生命保険金で代償金を支払う「代償分割をしたい」という相談
相続税申告について札幌でご相談したい方は、相続税専門の当税理士事務所にお任せください。税理士・司法書士のダブルライセンスで、あなたの相続税申告を徹底サポートいたします。相続税申告の初回ご相談は無料です。
生命保険金が多額で、他の相続人にも分けたいというケース
札幌で相続税申告の相談を数多く受けているなかで、次のようなご相談がありました。
札幌市手稲区のAさんが死亡し、相続人になったのは子供であるBさんとCさんです。AさんはBさんを受取人として、9000万円の生命保険契約を締結していました。9000万円以外にAさんの財産は、預貯金1000万円のみです。
預貯金1000万円については、Cさんが相続することになりました。また、生命保険で多額のお金を手にしたBさんは、Cさんに4000万円を渡したいと考えています。
BさんがCさんに4000万円を渡す行為について、どのような課税関係が生じるでしょうか。相続税の問題だけで済むのか、札幌の相続税専門税理士が解説します。
生命保険の扱いと代償分割
札幌市手稲区のAさんの事例を検討する前に、生命保険金の扱いと代償分割について簡単に解説します。
生命保険について
相続税の対象になる相続財産は、原則として民法上の相続財産といえるものです。たとえば被相続人が有していた預貯金や不動産、自動車や有価証券などの財産です。
一方で、生命保険金は預貯金等の財産とは性質が異なるものです。生命保険は被相続人が保険会社と契約して保険料を払い込み、相続人を受取人にする形が一般的です。被相続人を被保険者にしておくと、被相続人が死亡したことにともなって保険契約によって生命保険金が、(被相続人からではなく)保険会社から受取人に支払われます。
このように生命保険金は保険会社から支払われるものであり、本来的な相続財産には該当しません。しかし相続財産ではないために相続税申告に反映しなくてよいのであれば、相続税の課税逃れのために、不必要な生命保険契約を締結する人が続出してしまいます。
相続税の課税逃れを防ぐべく、生命保険金は「みなし相続財産」と扱われ、相続税の課税対象に組み込まれます(実際には一定の非課税枠がありますが)。
代償分割について
代償分割とは遺産分割の一種であり、相続財産を取得した相続人が、他の相続人に対して、「代償金」を支払うという遺産の分け方です。たとえば相続人が二人いて、遺産が不動産しかない場合に、不動産を取得した者が他の相続人に対して不動産価額の2分の1に相当するお金を渡すのです。このお金については、あくまで「遺産の分割」の過程で渡されたものであるため、(原則として)贈与税が課税されることはありません。相続税の問題として処理することが可能なのです。
代償分割はあくまで「遺産分割」の一種である
代償分割は遺産分割の一つの形態に過ぎないという点には注意が必要です。
札幌市手稲区のAさんのケースでは、Aさんの相続財産は預貯金1000万円とみなし相続財産の生命保険金9000万円です。
注目すべきは、生命保険はあくまでも「みなし」相続財産であり、本来の(民法上の)相続財産ではない、という点です。生命保険金は事前に受取人が契約で定まっており、預貯金や不動産のように、遺産分割の対象ではないのです。Aさんのケースでは、遺産分割の対象となるのは預貯金1000万円のみだということです。
遺産分割の際にBが財産を多く取得し、その代わりにCにお金を支払う、という行為であれば代償分割として、相続税の問題として処理され、贈与税の課税は原則として問題になりませんでした。しかしAさんの事例では、Bは遺産分割では何も取得していないにも関わらず、Cに生命保険で得た自分自身のお金を渡しているのです。
贈与税の問題として処理
結局のところBからCへ支払われたお金については、贈与税の問題として処理しなければなりません。
贈与税の対象になるということは、多額の納税が生じます。一般的に相続税よりも贈与の方が税負担として重いため、相続税の申告と納税のみで整理できると判断したBとCは、予想外の税負担を背負うことになります。
贈与税は相続税の補完税ともいわれ、相続税の問題を検討する際に贈与の問題に発展することはよくあることです。相続税のみで解決できると判断した結果、多額の贈与税の支払いが生じてしまうことを防ぐためにも、相続税申告は専門家に相談しましょう。
被相続人が、相続人を契約者とする建物更生共済の掛け金を払っていた
相続税申告の相談を札幌でご検討の方は、当事務所にお任せください。札幌市中央区にございます当税理士事務所は、相続税申告を専門に扱う税理士事務所です。相続税申告の具体的な処理が分からない、相続税申告にかかる税理士報酬額が知りたい、相続税申告に慣れた専門の税理士事務所に任せたい、このようなお悩みがある方はお気軽にご相談ください。
