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相続税における債務超過の同族法人への貸付金評価

札幌・札幌近郊で相続税の申告にお困りの方は、当税理士事務所にお任せください。札幌市中央区にございます当税理士事務所は相続税申告に特化した専門の事務所です。相続税の申告が必要なのか分からない、相続税申告のプロに任せたい、相続税申告の処理の方向性が知りたいなど、札幌の相続税専門の税理士にご相談ください。


相続税特化の税理士事務所


同族法人が債務超過、その会社に対する貸付金

札幌で相続税の無料相談に応じていると、様々な相談が寄せられます。そのなかに、「同族法人への貸付金の評価」というご相談がありました。次のケースをご覧ください。

札幌市中央区で会社経営をしていたAが死亡し、その相続人はAの子供であるBです。Aの遺産は自宅不動産や預貯金の他に、自身が経営していた会社(株主はAで、社名は札幌A株式会社といいます)への経営者貸付金1億円がありました。

札幌A株式会社の財政状態はよくなく、いわゆる債務超過です。ただ債務超過といっても、経営者貸付金(会社から見ると経営者であるA個人からの借入金)が貸借対照表を圧迫し、他の銀行借入などと合わせて債務超過に陥っている状態です。

札幌A株式会社は、わずかながら利益は毎期出しています。しかしながら1億円もの経営者A個人からの借入金を返済することはできず、無利子無期限でA個人が会社に貸し付けていた状況のまま、Aが死亡してしまいました。

札幌A株式会社が属する業界は落ち目といえる業界であり、今後札幌A株式会社の業績が拡大して経営を再建することはほとんど現実的といえません。


相続税の申告実務をしていると、札幌に限らず被相続人が会社経営者ということは珍しくありません。一般の会社員や公務員に比べて、会社経営者はやはり富裕層に位置づけられる方が多くいるためです。


問題は貸付金の相続税評価

会社経営者が自らの会社に貸付金を有している状態で死亡した場合に問題となるのは、その貸付金の評価です。

仮に札幌A株式会社の財政状態と経営成績が絶好調であり、債務の支払いに何らの心配もない場合は、A個人の財産として札幌A株式会社に対する貸付金は、相続開始時に未回収の額をそのまま相続税申告に計上すればよいと考えられます。

一方で現実は違います。札幌A株式会社は債務超過状態であり、事業が好転することも不可能な状況に陥っています。A個人が札幌A株式会社に「貸した金を返せ」といったところで1円だって返ってこない状況であり、これはAが死亡した後も状況に変化はありません。

そうなると、A個人の相続財産を評価するなかで、札幌A株式会社への貸付金は「回収不能債権」ということでゼロ円として評価してよいのでしょうか。額面の1億円として評価するのと、ゼロ円で評価するのでは、相続税額にも大きな影響がありますので検討しなければなりません。


財産評価基本通達205

財産評価基本通達には、次のように記載されています。

貸付金債権等の評価を行う場合において、その債権金額の全部又は一部が、課税時期において次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにおいては、それらの金額は元本の価額に算入しない。


上記を読むと、一瞬ですが札幌A株式会社への貸付金は評価ゼロでよいのではないか、と思うかもしれませんがそうではありません。

「次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」の「次に掲げる金額に該当するとき」とは、たとえば次のような場面です。

  • 手形交換所で取引停止処分を受けている

  • 会社更生法や民事再生法で、更生手続・再生手続の開始決定があったとき

  • 破産法の規定によって破産手続開始決定があったとき

  • など

    結局のところ、ほとんど倒産状態でにっちもさっちもいかないとき、でなければ「回収が不可能又は著しく困難」とは認められないのです。札幌A株式会社は利益をわずかですが出せていた状況なので、このような状況には該当しないといえます。


    その後会社が本当に消滅したら

    札幌A株式会社のような会社は、遅かれ早かれ役目を終え、解散清算を行うことになるでしょう。あるいは業務が行き詰まり、倒産ということも考えられます。

    A個人が有していた札幌A株式会社への株式をBが相続し、その後数年のうちに会社が消滅したことをもって、Bは「1億円の会社への貸付金があった」として申告した被相続人Aにかかる相続税申告において支払った相続税額を、後日において取り戻すことはできるのでしょうか。一度払った税金を取り戻す手続のことを「更正の請求」といいますので、更正の請求は認められるのか、ということが問題となります。

    基本的には更正の請求は認められないと考えるのが相当でしょう。

    なぜなら、会社への貸付金の評価時点はあくまでも「相続開始日」だからです。相続開始日とはAの死亡日であり、Aの死亡日においては、札幌A株式会社は利益を出せていた会社です。その時点では、貸付金の評価としては「回収不能または回収が著しく困難」とは言えなかったわけですから、貸付金を1億円とした評価は間違いではありません。

    会社が消滅した、というのは評価時点よりも後の話であって、評価時点の評価には影響を与えないと考えるのが相当でしょう。

    しかしながら、この点については、会社の財政状態や経営成績だけでなく、属している業界の傾向なども鑑み、実際の事例では丁寧な検討が必要となります。