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税務調査で預金の動きを見られ、その使途を聞かれた
札幌で相続税申告の相談を受け付けている当事務所には、様々な相談が寄せられます。その相談のなかで、次のようなご相談がございました。札幌市厚別区に住んでいたAさんが他界し、その相続人は札幌市東区に住むBです。Bは定年退職していることから時間があり、相続税申告を自分で行いました。自らが作成した申告書を、管轄の札幌東税務署に提出したのでした。
後日相続税の申告に関し、税務調査がありました。調査官は様々な観点からBが行った相続税申告が正しいかどうか確認しました。その確認作業のなかで、調査官が気になったのはAの預金の動きです。Aが死亡する数年前に、Aの預金口座から800万円が出金されており、その行先が相続税申告書に見当たらないのです。800万円がタンス預金として存在していた可能性もあるため、調査官はBにその使途を質問します。するとBは「自宅のリフォームに使いました」と答えました。
後日相続税の申告に関し、税務調査がありました。調査官は様々な観点からBが行った相続税申告が正しいかどうか確認しました。その確認作業のなかで、調査官が気になったのはAの預金の動きです。Aが死亡する数年前に、Aの預金口座から800万円が出金されており、その行先が相続税申告書に見当たらないのです。800万円がタンス預金として存在していた可能性もあるため、調査官はBにその使途を質問します。するとBは「自宅のリフォームに使いました」と答えました。
このリフォームですが、実は内容によっては相続税申告に反映しなければなりません。反映しなくてよいリフォームもあれば、相続税申告に反映しなければならないリフォームもあるのです。
前提:建物の評価額は固定資産税の評価額
この「リフォーム相続税問題」をご理解いただくにあたって、相続税申告における建物の評価の仕方を理解する必要があります。相続税申告書に記載する建物の評価額は、「固定資産税評価額」です。札幌市の物件を所有していたら、役所から毎年4月頃に固定資産税の納税通知書が届きます。その通知書のなかに「価格」という記載があり、その価格が固定資産税評価額です。
もし固定資産税の納税通知書を破棄してしまい、評価額が分からない場合は、市税事務所に問い合わせると分かります。具体的には、札幌の市税事務所で、名寄帳や固定資産評価証明書を取得するのです。
これは相続税申告書に反映するべきリフォーム?
リフォームと一口で言っても、その内容と費用は千差万別です。数万円のリフォームもあれば、数千万円にもなるリフォーム工事もあるのです。「リフォーム相続税問題」を理解するためには、そのリフォームの内容が建物の資産価値を上昇させるものかどうか、という点が非常に重要です。
リフォームで資産価値が上がっている場合の相続税申告への反映方法
札幌市厚別区のAさんのリフォーム費用は、800万円でした。800万円というと、単なる修繕を超えたリフォームと言えそうです。比較的規模の大きなリフォーム工事のうち、本当に大規模な工事の場合は「固定資産評価額の評価替え」が行われている可能性が高いといえます。たとえば札幌市厚別区のAさんが行った工事が建物の増築工事であれば、固定資産評価額がその年度から増額されていることがあります。
建物は固定資産評価額をその評価額とするのでした。もし評価替えがされていたら、固定資産評価額をそのまま建物の評価額とすることは、リフォーム工事によって上昇した建物の価値についても評価していることになります。
一方で、規模が小さいリフォーム工事ではないものの、固定資産税評価額の評価替えがなされるほどの規模ではないという工事もあります。その場合は、固定資産評価額を建物の評価額としたところで、建物の価値が上昇した部分については評価できているとは言えません。
そこで「建物の価値が上昇したものの、固定資産税評価額の評価替えがなされていない」という場合は、次の計算を行い、その額を相続税申告書に反映します。
建物の価値が上昇したものの、固定資産税評価額の評価替えがなされていない場合
計算式は次のとおりです。
(リフォーム工事にかかった費用-償却費)×0.7
償却費については、リフォーム工事にかかった費用に90%を乗じ、経過年数を乗じて、耐用年数で割ります。経過年数については、リフォーム工事の日から相続開始日までの年数で、1年未満の端数が出てしまう場合は切り上げてください。
税務調査は、預金調査に要注意
札幌市厚別区のAさんのケースで、相続人Bさんがリフォーム工事費用を相続税申告書に反映しなかったのは無理もありません。Bさんからすると、リフォーム工事は過去のことであって、「目に見える形でお金があるわけではない」のですから、使ってしまったお金なのに相続税が課税されるわけはないと思ってしまうでしょう。相続税の税務調査といえば、不動産の評価額をめぐって調査官から指摘を受けることが多いと思いがちですが、もっとも注意が必要なのは預金の取引です。調査官は現場に出向く前に預金の取引のうち、気になる取引を見つけ、その取引内容のヒアリングから、課税対象財産を探ります。
被相続人がリフォーム工事をしていたら、相続税専門の税理士にその扱いを確認してから申告するとよいでしょう。札幌市中央区の当税理士事務所では、相続税申告の初回ご相談は無料で対応しています。