建物更生共済とは
札幌で相続税の相談を受け付けていると、被相続人が農協(JAさっぽろなど)とお付き合いがあった、というケースに当たる場面があります。被相続人の家が農家である場合は、ほぼ例外なく農協と取引があります。
農協と取引がある場合は、被相続人が「建物更生共済(通称「たてこう」)」を締結していることが多くあります。建物更生契約は農協が販売するもので、火災や地震などの被害を保障する共済契約であり、多くの方が契約しています。
一般的な損害保険契約と異なることは、次の2点です。
長期契約が可能であること。
契約満了時に満期金の支払いがあること。
被相続人が農協と付き合いがある場合は、被相続人が契約者となっている建物更生契約があるかどうか、確認しなければなりません。もし建物更生契約がある場合は、相続開始時点の解約返戻金相当額が相続財産となるため、相続税申告に反映する必要があるのです。
※解約返戻金相当額を示す書類は、JAさっぽろなどの農協の窓口で発行依頼をすることが可能です。「〇年〇月〇日(相続開始日)時点の解約返戻金額が分かる書類を発行してください」と伝えると発行してもらえます。
被相続人が、相続人名義の建物更生共済の保険料を負担しているケース
次のようなケースはどのように対応すればよいでしょうか。
札幌市東区のAさんは農協(JAさっぽろ)と取引がありました。Aさんの相続人は、札幌市東区で同居していた長男のBです。Aは札幌市東区で農業に従事していましたが、その息子であるBが今後はその事業を引き継ぎます。
Bが事業を引き継ぐことを見据え、Aは生前に、Bの建物を対象として、Bを契約者、Bを共済金受取人とする建物更生共済契約を締結し、その保険料を負担していました。月々の掛金は3万円です。
Aが自ら所有していた札幌市東区の建物を対象として、自らが契約者となる建物更生共済を締結し、その掛金を支払っていた場合、それは「解約返戻金相当額」が相続財産となります。しかしながら本件では、Aは「Bのために」建物更生共済の掛け金を支払っていたのです。この場合、相続税申告においては何らの処理も不要なのでしょうか。
生命保険契約との比較
話は変わるようですが、生命保険契約の場合について検討してみましょう。
札幌で相続税の相談を受け付けていたら、「被相続人が、相続人名義の生命保険契約の保険金を負担している」というケースに数多く出会います。このような生命保険契約があった場合、「生命保険契約に関する権利」として、相続税申告において、相続開始時の解約返戻金相当額を計上しなければなりません(相続税法3条1項)。
一方で、損害保険契約については、このような条文はありません。被相続人が、他人(多くの場合は子)のために損害保険契約を締結し保険料を負担した場合、相続開始時の解約返戻金相当額を相続税申告において計上しなければならない、というルールはないのです。
相続人は経済的利益を受けているため「贈与」
札幌市東区のAさんの話に戻りましょう。AさんはBさんの建物を対象として建物更生共済を締結し、その掛金(月額3万円)を負担していました。この負担について、通常はBが知らないということはなく、Aさんの厚意に甘えていたはずです。このBは、月額3万円の支払いを免れているわけですから、経済的利益が存在するといえます。
このような状況であれば、贈与が成立していると考えることができます。AさんがBさんに、月々3万円を贈与しており、それが贈与税の課税対象になるのです(実際には、Bさんが他に贈与を受けていなければ、年間110万円の範囲内の贈与ですから、贈与税の申告と納税は不要になります)。
相続税申告における処理
上記の事例において、Bさんがなすべき相続税申告においては、「生前贈与加算」が必要になります。
Bさんは生前贈与を受けていたわけですから、被相続人であるAが死亡する3年~7年の贈与について、相続税申告において加算を行い、その分相続税を多く納税しなければなりません。
相続税申告における税務調査は、調査官としては各相続財産の評価間違いを指摘することだけでなく、「課税対象財産の計上漏れ」を指摘するに全力を注ぎます。Bさんが契約者となっている建物更生共済についてもその存在を把握した上で、この共済掛金を誰が支払っているのか、調査の場でヒアリングされることは想定されることです。
相続税専門の税理士は、このようなケースも存在することを念頭に日々の業務に取り組んでいます。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は、お気軽に当税理士事務所にお問い合わせください。相続税専門の税理士が親身に相談に応じます。
相続開始時に障がい者手帳がない場合でも障がい者控除は適用できる?
