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死亡退職金と未収給与は取扱いを分ける!

札幌で相続税の無料相談に対応しています。相続税申告が必要かどうか分からない。相続税申告したいが、その仕方が分からない。相続税の専門家に依頼したい。相続税の節税方法について知りたい。札幌・札幌近郊で相続税申告にお困りの方は当税理士事務所にお気軽にご相談ください。当税理士事務所は相続税を専門に扱う税理士事務所です。札幌圏での実績(申告件数)はトップクラスです。


相続税特化の税理士事務所


死亡退職金の相続税上の扱い

誰かが死亡し、その者に支給されるべきだった退職手当金等を相続人が受領した場合、その退職手当金等は相続税の課税対象になります。相続人が受領しているのだから相続人の所得を構成し、所得税の課税対象になると考えることもできなくはありませんが、「退職金はもともと被相続人が積み立てていたものであって、被相続人が生存していたら被相続人本人に支給されるはずだった」という点に鑑み、相続税の課税対象になっているのです。退職金は一般的には1000万円以上になることが多く、これを「所得税」の対象とすると税負担が重すぎることから、相続税の課税対象とした方が国民にとってもありがたい扱いだと考えられます。

就業規則等で、従業員が死亡した場合はその従業員の配偶者等の相続人などが, 死亡した者が積み立てていた退職手当金等を受け取れると規定されていることが多いものです。そのような規定に基づいて相続人等に直接支給されると考えると、当該金銭は相続人の所得とも考えられますが、税負担のことを考え、当該退職手当金等は「相続財産とみなす」とされています。「みなす」というのは、「そうではないものを、そうだと扱う」という意味ですから、相続人等が受領した退職手当金等は相続財産ではないものの、相続財産と扱われるという意味です。

また、相続人が受け取る被相続人の退職手当金等(以下において「死亡退職金」といいます)は、政策的に課税される額がおさえられています。相続財産とみなされて相続税の対象になるというだけで税額がおさえられる結果になるのが一般的ですが、相続税の処理においても死亡退職金には「非課税の枠」が認められているのです。

非課税の限度額は「500万円×法定相続人の数」です。相続人が3人いたら、1500万円までは非課税と扱われるのです。


死亡して退職となったケース

札幌で相続税申告を専門に扱う当税理士事務所では、次のような案件のご依頼がありました。

札幌市西区に住むAさん(58歳)が令和8年11月3日に死亡しました。Aさんの相続人は配偶者であるBとAB間の子であるCとDの三名です。

Aは札幌市内の企業の従業員という立場であり、死亡により退職という形になりました。Aは長年その企業に勤めていたことから退職金の積み立てがあり、企業の規定に従って配偶者相続人Bは1300万円の死亡退職金を受領することになりました。

Bが死亡退職金を請求し、Bの口座に令和8年11月25日に「1335万円」が振り込まれていました。


従業員が死亡した場合、企業には様々な規定があり、そのなかに死亡退職金の取り扱いが定められています。死亡退職となった場合に、誰が退職金を受領できるか細かなルールがあります。配偶者が第一順位、配偶者がいない場合は子どもが第二順位、という定めがよく見受けられます。Bが死亡退職金を受領できたいのは第一順位であったためです。


死亡退職金と同時に支払われるものがある

札幌市西区のAさんのケースでは、死亡退職金が支払われる際に、Bさんの口座に1335万円が振り込まれていました。Aさんが勤めていた会社によると、死亡退職金は1300万円ということでしたが、35万円多く振り込まれていました。

会社によると、この35万円は「11月25日に支給予定だった10月分の給与」とのことでした。1300万円と35万円を分けて支給してくれれば分かりやすいですが、会社によっては死亡退職金以外の支給がある場合に、その合計を一括して振り込むこともあるのです。
問題は、この35万円の取り扱いです。札幌市西区のAさんのケースであれば、死亡退職金の非課税限度額は1500万円ですから、1300万円では非課税の枠を使いきれていません。一括して余計に多く振り込まれていた35万円も死亡退職金の非課税枠を使うことができるのなら、35万円にも相続税がかからないことになります。

一方で35万円は死亡退職金として扱われないのであれば、この死亡退職金は非課税枠に入れる処理をした場合、その処理は不適切な処理となり、税務調査があった場合に指摘されることは間違いありません。

結論を述べると、相続開始時に支給期が到来していなかった未支給の給与は、非課税の対象となる死亡退職金ではなく、通常の(つまりは、課税される)相続財産を構成します。申告書上は、第10表ではなく直接第11表に載る「未収入金(未受領給与)」として処理することになります。

相続税法基本通達3-33においても、次のように定められています。

支給期の到来していない給与
相続開始の時において支給期の到来していない俸給、給料等は、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等には該当しないで、本来の相続財産に属するものであるから留意する。


非課税の扱いを受けることができる退職金かどうかは、会社から交付される支払調書を見ればわかります。支払調書を見てもよく分からない場合は、受給者から支給してくれた会社に問い合わせてその詳細を確認するとよいでしょう。

札幌相続相談所で扱ったケースでは、一括して死亡退職金等が配偶者相続人に支給されていましたが、非課税の枠のなかに入るもの(つまり第10表に記載されるもの)とそうではないものに分けて申告書に反映しました。間違えてすべてを第10表に入れると税務署からの指摘が入りますので注意しましょう。