上場株式の銘柄が多い相続税申告
札幌相続相談所でご依頼いただいた相続税案件で、以下のようなケースがありました。
札幌市中央区のAさんが令和8年8月20日に死亡し、その相続人は子どものBとCの二人です。Aの遺産は中央区の自宅不動産(評価額2000万円)と預貯金4000万円の他、上場株式があります。上場株式は札幌に支店を構える某証券会社2社を通じて取得しており、その銘柄数は、なんと100銘柄を超え、概算の評価額は5000万円ほどにもなりそうです。
相続税申告の対象になるのはいわば富裕層ですから、遺産のなかに上場株式(東京証券取引所などの金融商品取引所に上場されている株式)があることは珍しくありません。では、上場株式がある場合、その評価はどのように行えばよいのでしょうか。札幌の事例を通じて解説します。
上場株式評価の基本
上場株式の評価の仕方は、次の4つの額のなかから、最も低い価額によって評価することになります。「月平均額」の箇所について補足すると、亡くなった月、亡くなった月の前月、亡くなった月の前々月の最終価格によって評価することになります。札幌市中央区のAさんのケースであれば、死亡したのが令和8年8月20日ですから、次の4つを比べます。
上記であれば、6月の毎日の最終価格の月平均額である1995円で評価することになるのです。※株式に権利落ちがあるば場合には一定の修正を行いますが、細かなことなので本記事では割愛します。
死亡日の最終価格と月平均額の調べ方
4つの数値を並べて、もっとも低い価格を選ぶといわれても、そもそも4つの数値がわからなければ株価評価はできません。では、その4つの数値はどのように調べたらよいのでしょうか。まずは証券会社で残高証明書を取得しましょう。残高証明書を取得したら、その残高証明書に死亡日の最終価格が記載されていることが多くあります。
また、野村証券などの大手証券会社では、残高証明書を取得したら株価評価のために「株価の参考情報」をつけてくれることが多くあります。その参考情報に、死亡日を含む月、その前月、前々月の最終価格の月平均額が載っているのです。この参考情報があれば、株価評価は難しくありません。残高証明書を取得する際に、「株価の参考情報もつけられたらつけてください」と一言伝えるとよいでしょう。
やや面倒なのが、最終価格の月平均額の調べ方です。「月平均額」というと、毎日の終値をヤフーファイナンスで調べ、エクセルに毎日の終値を入力して月平均額を算出しようとする方もいるようですが、さすがにそこまで面倒なことはしなくても大丈夫です。
インターネットで「日本取引所グループ 月間相場表」と検索してみてください。そのなかに月ごとに「株式相場表」というPDFデータがありますので、それをクリックします。株式相場表は200ページほどあり、全部見ようとすると途方もなく大変ですが、あくまでも見るのは被相続人の保有銘柄です。「銘柄コード」の箇所に各上場企業に割り当てられた番号が記載されていますから、被相続人の保有していた番号を入力します。この番号は各証券会社の残高証明書に記載されていることが一般的です。
株式相場表で被相続人の保有銘柄を見つけた後は、株式相場表の右列にある「終値平均」をみます。この終値平均が、その月の最終価格の月平均額ですから、これを死亡日の月分、前月分、前々月分、確認すればよいのです。




