相続人の確定が相続税申告の基本
札幌で相続税申告の相談に応じていると、基本の部分から間違えて認識しているご相続人がいることに気づきます。相続税申告の基本といえば、なんといってもまずは「相続人の確定」です。相続人の確定ができなければ基礎控除額が定まらないばかりか、税額計算についても間違えてしまうため注意が必要です。では、次のケースで被相続人Aの相続人は誰か、札幌の相続税専門税理士が解説します。
数次相続のケース
札幌市南区のAさんが死亡し、その親族関係等の状況は次のとおりです。
Aには配偶者はいない(離婚済み)
Aの子供はBのみ
Bには配偶者はいない(離婚済み)
Bには子供(Aから見て孫)が一人いる
Aが死亡したのは令和8年8月10日
Bが死亡したのは令和8年10月15日
Aの相続財産は札幌市南区の自宅(評価額4000万円)のみ
Aの子供はBのみ
Bには配偶者はいない(離婚済み)
Bには子供(Aから見て孫)が一人いる
Aが死亡したのは令和8年8月10日
Bが死亡したのは令和8年10月15日
Aの相続財産は札幌市南区の自宅(評価額4000万円)のみ
札幌市南区のAさんの相続人は誰でしょうか。
まず相続人の確定で重要になるのは、その確定の時期です。相続人を確定させたい相続関係は、あくまで札幌市南区のAさんをめぐる相続関係であるため、判断の時期は「令和8年8月10日」です。
令和8年8月10日の時点では、被相続人Aの唯一の子供であるBが生きていたため、そのBが相続人になります。
相続税の申告の要否については、法定相続人が一人であるため基礎控除額は3600万円です。被相続人Aさんの相続財産は札幌市南区の不動産(評価額4000万円)のみですが、その評価額は基礎控除3600万円を上回るため、相続税の申告と納税が必要です。実際には、相続人Bさんも死亡しているわけですから、Bさんの相続人であるCが、Bに代わってBのための相続税申告を行います。
札幌市南区のAさんの事例では、Aの相続開始時にはBが生きていてBが相続人になり、その後Bが死亡してCがBの相続人になりました。このように続けて相続が発生することを数次相続といいます。
代襲相続のケース
では、次のケースであれば相続人は誰になるのでしょうか。札幌市北区の甲さんが死亡し、その親族関係等の状況は次のとおりです。
甲には配偶者はいない(離婚済み)
甲の子供は乙のみ
乙には、配偶者はいない(離婚済み)
乙には子供(甲から見て孫)が二人(丙と丁)いる
甲が死亡したのは令和8年8月10日
乙が死亡したのは令和8年5月15日
甲の相続財産は札幌市北区の自宅(評価額4000万円)のみ
甲の子供は乙のみ
乙には、配偶者はいない(離婚済み)
乙には子供(甲から見て孫)が二人(丙と丁)いる
甲が死亡したのは令和8年8月10日
乙が死亡したのは令和8年5月15日
甲の相続財産は札幌市北区の自宅(評価額4000万円)のみ
先ほどのAさんのケースと異なり、甲の子である乙が死亡したのは、甲の相続開始(死亡)より前の令和8年5月15日です。甲の相続開始時には乙は存在しなかったことから乙は甲の相続人にはなれません。
この場合、乙の子(甲の孫)である丙と丁が乙の代わりに甲の相続人として登場します。この丙と丁が、代襲相続人です。
数次相続か代襲相続かで、相続税申告の要否に影響することも
相続人の確定は、相続税申告の基本の基本です。相続人の確定がなければ、基礎控除額が定まらず、相続税申告の要否の検討もできません。逆に相続人が確定すれば基礎控除額が明らかになり、相続税申告が必要か否か判断できることになります。
札幌市南区のAさんのケースにおいては、Aの相続人はその子のBでした。相続人が一人ですので基礎控除額は3600万円であり、Aの唯一の遺産である札幌市南区の不動産は評価額が4000万円ですので相続税申告の必要があります。
一方で札幌市北区の甲さんのケースにおいては、甲の相続人は孫である丙と丁の二人です。相続人は二人ですので基礎控除額は4200万円であり、甲の唯一の遺産である札幌市北区の不動産の評価額は4000万円でしたので、相続税申告の必要はありません。
札幌市南区のAさんのケースと札幌市北区の甲さんのケースは非常に似ていますが、相続人の数が異なるため、相続税の申告が必要か否か、結論がまったく異なります。相続人の確定がどれほど重要か、お分かりいただけたでしょうか。
法定相続情報の活用がおすすめ
相続人の確定というと、法定相続情報の活用をおすすめします。札幌市中央区にございます相続税専門の当税理士事務所では、どの案件においても、法定相続情報を取得して相続税申告の際に活用しています。法定相続情報とは、それ一枚あれば相続関係を示す戸籍一式の代わりになる大変便利なものです。
まずは相続関係を示す戸籍一式を取得し、相続関係を示した家系図のようなもの(法定相続情報一覧図といいます)を作成します。そして戸籍一式などの他の書類とその家系図のようなものを法務局に持ち込み、審査を受けます。
ものすごく簡略化して述べると、法定相続一覧図と戸籍一式の内容が無事に一致していたら、その法定相続一覧図に法務局がハンコを押してくれます。そしてその書類が法定相続情報となり、その法定相続情報一枚を提出すれば、戸籍一式を提出した扱いとなるのです。
もし戸籍一式の内容と自分で作成した法定相続一覧図の内容が不一致であった(たとえば相続人として記載するべき人が載っていない等の)場合は、法務局から補正の連絡が入り、修正しなければなりません。
このように法定相続情報を取得する過程のなかで法務局が相続人を確定するお手伝いをしてくれることになるため、相続人の確定に不安がある方こそ、法定相続情報の取得をおすすめします。札幌の相続税専門税理士である当税理士にご依頼いただくと、この法定相続情報も取得いたします。