相続税申告に特化した税理士事務所をお探しの方は、札幌市中央区の当税理士にお気軽にご相談ください。当税理士事務所は創業当初から相続税申告業務を専門としています。また、当税理士事務所の代表は司法書士資格を有する者であり、相続税申告以外の相続手続についてもご相談いただけます。
障がい者控除によって相続税がゼロ円に
相続人が85歳未満の障がい者である場合、相続税額が減額され、場合によっては相続税の納税額がゼロ円になることがあります。
障がい者控除が認められるのは、次の要件を満たした者です。札幌で相続税申告の相談に応じていると、意外と要件を満たす方が多くいらっしゃいます。ご自身も要件を満たしているかどうか、必ず確認してください。
相続などで遺産を取得したときに日本国内に住所がある
相続などで遺産を取得したときに障がい者であること
相続などで財産を取得した人が法定相続人の地位を有していること
障がい者は「一般障がい者」と「特別障がい者」に分けられます。一般障がい者に該当すれば、満85歳になるまでの年数×10万円が、特別障がい者に該当すれば満85歳になるまでの年数×20万円が納税額から控除されます。たとえば現時点で50歳の方は、満85歳になるまで35年あるため、一般障がい者であれば350万円(1年あたり10万円で35年分)が、特別障がい者であれば700万円(1年あたり20万円で35年分)が控除されます。非常に大きな節税効果を有するのが、この障がい者控除なのです。
障がい者控除、たとえば
札幌で相続税申告の相談に対応していると、様々な障がいを抱えている方々に出会います。そのなかで複数回取り扱ったことがあるのは、ペースメーカーを入れている方の相続税申告です。
ペースメーカーを入れている方は障がい者手帳を持っていることが多く、それぞれの状態に応じて、1級、3級又は4級の認定がなされています。
相続税申告の際に添付して提出する書類
障がい者控除は誰でも受けられる控除ではないため、その適用を受けるときは適用要件を満たしていることを相続税申告を管轄する税務署に伝える必要があります。
たとえば障がい者手帳の写しを相続税の申告書と一緒に税務署に提出します。障がい者手帳の写しを見れば、(一般的には)相続開始の日より前に障がい者として認定されていることが読み取ることができます。これによって「相続などで遺産を取得したときに障がい者であること」という要件を満たしていると税務署に分かってもらえます。
相続開始時には手帳の交付を受けていなかったら
問題になるのは、相続の開始時には障がい者手帳の交付を受けていなかった、というケースです。札幌で相続税申告の相談に対応していると、このケースに何度か当たったことがあります。
たとえば札幌市東区のAさんが死亡したのは令和8年5月1日です。その相続人はBさんであり、Bさんはずっと身体に不調を抱えていたため、障がい者手帳の交付申請を行い、その交付がされたのが令和8年8月10日でした。
上記のBさんのケースで障がい者控除の適用が否定されると、それは非常に酷です。なぜなら相続開始のタイミングは、まったく予見できないこともあるためです。札幌市東区のAさんが死亡したのは不慮の事故による突然のことで、令和8年5月1日にAが死亡するなど、まったく予想できなかった、という状況だって当然ながらあるのです。
障がい者手帳の交付が相続開始より後でも控除の適用を可とする通達
上記の相続人Bさんのような方を救済するべく、相続税法基本通達19の4-3では、次のように定められています。
相続開始の時において、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けていない者、身体障害者手帳の交付を受けていない者~中略~であっても、次に掲げる要件のいずれにも該当する者は、~中略~一般障害者又~中略~特別障害者に該当するものとして取り扱うものとする。
(1) ~略~申告書を提出する時において、これらの手帳の交付を受けていること又はこれらの手帳の交付を申請中であること。
(2) 交付を受けているこれらの手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けるための精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則~中略~に規定する医師の診断書~中略~、相続開始の時の現況において、明らかにこれらの手帳に記載される程度の障害があると認められる者であること。
