札幌市中央区にある当税理士事務所は札幌では数少ない相続税に特化した専門の事務所です。相続税申告を専門の事務所に依頼したい、相続税のあるべき処理が分からない、相続税の有効な節税手法を知りたい、という方はお気軽に札幌の当税理士事務所にご相談ください。札幌で相続税申告にお困りの方のお役に立てるよう最善を尽くします。
相続税申告では、生前贈与を加算することがある
相続税申告では、相続開始時点に存在する被相続人の財産を評価し、それらの財産に対して課税される税額を算出します。
しかしながら、相続開始時点においては存在しない被相続人の財産であっても、一定のものは加算しなければなりません。それが「生前贈与」であり、被相続人が亡くなる時期によって、相続開始前3~7年の生前贈与を相続財産に加算して相続税額を計算します。
詳しくは「相続税申告で加算する贈与」をご覧ください。なお、本記事で解説する「生前贈与」は、いわゆる暦年贈与のことだとご理解ください。
生前贈与における贈与税額は相続税額から控除
相続税申告で加算する生前贈与について、贈与税の申告と納税をしていたら、その贈与税額は相続税額から控除されることになります。これは、贈与税と相続税の二重課税を排除することための規定です。
では、本来行うべきであった贈与税の申告と納税をしていなかったら、どのようになるのでしょうか。次の事例で検討しましょう。
札幌市中央区のAさんが令和8年11月に死亡し、その相続人は子どもであるB(札幌市北区在住)とC(札幌市清田区在住)の2人であり、Aさんの遺産は約1億円でした。Aさんは、Bさんに対し、次の内容の生前贈与をしていましたが、それぞれ贈与税の申告と納税をしていませんでした。
令和6年10月→300万円の贈与
令和7年11月→500万円の贈与
令和8年5月→200万円の贈与
上記の札幌市中央区のAさんの事例においては、なすべき処理がされていません。Bさんがそれぞれ受けた贈与について、贈与税の基礎控除の範囲を超えているため、本来であれば贈与税の申告と納税が必要であるにもかかわらず、それがなされていないのです。
Aの遺産は札幌市北区にある自宅を含め、1億9500万円であり、BさんはAさんの相続によってAさんの遺産を取得することになります。
相続税申告の前に贈与税の期限後申告
相続税申告で加算する生前贈与の申告と納税が済んでいないのであれば、贈与税の申告が期限後であっても、贈与税の申告と納税をしなければなりません。
札幌市中央区のAさんのケースであれば、Aさんの子のBは自らが得た贈与について、申告と納税を期限後申告するのです。
注意が必要なのは期限後申告するべき生前贈与です。期限後申告が必要なのは、相続開始の年よりも前になされた贈与についてです。相続開始の年になされた贈与については、「原則として」贈与税の申告と納税は不要ですのでご注意ください。札幌市中央区のAさんのケースであれば次のとおりです。
令和6年10月→300万円の贈与→贈与税の申告と納税を行い、支払った贈与税額について、相続税額から控除する。
令和7年11月→500万円の贈与→贈与税の申告と納税を行い、支払った贈与税額について、相続税額から控除する。
令和8年5月→200万円の贈与→贈与税の申告と納税を行わず、相続税申告でその贈与分を加算して相続税として納税する。
相続開始年の生前贈与の処理について
贈与税の申告と納税ですが、相続開始の年にあった贈与については不要と考えるのが原則です。
「原則として」という表現には注意が必要です。
生前贈与を受けた者が相続人等であり相続財産を取得する場合は、相続税申告と納税が必要な場合は、相続開始の年に被相続人からなされた生前贈与は贈与税の対象ではなく相続税の対象です。つまり相続税申告において加算はするものの、贈与税を支払っているということはないため、相続税額からの控除ということもありません。
一方で、被相続人から生前贈与を受けた者が相続財産を取得するものでない場合は、相続開始の年になされた贈与については贈与税の申告が必要です。被相続人から生前贈与を受けた者が相続財産を取得する者でないのなら、その者は相続税の申告義務がなく、当該生前贈与について「相続税」として処理することはできません。相続税として贈与財産について課税を行うことができないため、贈与税の申告と納税によってその課税関係を終結させるのです。
札幌市中央区のAさんのケースであれば、Bさんは相続財産を取得する者ですから、令和8年の生前贈与については贈与税の申告と納税は不要になります。
