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一次相続と二次相続のトータル税額が問題
相続税申告は、「相続ごと」に申告して納税しなければなりません。相続が発生する度に税負担が生じるため、相続税申告の仕方を工夫しなければ余計な税金を払うことになります。一方で、相続税対策を適切に行えば一次相続と二次相続の合計相続税額を大きく下げることができます。札幌相続相談所では、一次相続と二次相続の両方を見据え、トータル税額を無理のない範囲で下げる方法を提示して相続税申告を進めるようにしています。
一次相続と二次相続といえば父親が死亡した後に父親の配偶者にあたる母親が死亡し、、、という場面が典型的な事例ですが、それとは異なるケースもあります。
一次相続と二次相続のトータル税額が大きくなるケース
札幌相続相談所に持ち込まれた事例で、次のような事例がありました。一次相続と二次相続の両方の相続税申告について検討しなければならないケースです。
札幌市南区のAさんが死亡しました。Aさんはまだ55歳であり、もともと未婚で、養子を含めお子さんはいませんでした。第一順位の相続人(被相続人の子や孫)がいないわけですから、第二順位の者が相続人になります。Aさんには直系尊属として父親が存命でした。結果、Aさんの相続人は父親のBさんでした。Aさんの遺産の評価額は5000万円です。
Bさんは元気であるものの現在85歳であり、いつ何時なにがあるか分かりません。また、Bさんは札幌市内に複数の土地を持ち、金融資産も多額にあります。Bさんの資産はAさんの遺産を除いて2億円ほどありました。
他にAさんの親族といえば、歳の離れた弟Cがいます。Cは現在45歳であり、Cには子供もいて、何かとお金がかかる状況です。
Bさんは元気であるものの現在85歳であり、いつ何時なにがあるか分かりません。また、Bさんは札幌市内に複数の土地を持ち、金融資産も多額にあります。Bさんの資産はAさんの遺産を除いて2億円ほどありました。
他にAさんの親族といえば、歳の離れた弟Cがいます。Cは現在45歳であり、Cには子供もいて、何かとお金がかかる状況です。
このケースにおいて、Aさんの遺産をBさんが相続することは、相続税の納税という観点からは非常に大きなデメリットがあります。それはBさんが高齢であり、あと数年後にBさん自身の相続が発生する見込みであること、そしてBさんが既に2億円もの資産を保有していることに起因します。
相続税は「累進課税」の仕組みに基づいて運用されていますから、もしAさんの財産をBさんが相続してBさんの財産が2億5000万円になったら、相続税額も非常に大きくなってしまいます。2億円が2億5000万円になったら、財産としては25%増しですが、相続税の税額はもっともっと大きくなってしまうのです。
相続税業務の基本は徹底したヒアリング
相続税申告を数多く扱う札幌相続相談所では、相続税業務の基本は相続人等に対する徹底したヒアリングだと認識しています。相続は相続税額というお金の問題であるばかりか、人の生き死にという人生の節目の問題であるため、相続人等のご親族の「気持ち」や「考え」は最大限に尊重すべきことだ考えて相続税業務に取り組んでいます。札幌市南区のAさんの相続税申告に関し、ご相談にいらしたBさんのお話を詳しく伺うと、Bさんのお考えは次のとおりでした。
結局のところBさんは「お金はもう要らない」ということです。そして何より、早くCにお金を渡してあげたいということでした。
資産家であれば生前贈与を用いた節税スキームなどを検討することは常識ですが、昨今の相続税法の改正により、相続人になる者に対して行った贈与は、相続が発生したときに相続財産に足し戻さなければならず、その戻す期間も改正前よりも長くなっています。つまり生前贈与による節税スキームは、以前よりも効果が薄くなってしまっているのです。
このようなことからBはCさんに微々たる額しか生前贈与していませんでした。ましてAから相続した5000万円をBが一度相続してCに生前贈与したら、贈与税の負担が大きすぎて、そのような方法によってCに5000万円ものお金を移すことは現実的ではありません。
