続税の総額は相続人全員で支払うべき相続税のトータル金額ですので、今度は、どの相続人が、いくらの相続税を支払うことになるのかを計算しなければなりません。その計算で使用するのが、「按分割合」です。
按分割合は、「課税価格の合計額」を「各人の課税価格」で除して求めます。つまりは各相続人の財産の取得割合のことだと考えるとよいでしょう。財産の取得割合に応じて、相続税も各人に配分するのが公平だと考えるのです。具体的には、次のような形で各人の相続税額を算出するのです。
たとえば札幌市中央区のAさんが死亡し、Aさんの相続人がその子であるBとCの二人だと考えましょう。相続税の総額は1000万円であり、BとCの財産の取得割合(つまり按分割合)は0.62(62%)と0.38(38%)でした。するとBさんは1000万円のうち620円(100円未満切り捨て)を、Cさんは38万円(100円未満切り捨て)を負担することになるのです。合計で、1000万円の納税です。
按分割合の端数の決め方で節税になる
ところで按分割合の計算式においては、必ずといっていいほど端数が生じます。「課税価格の合計額」を「各人の課税価格」で除して求めることから、端数が出ないことの方が稀です。この端数ですが、小数点以下第2位未満の端数を相続人間の合意で調整してしまうことが可能です(合計が1になることが必要です)。
この按分割合を、小数点以下第11桁まで計算し、10桁未満の端数を合意で調整してみるとどうでしょう。先ほどの札幌市中央区のAさんのケースであれば、たとえばBさんの按分割合が0.6158764786、Cさんの按分割合が0.3841235214だとします。
すると1000万円のうち6,158,700円(100円未満切り捨て)、Bさんの負担額は3,841,200円(100円未満切り捨て)になり、合計で9,999,900円となります。
つまり、按分割合を調整することで、公平な課税が実現できるだけでなく、(非常に少額ではありますが)節税することも可能なのです。
札幌で相続税申告を専門に扱う当事務所では、基本的には按分割合は10桁にして相続税額を計算しています。こうすることで100円の節税につながることと、各ご相続人間で公平な税負担を実現することができるためです。