札幌市中央区にございます当税理士事務所は、相続税専門の税理士事務所です。相続税をどこの税理士事務所に依頼すればよいか分からない。相続税申告を専門とする税理士事務所にまずは相談したい。相続税の有効な節税対策について知りたい。このような相続税にまつわるお悩みがある方は、相続税を専門とする当税理士事務所にご相談ください。
生前贈与は相続税申告で加算することがある
相続税の申告といえば、被相続人が相続開始時点において有していた財産を評価し、その相続財産に対して税金が発生するものです。
注意が必要なのは、一定の生前贈与であれば相続税の申告における相続財産に加算しなければならないことです。「生前贈与」というからには、その贈与財産は相続開始時においては被相続人の手元にはありません。その「相続開始時にはない財産」を加算するのが、贈与財産の加算というルールなのです。
※本記事で解説する生前贈与は、いわゆる「暦年贈与」についてです。
なぜ生前贈与を加算するのか
一定の生前贈与を加算するのには理由があります。もし生前贈与を野放しに認め、相続税申告においてその生前贈与を無視すると、生前贈与を活用した相続税逃れが容易にできてしまうためです。
たとえば次の例を通じて検討しましょう。
札幌市北区のAさんが令和9年1月に死亡しました。Aさんには札幌市東区に住んでいる子供のBがおり、BのみがAの相続人です。
Aは死亡の直前である令和8年3月に、Bに対して500万円を贈与していました。
Aの遺産は札幌市北区にある自宅を含め、1億9500万円でした。
もし相続税申告において、この500万円を無視すると、Aの遺産は1億9500万円に対して相続税が課せられます。
一方でこの500万円を相続財産に加算すれば、Aの遺産は2億円となります。
相続税の税率と贈与税の税率・税額がまったく同じなのであれば、AがBに渡した500万円について、相続税で払うか贈与税で払うかの違いであり、国税の徴収という観点からはさほど問題になりません。
しかし現実には、相続税の税率と贈与税の税率は異なります。相続税も贈与税もいずれも累進税率ですので、承継対象財産が大きくなればなるほど税負担が大きくなります。もし相続税申告において生前にした贈与がまったく考慮されないのであれば、この「相続税と贈与税の税率が異なる」という点に目をつけて、生前贈与を活用して相続税額を含むトータルの税負担額を簡単に引き下げることができてしまいます。このような行為に一定の歯止めをかけるのが、相続税申告における生前贈与の加算なのです。
加算する生前贈与
ただし過去すべてにさかのぼって、あらゆる生前贈与を相続税の申告で加算するというのは酷です。もしすべての生前贈与を加算するのであれば、贈与を行うことをする人が減り、社会生活を健全に営むことが難しくもなります。
そこで加算する生前贈与については次のとおりです。
まず「対象者」ですが、相続税申告において加算しなければならないのは、被相続人となる者から生前贈与を受けた者のうち、「相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与(「相続等」といいます。)によって財産を取得した人」です。
基本的には「相続人」だとまずは考えましょう。まったくの赤の他人に対して行った生前贈与は、相続税の申告において加算する必要はありません。
次に「期間」ですが、被相続人の死亡日からさかのぼって3~7年の間になされた贈与が加算の対象です。
税制改正によって、加算する期間が「7年になった」というお話を聞いたことがある方もいるでしょう。たしかに7年にはなりましたが、その適用には経過措置があります。亡くなったタイミングによって、次の3つのパターンに分けて処理されることになります。
被相続人の死亡日が令和8年12月31日までの間:相続開始前3年以内の生前贈与を加算
被相続人の死亡日が令和9年1月1日~令和12年12月31日までの間:令和6年1月1日から死亡の日までの間の生前贈与を加算
被相続人の死亡日が令和13年1月1日以降:相続開始前7年以内の生前贈与を加算
贈与税の納税額は相続税額から控除
生前贈与で納めた税額がある場合に、その生前贈与財産が相続財産に加算される場合は相続税も課税されることになるため「二重課税になる」という事態が生じます。
そこで相続税の申告においては、生前贈与の際に納税した贈与税額は、相続税の税額から控除してよい、ということになっています。たとえば贈与税として100万円を納めたのであれば、相続税申告において納めるべき税額が仮に700万円であれば、その100万円を700万円から引いて納税すればよいのです。