もっと分かりやすくまとめると、次のとおりです。
相続税申告書の提出のときまでに手帳の交付を受けている又は申請している
手帳交付の際に必要になる意思の診断書によって、相続開始の時点で明らかに手帳に記載されている程度の障がいがあると認められる
この二つの要件が備わっているのであれば、相続開始時に障がい者手帳がなかったとしても、障がい者控除の適用を受けることができます。
札幌の当税理士事務所は、相続税申告を専門に扱う税理士事務所です。相続税の税額を許される範囲で圧縮したい、相続税申告は難しくて自分では対応できない、相続税申告は専門家にいっさいを任せてしまいたい、という方はお気軽にご相談ください。相続税専門税理士が、札幌を中心として、お困りのご相続人の力になります。
遺言書の内容に納得できない
札幌で相続税の相談に対応していると、遺言書があるというケースに多く接します。被相続人が生前に、公正証書や自筆証書の形式で、自らの意思を記していることがあるのです。
相続税の相談に応じていると、たとえば次のようなケースがあります。
札幌市清田区のAの相続人は、Aの子供であるBとCの二人です。Aは遺言書で、Aが死亡した際は、Aが有する札幌市清田区の土地、北洋銀行札幌西支店の銀行口座にある預金、北海道銀行札幌駅支店にある銀行口座にある預金を含むいっさいの財産をBに与える、という趣旨の遺言書を作成していました。
BとCの間には争いはなく、今後も良好な関係を継続したいと考えたBとCは、遺言書の内容を知りつつも、Aの遺産をBとCの話し合いで分けたい(つまり遺産分割協議で分けたい)と考えていました。有効な遺言書がある場合においても、その遺言書と異なる内容の遺産分割協議は可能なのでしょうか。
遺言書と異なる遺産分割協議は可能
結論を述べると、遺言書と異なる遺産分割協議を行うことは可能です。BとCが話し合って、Aの遺産の一部をCも相続することもできるのです。
ただしそれには一定の条件があります。
相続人全員が、遺言書の存在と内容を把握していること
相続人以外の受遺者がいる場合、その受遺者が同意していること
遺言者が遺言と異なる遺産分割を禁じていないこと
遺言執行者がいる場合、その遺言執行者が同意していること
上記のうち、実務上あまり問題とならない条件は3でしょう。遺言者は、遺言で遺産分割を禁ずる定めを盛り込むことが可能です(民法908条)。しかし相続税の実務上は、遺言書で遺産分割を禁じている内容の遺言書というのは、そもそも見かけることはほとんどありません。
上記3以外の要件についても、以下において札幌の相続税専門税理士が解説しましょう。
相続人の全員が遺言書の存在と内容を知っていること
遺言書と異なる遺産分割協議を行うのであれば、相続人の全員がその遺言書の存在と内容を知った上で行う必要があるといえます。
次のようなケースには要注意です。
遺言書ですべての財産は長男に与えるとされているにもかかわらず、二男が遺言書の存在と内容を隠して遺産分割協議を行って財産を相続する。
二男からすると「バレない」とでも思っているのでしょうが、遺言書の「隠匿」にあたる行為を行うことは、相続欠格事由に該当し、相続人としての地位を失ってしまうことになります(民法第891条)。
どのような行為が「隠匿」にあたるかは個々のケースによって異なりますが、遺言書があるにもかかわらずその存在を相続人間で共有しなければ、遺言書があると後日知られた場合には、相続人間で法的トラブルに発展することは目に見えています。
遺言書があるのであれば、まずはその存在と内容を相続人全員に開示した上で遺産分割協議を行うことを心がけましょう。
受遺者がいるなら、受遺者の同意も必要
相続人以外に受遺者がいるのであれば、遺言と異なる遺産分割協議を行うことは、その受遺者の同意も必須といえます。遺言と異なる遺産分割協議を行うということは、受遺者の権利を奪ってしまうことになるため、当然といえば当然です。
受遺者の同意というのは、遺贈を放棄してもらうことを意味します。
特定遺贈の場合
たとえば「札幌市南区の土地は〇〇に遺贈する」とされている遺言がある場合、それは特定遺贈です(遺贈の対象物が特定されています)。
特定遺贈を放棄したい場合は、相続人(及び遺言執行者)に放棄したい旨を伝えることで、遺贈の放棄が可能です。相続税の実務に携わる立場で言うと、後日のトラブルを回避するために、内容証明郵便で伝えることが得策だといえます。
包括遺贈の場合
