ゴルフ好きの方がなくなったら……
相続税申告においては、被相続人が有していた財産的価値のあるものの財産評価を行って、相続税申告書にそれらを漏れなく計上しなければなりません。財産的価値のあるものというとまっさきに思い浮かぶのは不動産と預貯金です。それ以外にも上場株式や非上場株式、さらには純金(ゴールド)などの貴金属、自動車、高級腕時計などは分かりやすい例でしょう。
ところで、ゴルフ会員権も基本的には財産的な価値があるものとして、相続税の課税対象財産になります。
※「ゴルフ会員権」を持っていると言ったところで、ゴルフクラブ(手に持つクラブではなく、ゴルフ場の施設一般の意味でのクラブ)の株式を持っておらず、その会員権を譲渡できず、預託金等の返金もないものであれば、単にゴルフ場の施設を利用してプレーすることができるだけですから、それは財産的価値のあるものではないとされ、相続税の課税対象ではありません。
ゴルフ会員権の評価については、次の事例に基づいて解説します。
Aさんが死亡しました。Aさんの相続人はAの子であるBひとりです。Aさんの遺産は札幌市内の自宅不動産(評価額2000万円)、預貯金(評価額3000万円)、そしてAさんはゴルフ会員権を3つ保有していました。保有していたゴルフ会員権の内容は次のとおりです。
甲ゴルフクラブのゴルフ会員権→取引相場あり、預託金なし 乙ゴルフクラブのゴルフ会員権→取引相場あり、直ちに返還を受けることができる預託金あり 丙ゴルフクラブのゴルフ会員権→取引相場なしで、株主としての権利があり、直ちに返還を受けることができる預託金がある
甲ゴルフクラブのゴルフ会員権→取引相場あり、預託金なし 乙ゴルフクラブのゴルフ会員権→取引相場あり、直ちに返還を受けることができる預託金あり 丙ゴルフクラブのゴルフ会員権→取引相場なしで、株主としての権利があり、直ちに返還を受けることができる預託金がある
ゴルフ会員権といえば、バブル期においては数千万円から名門クラブになると数億円の価値があったと言われています。このようなものですから、相続税申告においても丁寧に評価しなければなりません。
取引相場のあるゴルフ会員権の評価
まずは「取引相場のある」ゴルフ会員権の評価について解説します。Aさんが保有していた甲ゴルフ場のゴルフ会員権と乙ゴルフ場のゴルフ会員権が、取引相場のあるものです。※ゴルフ会員権の大半が取引相場のあるゴルフ会員権だといえます。
取引相場のあるゴルフ会員権は、まずはゴルフ会員権の「取引相場」を調べてください。取引相場というと上場株式の場合の「東京証券取引所」のようなところで取引されると思われるかもしれませんが、ゴルフ会員権の場合はそのような取引所があるわけではありません。いくつかの会社がゴルフ会員権の売買について仲介をしており、その仲介業者のホームページなどで取引相場を確認できるのです。札幌のゴルフ場のゴルフ会員権なら、「札幌 ゴルフ会員権 相場」という形で検索してみるとよいでしょう。
某取引仲介業者のサイトによると、令和8年8月現在は、札幌・札幌周辺のゴルフ場のゴルフ会員権の相場は次のように案内されています。
バブル時代は数千万円もした札幌周辺のゴルフ会員権ですが、今では数十万円から数百万円で取引されることが一般的です。
取引相場のあるゴルフ会員権は、次のように評価します。
(1)死亡日における通常の取引価格×70%
また、預託金のあるゴルフ会員権であれば、(1)に以下の(2-1)または(2-2)を加える必要があります。
請求すれば直ちに返還を受けることができる預託金の場合
(2-1)死亡日に返還を受けることができる預託金額
死亡日から一定期間経過後でなければ返還を受けられない預託金の場合 (2-2)返還される預託金額の福利現価相当額
(2-1)死亡日に返還を受けることができる預託金額
死亡日から一定期間経過後でなければ返還を受けられない預託金の場合 (2-2)返還される預託金額の福利現価相当額
福利現価相当額の計算の仕方は国税庁のホームページに案内されている基準金利で行いますが、詳細はここでは割愛します。
Aさんの場合、たとえば甲ゴルフ場のゴルフ会員権の相場が200万円であれば、上記(1)の式に当てはめ、140万円(200万円×70%)で評価します。乙ゴルフ会員権の相場が300万円で、直ちに返還を受けることができる金額が100万円であれば、310万円(300万円×70%+100万円)で評価します。
取引相場のないゴルフ会員権の評価
取引相場のないゴルフ会員権の場合は、次のように評価します
会員権を保有する前提として株主にならなければならない場合
(3)財産評価基本通達に従って算定した、株式評価額
上記(3)は、非上場株式の評価を、ゴルフ会員権の評価の場合も行うということです。
また、預託金がある場合は、(3)に、上記で解説した(2-1)また(2-2)を加えることになります。
このように、ゴルフ会員権のある相続税申告における財産評価は非常に複雑です。おそらくご自身で行う範疇を超えているものと思われますので、相続税申告に迷われたら、札幌相続相談所にお気軽にご相談ください。相続税の初回のご相談は無料です。




