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名義預金の判定判断の基準<札幌での解決事例>

札幌の相続税申告で名義預金の判断にお困りの方は、相続税専門の税理士事務所が運営する札幌相続相談所にご相談ください。名義預金の判定を含む相続税申告案件の実績が多数ございます。本記事では、実際に名義預金の判定を行って申告したケースについてご紹介します。


相続税特化の税理士事務所


税務調査では、名義預金が注目される

相続税の税務調査に立ち会うと感じることですが、税務署の調査官は「名義預金」の存在に目を光らせています。

不動産や被相続人名義の預金などは申告書に載っているのは当然のことです。税務調査というからには、「申告書に載っているべきなのに載っていない財産」の存在を調査の軸にするのは当然だといえます。このときに注目するのが「名義預金(実質的には被相続人の預金なのだけど、他の者の名義になってしまっている預金)」なのです。


名義預金が疑われた札幌のケース

札幌相続相談所が担当した相続税申告においては、次のようなケースがありました。


札幌市手稲区のAさんが死亡しました。相続人は子どものBひとりです。Aさんの遺産は手稲区の自宅不動産5000万円とA名義の預金が6000万円ありました。また、Bは初回の相談時に「自分自身名義の預金が1000万円分あったが、これはどのように扱われるのか。もう解約してしまったが」と言っています。

税理士が聞き取った情報をまとめると次のとおりです。

Aの死後、Aの遺品を捜索しているときに、B名義の北海道銀行の通帳が発見された
そのB名義の通帳は、Aの他の通帳が保管されていた棚に一緒に入っていた
Bは、そのB名義の通帳の存在を、遺品捜索のときにはじめて知った
Bは、Aの死後その預金を解約して払い戻した
解約時に銀行の窓口で届出印の提出を求められたため届出印について調べたところ、A名義の通帳に使用されていた届出印と同じ印鑑が届出印であった


名義預金の疑いがあるケースでは、初回の聞き取りが非常に重要です。なぜ相続人名義の預金があったのか、相続人がその存在を知ったのはいつか、通帳や印鑑の管理状況はどのような形態であったのか、これらについて徹底してヒアリングを行います。


名義預金の判定基準とは

名義預金にあたれば相続財産として相続税の申告書に計上する必要がありますが、名義預金にあたらず名義人の固有財産だと判断できれば、相続税の申告書に計上する必要はありません。では、名義預金の判定・判断を行う際は、具体的にどのような基準で検討すればよいのでしょうか。以下、札幌の相続税申告で名義預金の判定・判断を行った際にどのような基準で検討したのかご紹介します。

1:預貯金の原資はどこなのか
被相続人名義の預金から振り込まれたものなのか、あるいは被相続人の財産(土地や株式等)を売却してその売却代金が振り込まれたものなのか、その名義預金の「出捐者」が誰なのかをまずは把握します。

その際に、名義人の年齢やこれまでの所得の状況も併せて考えます。たとえば名義人が25歳で、年収が350万円であったのに、当該名義人の口座に2000万円が貯まっているとなると、当該口座の実質的な出捐者は名義人ではないであろうという推測が働きます。

2:通帳・証書、届出印の保管者と保管状況
今でこそ「通帳レス(通帳がない)」口座というものも一般的になってきましたが、伝統的には、ATMでおろせない額のお金をおろす時も口座を解約するときも通帳と届出印をセットで銀行の窓口に持参する必要がありますから、それらの持っている者が口座の真の所有者だと推測されます。

名義預金の判定においては、通帳、証書、届出印が誰にどのように保管されていたのかが重要になります。

3:預貯金の利息はどのように扱われていたか
日本ではこれまで長らく低金利時代が続きましたが、金利が上がってきていることから、昨今は銀行預金に利息がつくようになってきています。その場合に、口座を持つことによって得られる「利益」が生じることになりますが、この利益は誰が享受していたのか、という点が問題になります。利息分だけを定期的に被相続人が引き出して消費していた場合は、利益は被相続人が享受していたことになります。

4:名義預金の処分はいつどのように行われたか
解約払い戻し等の処分行為は、権利者が行うことが一般的です。だからこそ、その名義預金と思われる口座の処分は、いつ、誰が、どのように行ったのかが非常に重要です。

5:名義人の認識はどのようなものか
口座の名義人になっている者が、その口座にどのような認識を有していたのかを把握する必要があります。自分のお金だと思っていたのか、それとも自分のお金ではなく被相続人のお金だと認識していたのか、ここを明らかにする必要があります。

6:名義人や被相続人を取り巻く環境はどのようなものか
なぜ預金が家族名義になっていたのか、たとえば被相続人が長期入院していたのか、名義人になった者の名義にしておくと不都合があったか、被相続人から家族への生前贈与が他にあったかなど、それぞれの家族がおかれた状況に鑑みて総合的に判断します。


札幌の事例へのあてはめ

札幌のAさんのケースで上記の各基準を当てはめてみます。

  • Aの死後、Aの遺品を捜索しているときに、B名義の北海道銀行の通帳が発見された

  • →この点について、Aが存命中及び相続開始の瞬間において、Bはその口座の存在を知らなかったことになりますから、相続開始の瞬間におけるBの認識としては、「自分の口座」という認識はなかったことになります。

  • そのB名義の通帳は、Aの他の通帳が保管されていた棚に一緒に入っていた

  • →口座管理でもっとも大切な通帳の保管者は被相続人であり、被相続人の他の財産と同様の保管状況だったことになります。

  • Bは、そのB名義の通帳の存在を、遺品捜索のときにはじめて知った

  • →やはりBの認識としては、相続開始の瞬間において「自分の財産だ」という認識はないことになります。

  • Bは、Aの死後その預金を解約して払い戻した

  • →Bが当該預金を処分していますが、その処分は相続開始後であり、相続開始前ではありませんから、相続開始の瞬間は処分権がBにあったとはこの事実からは認められません。

  • 解約時に銀行の窓口で届出印の提出を求められたため届出印について調べたところ、A名義の通帳に使用されていた届出印と同じ印鑑が届出印であった

  • →届出印の管理状況として、被相続人が管理していた、と言わざるを得ません。

    名義預金にあたるかどうかを判定・判断するときは、上記のような検討を慎重に行う必要があります。税理士のブログなどで「預金が、生前に被相続人の口座から相続人の口座に移っていたから名義預金になる」と記載している記事を見かけることがありますが、そのような事実だけで安易に名義預金だと判断することは非常に危険だと言わざるを得ません。名義預金になるかどうかは、個別具体的な総合判断が必要ですから、口座の動きはその判断材料の一つにしかならないのです。

    札幌で名義預金の判定を含む相続税申告にお困りの方は、札幌相続相談所にご相談ください。相続税申告だけでなく、不動産名義変更、預貯金や株式等の承継手続きなども同時に行うことが可能です。