たとえば「私の財産の3分の1を〇〇に遺贈する」というように、一定割合を示して遺贈するのが包括遺贈です。
包括遺贈を受けた人は、ある意味において相続人と同じ立場だといえます。そのため、包括遺贈の放棄は相続の放棄と同様に、自己のために相続の開始があったことを知った日から3か月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所(被相続人が札幌市内に住んでいた人なら札幌家庭裁判所)に、申述書を提出する形で行います。
遺言執行者がいる場合、その遺言執行者が同意していること
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する権利と義務を負う者であり、遺言書の内容を実現すべく、具体的な手続きを行う者を意味します。たとえば遺言書で「札幌市北区の土地は長男に~」とされていたら札幌市北区の土地の名義変更を行います。遺言書で「北洋銀行札幌西支店の預金口座は払い戻して二男に~」とされていたら、銀行に出向いて口座の解約払い戻しを行い、払戻金を二男に引き渡します。
民法第1013条によると、「遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない」と定められています。つまり遺言執行者がいるにもかかわらず、遺言の内容と存在を無視して相続人間で遺産を相続して処分してしまうような行為は認められない、ということです。
遺言書とは異なる内容の遺産分割協議ができるか否かについて「遺言執行者がいる場合、その遺言執行者が同意していること」という要件を軽視する考えも世の中にはないわけではありません。しかしながら当税理士事務所は相続税の専門事務所であり、相続の専門家を自負している以上は民法第1013条の趣旨は尊重されるべきだと考えています。
遺言と異なる遺産分割協議は、原則として「贈与」にならないが要注意
以上の要件を満たすことで、遺言と異なる遺産分割協議を行うことは可能です。
そして遺言と異なる内容の遺産分割協議に基づいて相続税申告を行った場合、原則として贈与税の課税の心配もありません。たとえば札幌市在住の甲さんが遺言書で、「札幌市厚別区の土地と札幌市清田区の土地は長男に~」という遺言書があるにもかかわらず、相続人間の遺産分割協議において「札幌市清田区の土地は長女の取得としよう」と話し合った場合、その札幌市清田区の土地を長男がいったん相続し、長女に贈与したとは(原則として)扱われません。
被相続人から長男に札幌市厚別区の土地が、長女に札幌市清田区の土地がそれぞれ移転し、その内容の相続税申告と相続税の納税をすれば問題になることはないのです。
ただし注意しなければいけないこともあります。
長男と長女が遺言書の内容で相続税申告を行った後に「やはり札幌市清田区の土地は長女が相続することにしよう」としたところで、それは相続が終わった後の「贈与」の問題と解され、贈与税が課税される可能性があります。
また、遺言書に基づいて長男名義に札幌市清田区の土地の名義変更が行われている場合についても、後日「清田の土地は長女が相続したことにしよう」といったとしたら、やはり相続の後の贈与の問題として処理されてしまう可能性があります。
遺言書と異なる遺産分割協議を行う場合は、慎重な判断が必要になるケースもあります。不安を感じる場合は、お早めに相続税申告を専門に扱う税理士に相談することをおすすめします。
相続放棄があった場合の基礎控除額と生命保険の非課税枠
札幌市中央区にある当税理士事務所は、相続税申告の専門事務所です。相続税申告が必要かどうかわからない、相続税申告の仕方が分からない、相続税申告の判断で迷うことがある、という相続人の方は、お気軽に相続税専門の当税理士事務所にご相談ください。
相続人のなかに相続放棄をした者がいるケース
札幌市北区のAさんが亡くなり、その相続人はAさんの子であるB(札幌市東区在住)、C(札幌市南区在住)及びD(東京都在住)の三人です。
Aさんの財産は札幌市北区の自宅不動産を含めて、遺産総額はおよそ4500万円です。
相続人のなかのDさんは東京都在住であり、Aの生前においてはAとやや疎遠になっていたことから、札幌の「家庭裁判所で」相続放棄の申述を行い、受理されています。
このAさんのケースにおいて、相続税の申告は必要になるのでしょうか。当初Aさんの相続人は三人であり、基礎控除は4800万円でしたが、Dさんが札幌家庭裁判所で相続放棄をしていることから、相続人は事後的に二人になり、基礎控除額は4200万円まで下がるという考えもできるでしょう。この判断について、札幌の相続税専門の税理士が解説します。
