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障がい者控除によって相続税がゼロ円に
相続人が85歳未満の障がい者である場合、相続税額が減額され、場合によっては相続税の納税額がゼロ円になることがあります。障がい者控除が認められるのは、次の要件を満たした者です。札幌で相続税申告の相談に応じていると、意外と要件を満たす方が多くいらっしゃいます。ご自身も要件を満たしているかどうか、必ず確認してください。
障がい者は「一般障がい者」と「特別障がい者」に分けられます。一般障がい者に該当すれば、満85歳になるまでの年数×10万円が、特別障がい者に該当すれば満85歳になるまでの年数×20万円が納税額から控除されます。たとえば現時点で50歳の方は、満85歳になるまで35年あるため、一般障がい者であれば350万円(1年あたり10万円で35年分)が、特別障がい者であれば700万円(1年あたり20万円で35年分)が控除されます。非常に大きな節税効果を有するのが、この障がい者控除なのです。
障がい者控除、たとえば
札幌で相続税申告の相談に対応していると、様々な障がいを抱えている方々に出会います。そのなかで複数回取り扱ったことがあるのは、ペースメーカーを入れている方の相続税申告です。ペースメーカーを入れている方は障がい者手帳を持っていることが多く、それぞれの状態に応じて、1級、3級又は4級の認定がなされています。
相続税申告の際に添付して提出する書類
障がい者控除は誰でも受けられる控除ではないため、その適用を受けるときは適用要件を満たしていることを相続税申告を管轄する税務署に伝える必要があります。たとえば障がい者手帳の写しを相続税の申告書と一緒に税務署に提出します。障がい者手帳の写しを見れば、(一般的には)相続開始の日より前に障がい者として認定されていることが読み取ることができます。これによって「相続などで遺産を取得したときに障がい者であること」という要件を満たしていると税務署に分かってもらえます。
相続開始時には手帳の交付を受けていなかったら
問題になるのは、相続の開始時には障がい者手帳の交付を受けていなかった、というケースです。札幌で相続税申告の相談に対応していると、このケースに何度か当たったことがあります。たとえば札幌市東区のAさんが死亡したのは令和8年5月1日です。その相続人はBさんであり、Bさんはずっと身体に不調を抱えていたため、障がい者手帳の交付申請を行い、その交付がされたのが令和8年8月10日でした。
上記のBさんのケースで障がい者控除の適用が否定されると、それは非常に酷です。なぜなら相続開始のタイミングは、まったく予見できないこともあるためです。札幌市東区のAさんが死亡したのは不慮の事故による突然のことで、令和8年5月1日にAが死亡するなど、まったく予想できなかった、という状況だって当然ながらあるのです。
障がい者手帳の交付が相続開始より後でも控除の適用を可とする通達
上記の相続人Bさんのような方を救済するべく、相続税法基本通達19の4-3では、次のように定められています。相続開始の時において、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けていない者、身体障害者手帳の交付を受けていない者~中略~であっても、次に掲げる要件のいずれにも該当する者は、~中略~一般障害者又~中略~特別障害者に該当するものとして取り扱うものとする。
(1) ~略~申告書を提出する時において、これらの手帳の交付を受けていること又はこれらの手帳の交付を申請中であること。
(2) 交付を受けているこれらの手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けるための精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則~中略~に規定する医師の診断書~中略~、相続開始の時の現況において、明らかにこれらの手帳に記載される程度の障害があると認められる者であること。
(1) ~略~申告書を提出する時において、これらの手帳の交付を受けていること又はこれらの手帳の交付を申請中であること。
(2) 交付を受けているこれらの手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けるための精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則~中略~に規定する医師の診断書~中略~、相続開始の時の現況において、明らかにこれらの手帳に記載される程度の障害があると認められる者であること。
もっと分かりやすくまとめると、次のとおりです。
この二つの要件が備わっているのであれば、相続開始時に障がい者手帳がなかったとしても、障がい者控除の適用を受けることができます。