相続放棄を相続税申告で活用する
相続放棄とは、相続人が自分自身のために相続が開始したことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述して行う手続きであり、その申述が受理されるとその者は「はじめから相続人ではなかった」として扱われます。札幌市在住の方の相続について相続放棄をする場合は、札幌家庭裁判所が管轄の裁判所です。相続放棄を行うとその者は相続人ではなかったことになるため、後順位の者に相続権が移ります。札幌のAさんの相続の場面であれば、Bが放棄すれば相続権は後順位の者、Aから見てさらに上の直系尊属に移り、そのような者もいなければ第三順位の相続人であるCに相続権が移ります。
このような相続放棄の副次的な効果(相続権が後順位の者に移るという効果)を利用すれば、相続税の負担を大きく引き下げることも可能になります。
Bが札幌家庭裁判所で相続放棄を行えば、Aの相続人はAの兄弟姉妹であるCになります。結果、5000万円ものAの財産はBに移らないことからBの財産は膨らむことはなく、二次相続の税額が大きく跳ね上がることを回避できると同時に、Cが直接5000万円ものAの遺産を手にすることができます。Aの財産をBに一度相続してからCに移すことに比べ、税額は相当に下がります。
相続税の節税を狙った相続放棄、その注意点
札幌のAさんをめぐる相続のような場面は珍しくありません。そのような場面で相続放棄をうまく活用することで、一次相続・二次相続を通じた相続税の総額をおさえることができますが、相続税の節税を狙った相続放棄には注意点があります。おそらくは税理士主導でこの相続放棄スキームを選択することは大変に危険であり、相続放棄手続きに精通した司法書士や弁護士の協力のもと進める必要があると言えます。<注意点その1>
相続人が相続放棄をした後、誰が相続人になるのかを正確に把握しなければなりません。上記のケースではもともと被相続人の父親が相続人でしたが、被相続人の直系尊属が他にいれば、その直系尊属が次に相続人になります。たとえば被相続人Aの祖父母が存命だった場合、Aの父Bが相続放棄をしたらAの祖父母が相続人になります。Aの祖父母が存命の場合はいきなりAの弟であるCに相続権が移転するわけではないのです。
被相続人の父親が相続放棄をして、さらに父親の母親や父親(つまり被相続人の祖父母)が相続人になる場合に、考えられるのは祖父母が高齢で判断能力を喪失していて相続放棄ができないという状況です。相続放棄は裁判所における厳格な手続きであり、相続人になる者の自発的な意思がなければ、することができないのです。
<注意点その2>
相続放棄は、どんな案件であっても必ず受理されるという保証はありません。札幌のAさんのケースであれば、被相続人の父親であるBが札幌家裁で放棄の申述をして受理されましたが、状況によっては相続放棄の申述は受理されません。
たとえばBが相続財産の処分を行っていたケースを考えてみてください。Aの遺産である不動産を自らの名義に変更し、売却していた場合、(状況にもよりますが)相続財産の処分として認定され、相続放棄の申述が受理されなくなります。何が相続財産の処分に該当するかは裁判所の個別判断ですが、経験のある司法書士や弁護士であればだいたい察しはつくものです。
<注意点その3>
相続放棄をしたら後順位の者に相続権が移りますが、後順位の者は想定した者以外にも存在する可能性があります。
札幌のAさんのケースであれば父親Bが放棄したことでAの兄弟姉妹Cだけが相続人になりましたが、仮にAの母親がBとの婚姻前に子どもDを産んでいてその存在をBが知らないという可能性だってあります。そうなると、Bが相続放棄をしたらAの相続人はCとDになり、CとDとの間で遺産分割を行う状況になり、事態は複雑化するのです。
相続放棄が関係するなら司法書士か弁護士にも相談
上記のような注意点があるからこそ、相続放棄が関係する場合は細心の注意を払って業務を行う必要があります。純粋な相続税申告以外の周辺業務が関係する場合も、札幌相続相談所なら対応可能なケースが多々あります。札幌で相続税申告でお悩みの方は、まずは札幌相続相談所にお問い合わせください。