そもそも相続放棄とは
相続放棄とは、家庭裁判所(被相続人の最後の住所地の家庭裁判所)で行うものであり、その申述が受理されると、相続人は「はじめから相続人ではなかった」という扱いを受けることになります。
相続人が一度得た相続権を事後的に失う、ということではありません。「はじめから相続人でなかった」という扱いにため、AさんのケースであればDはもともと相続関係において存在しないことになるのです。
この結果、Aさんの相続人は初めから札幌市に住むBとCの二人のみ、と考えるのが民法の原則的な立場です。
このような民法の立場からは、Aさんの相続における相続税法上の基礎控除額は4200万円となりそうです。
(注)「相続放棄」というと、家庭裁判所を通さずに行うこともあると思われがちです。相続人のなかの特定の者が「私は遺産は何も要りません」という立場の場合は、その者は「相続放棄した」と言われます。しかし、これは「遺産分割において、遺産について何ら取得しなかった」という状態を意味するに過ぎません。本記事で相続税専門税理士が解説している「相続放棄」とは、根本的に異なることをご理解ください。
相続放棄をした者がいた場合でも、基礎控除額は不変
結論を述べると、札幌市北区のAさんをめぐる相続においては、基礎控除額は4800万円(3000万円+600万円×3人)です。相続人のなかに相続放棄をした者がいる場合でも、基礎控除額は相続放棄がなかったものとした法定相続人の数で算定されます。簡単にいうと、「相続放棄を無視して基礎控除額を計算する」ということです。
なぜ相続放棄を無視して基礎控除額を算定するのかというと、相続放棄を加味して基礎控除額を計算すると、相続人側の都合で基礎控除額を変更でき、納税額を大きく変動させることができてしまうためです。
札幌市北区のAさんのケースでは相続人の数が3人から2人に変わっただけですが、たとえば次のようなケースがあるとしましょう。
札幌市中央区のXさんが死亡し、その相続人(第一順位)は子供のYのみでした。Yは家庭裁判所で相続放棄をしました。結果、相続権は第三順位の相続人に移り、第三順位の相続人(Xの兄弟姉妹や甥姪)は10名いました。
このケースで仮に相続放棄の効果を加味して基礎控除額を計算すると、第一順位の者が相続人だったときは、基礎控除額は3600万円(3000万円+600万円×1名)だったものの、第三順位の者が相続人になったときは、基礎控除額は9000万円(3000万円+600万円×10名)となってしまいます。つまり相続人側の行為によって、意図的に相続税額を変動させることができてしまうのです。
結局のところ、札幌市北区のAさんのケースでは、基礎控除額は相続放棄の効果は無視して算定されます。
相続放棄と生命保険の非課税枠の関係
相続人側の都合によって相続税額が変動することはおかしいという発想によると、相続放棄と生命保険の非課税枠の関係についても理解することが可能です。
生命保険の非課税枠というと、被相続人の死亡によって受け取った生命保険金については、「法定相続人の数×500万円」が非課税と扱われる制度です。札幌の相続税申告においても、多くのケースでこの非課税枠を適用しています。
この生命保険の非課税枠を計算する際においても、相続放棄の効果は無視します。つまり札幌のAさんの相続税申告においては、生命保険の非課税枠は1500万円(500万円×3名)となるのです。
生命保険、非課税限度額の適用については要注意
生命保険の非課税については、注意しなければならないことがあります。
それは非課税限度額の適用についてです。
実際の相続税申告においては、生命保険の非課税枠の全体を算出した上で、その枠を誰がどの程度使うのか、という流れで計算を進めます。
生命保険の非課税枠全体については、前述のとおり相続放棄の効果は無視して算定しますが、実際の適用の段階になると、その適用を受けることができるのは「相続人」です。
もし札幌家庭裁判所で相続放棄をしたDさんが生命保険の受取人になっていた場合、Dさんについては非課税限度額の適用はなく、受け取った額がそのまま課税財産となる点には注意が必要です。
相続放棄をした者がいる場合、相続税申告は非常に複雑になります。判断に迷うことがあれば、札幌の相続税専門税理士に相談してください。
無申告加算税・延滞税は、相続税申告で債務控除できる?
札幌市中央区にある当税理士事務所は、相続税申告の専門事務所です。札幌・札幌近郊で相続税申告についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。相続の専門家である当事務所は、税理士・司法書士のダブルライセンスであなたの相続問題に対応します。
被相続人が行うべき申告が期限後申告になったケース
札幌市中央区に住むAさんが令和8年5月10日死亡しました。Aさんは札幌市中央区に不動産を有しており、令和7年11月頃にその不動産を売却し、多額の譲渡益が出ています。
その譲渡益については、通常であれば令和8年の2月3月に確定申告を行い、納税をする必要がありましたが、申告と納税はされておりません。
Aさんの相続人は札幌市在住のBさんであり、無申告状態に気づいたBさんが、Aさんの死後である令和8年8月1日に、Aさんの令和7年分の確定申告を期限後申告という形で行いました。
Bさんが納税したのは、Aさんが札幌市中央区の不動産を売却したことにともなう譲渡所得税のみならず、無申告加算税、そして延滞税です。
Bさんが行うAさんの相続に関する相続税申告において、債務控除が認められるのはこのうちどれでしょう。所得税本体だけなのか、無申告加算税や延滞税についても、債務控除が認められるのでしょうか。
そもそも債務控除できる債務とは
相続税法14条によると、相続税申告で債務控除できる債務とは、14条1項において「確実と認められるものに限る」とされています。
また、14条2項において「控除すべき公租公課の金額は、被相続人の死亡の際債務の確定しているものの金額のほか、被相続人にかかる所得税~中略~その他の公租公課の額で政令で定めるものを含む」とされています。
相続開始時に「確実な債務・確定している債務」が相続税申告で債務控除できる債務ですが、被相続人にかかる所得税も債務控除できるとされていることから、札幌市中央区のAさんのケースでは、譲渡所得税本体については債務控除が認められることになります。
では、無申告加算税と延滞税についてはどのように扱われるでしょうか。
加算税・延滞税は、相続人に責任があったかどうか
加算税・延滞税については、相続人に責任があったかどうかが判断基準となります。つまり札幌市在住の相続人Bさんの責任によらずに生じた加算税・延滞税については、債務控除が認められる、ということです。
Aさんのケースに戻って考えます。
Aさんが死亡したのは令和8年5月です。Aさんは本来、令和7年分の所得を令和8年の2月3月に申告して納税しなければなりませんでした。この2月3月の時点でAさんは存命だったわけですから、申告しなかった(実際は死期が迫っている状況では申告できる状況になかった)ということは、Aさん自身の責任(問題)です。Bさんには、関係のない話です。
この時点で、無申告加算税はAさんの責任によって生じた債務であり、Bさんの責任ではない、といえます。したがって、無申告加算税は、Aさんの相続税申告において債務控除できます。
一方で、延滞税については詳細な検討が必要です。
無申告加算税と異なり、延滞税は「日割り」で生じるものです。Bさんは令和8年8月1日に、Aさんの令和7年分の所得に関して申告と納税をしています。延滞税は、令和8年の確定申告期限から申告・納税時点まで生じている、といえます。
少なくとも確定申告期限から相続開始時点までの延滞税については、Bさんの責任によらずに延滞税が生じているといえます。よって、この期間の延滞税については債務控除が可能と考えられます。
相続開始から申告納税までの期間に生じた延滞税については、(BさんはAさんの死後すみやかに申告納税しているためいささか疑問ですが)Bさんの責任によって生じた延滞税と考えることができてしまいます。ということは、この部分については、相続税申告で債務控除ができない、と考えることができてしまいます。
債務控除の計上には要注意
相続税申告において債務を計上するということは、納税額が小さくなります。
税務調査があった際は、調査官としては「不当に相続税額を圧縮していないか」という視点で調査が行われます。当然ですが、債務控除についても「計上すべきでない債務が計上されていないか」という視点で調査されることになります。
相続税申告においては、ひとつひとつの債務について、計上できるかどうか詳細な検討が必要です。相続税申告に慣れていない相続人がこの判断を適切に行うことは難しいといえます。債務控除で判断に迷う状態にあるのであれば、相続税申告を専門に扱う当事務所にご相談・ご依頼ください。
札幌で相続税申告を含む相続手続を行う相続税専門税理士事務所です。当事務所では、相続税申告だけでなく、不動産名義変更、相続預金の払い戻し、相続した株等の金融資産の移管手続きなど、あらゆる相続手続を取り扱っています。相続税申告の必要がある方は、お気軽にご相談ください。。札幌の相続税専門税理士が対応いたします。
相続税の申告書は、どこに提出する?
相続税の申告書は、故人(被相続人)の最後の住所地を管轄する税務署に提出しなければなりません。
たとえば札幌市西区のAさんが死亡し、その相続人が札幌市北区在住のBと札幌市清田区在住のCであった場合、Aさんの相続に関する相続税申告書は、Aさんの住所地(札幌市西区)を管轄する「札幌西税務署」に提出する必要があるのです
札幌の税務署は5箇所
札幌にある税務署は次のとおりです。
・札幌北税務署(札幌市北区北31条西7丁目3番1号)
札幌市北区、札幌市東区、石狩市、石狩郡を管轄しています。
・札幌東税務署(札幌市厚別区厚別東4条4丁目8番8号)
札幌市白石区、札幌市厚別区、江別市を管轄しています。
・札幌南税務署(札幌市豊平区月寒東1条5丁目3番4号)
札幌市豊平区、札幌市南区、札幌市清田区、千歳市、恵庭市、北広島市を管轄しています。
・札幌中税務署(札幌市中央区大通西10丁目札幌第2合同庁舎)
札幌市中央区の一部を管轄しています。
・札幌西税務署(札幌市西区発寒4条1丁目7番1号)
札幌市中央区の一部、札幌市西区、札幌市手稲区を管轄しています。
※管轄に関する上記情報は令和7年時点の情報です。相続税申告書の提出前に、必ず国税庁の公式ホームページで最新の管轄税務署を調べてから申告書を提出してください。
札幌市中央区の方は要注意
被相続人の最後の住所地が札幌市中央区の場合は注意が必要です。住所によって、「札幌中税務署」の管轄になるか「札幌西税務署」の管轄になるか異なるためです。
札幌中税務署が管轄する中央区のエリア
大通西1~10丁目
北1条西1~10丁目
北2条西1~10丁目
北3条西1~10丁目
北4条西1~10丁目
北5条西1~10丁目
北6条西10丁目
南1条西1~10丁目
南2条西1~10丁目
南3条西1~10丁目
南4条西1~10丁目
南5条西1~10丁目
南6条西1~10丁目
南7条西1~10丁目
南8条西1~10丁目
大通東1~14丁目
北1条東1~19丁目
北2条東1~20丁目
北3条東1~15丁目
北4条東1~8丁目
北5条東1~3丁目
南全条東全丁目
札幌市西税務署が管轄する中央区のエリア
大通西11~28丁目
北1条西11~28丁目
北2条西11~28丁目
北3条西11~30丁目
北4条西11~30丁目
北5条西11~29丁目
北6条西11~28丁目
北7条西11~27丁目
北8条西12~26丁目
北9条西12~24丁目
北10条西12~24丁目
北11条西12~24丁目
北12条西13~23丁目
北13条西13~22丁目
北14条西14~22丁目
北15条西14~22丁目
北16条西14~21丁目
北17条西14~20丁目
北18条西14~19丁目
北19条西14~19丁目
北20条西14~17丁目
北21条西14~15丁目
北22条西14~15丁目
南1条西11~28丁目
南2条西11~28丁目
南3条西11~28丁目
南4条西11~28丁目
南5条西11~28丁目
南6条西11~27丁目
南7条西11~26丁目
南8条西11~26丁目
南9条西
~全丁目
南30条西
郵送で相続税申告書を提出する場合の注意点
国税庁では、事務処理の効率化のため、「内部事務のセンター化」を進めています。
令和7年11月時点の情報によると、「札幌中税務署」「札幌西税務署」に申告書等を送付する場合は、次の業務センターに送付するようにと案内されています。
〒060-8510
札幌市中央区大通西10丁目 札幌第2合同庁舎
札幌国税局業務センター
内部事務のセンター化は今後も進められると考えられますので、相続税申告書を札幌の税務署に送付して提出しようとするとするときは、国税庁のホームページで最新の情報を得てから送付してください。
たとえば札幌西税務署の場合、インターネットで「札幌西税務署」と検索すると、国税庁の公式ホームページが出てきます。そのホームページの中に入ると、「申告書等の郵送先」という箇所があり、業務センターに郵送するべき場合は、「札幌国税局業務センターへ」という案内があるのです。